猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ジャーロ

2014-07-30 03:17:14 | 日記
2009年のイタリア・アメリカ合作映画「ジャーロ」。
北イタリアの都市トリノでは、美しい外国人女性ばかりを狙って誘拐し、
惨殺する連続殺人事件が起きていた。あるとき、スチュワーデスのリンダ
(エマニュエル・セニエ)とその妹のファッションモデルのセリーヌが
休暇のために訪れたところ、セリーヌがタクシーに乗ったきり消えて
しまう。リンダが地元警察に駆け込むと、猟奇殺人事件を専門としている
エンツォ警部(エイドリアン・ブロディ)を紹介される。彼は一連の事件と
つながりがあると考え、捜査を始める。

もうひとつダリオ・アルジェント監督の映画。しかしこれは失敗作だろう。
猟奇殺人事件を扱っているのはいつものパターンだが、テンポも悪いし、
アルジェントらしさが出ていない。大体冒頭から白人女性の名前が「ケイコ」
ってなんなんだ。日本語がしゃべれる設定だとしてもケイコはないだろう。
こんな感じで、突っ込みどころが満載なのだ。
どうしたんだアルジェント監督。「サスペリア2」や「フェノミナ」みたいな
名作を作るのはなかなか難しいのだろうが、これはないだろう。観ていて
退屈だったし、ラストもエンツォ警部とリンダは和解しなくていいの?と
思ってしまった。
エイドリアン・ブロディは良かった。この人ポーランドとかハンガリー
とかチェコとかの血が混じっているんだな。それであの独特な顔つきなの
か…と納得。
ともかく残念な作品だった。



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フェノミナ

2014-07-26 13:48:40 | 日記
1984年のイタリア映画「フェノミナ」。
スイス北部の都チューリッヒ郊外。この都市では若い女性ばかりが狙われる
連続殺人事件が起きており、警察は高名な昆虫学者マクレガー教授(ドナルド・
プレザンス)に腐敗した被害者の頭部を見せ、意見を求める。頭部に集まって
いる蛆虫が、犯人を突き止める手がかりになると考えた教授は、事件解決に
向けて協力を約束する。
一方、市内の寄宿制女子学校に、有名な映画監督を父に持つ少女ジェニファー
(ジェニファー・コネリー)が転校してくる。彼女は昆虫と交信できる特異な
能力の持ち主だった。持病の夢遊病で真夜中に徘徊している最中、殺人
現場に遭遇したジェニファーは、ひょんなことからマクレガー教授と親しく
なり、自分の持つ能力を活かして、教授とともに事件の犯人を追うことになる。

ダリオ・アルジェント監督のこの映画はすごくおもしろくて、何回観たかわか
らない。物語がとてもよくできている。主人公のジェニファーは有名監督の
娘で、すごい美少女で、夢遊病ということもあって、皆に変な目で見られて
友達ができない。そんな時マクレガー教授(この人、「ハロウィン」シリーズの
ルーミス医師である)と知り合い、心を許せる間柄になる。教授が飼っている
頭のいいチンパンジーとも仲良くなる。だがそのことで、ジェニファーも
犯人に狙われることになってしまう。
ラストの方で犯人の顔を見た時、ゾッとした。さすがアルジェント監督、よく
ああいう顔を考えつくものである。 更にジェニファーがその後どんな目に
遭うか、これもまたゾッとする。最終的に事件は解決するが、なんとも後味の
悪い、恐ろしい結末である。
私はこの映画、アルジェント映画では「サスペリア2」の次に好きだ。
特筆すべきはジェニファー・コネリーの美少女ぶりだろう。今もきれいだが、
少女のころはあまりにも美しかった。



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フォーリング・ダウン

2014-07-21 02:24:38 | 日記
1993年のアメリカ映画「フォーリング・ダウン」。
ロサンゼルス。真夏の太陽にさらされた灼熱のハイウェイで、道路工事に
よる大渋滞が発生。これに巻き込まれた中年男性(マイケル・ダグラス)は、
エアコンや窓の故障、車内に入り込み飛び回るハエに苛立ちを募らせる。
業を煮やした彼はついに車を降りて、問いかけるドライバーに「家に帰る」
と言い残し、道路を立ち去った。彼の、怒りに満ちた大暴走が始まる。

おもしろかった。誰にでもついていない時やイライラする時はある。でも
大抵の人はそれを我慢する。我慢できなかった男の話だ。
車を乗り捨てて道路を去った男は、離婚して元妻のところにいる幼い娘が
誕生日なので電話をかけようとする。しかし小銭が足りなかったので、
韓国系の店主が経営する雑貨店に入り、金を崩すためにコーラを買おうと
するが、ぼったくられる。怒った彼はバットで店をめちゃめちゃにし、
正規のコーラ代を支払って店を出る。「アメリカに来たからにはまともな
英語をしゃべってくれ」と言い捨てて。ここから彼の怒りの暴走は止まら
なくなるのだ。
男は厳格で几帳面で愛国主義者だ。元妻も彼の短気さに怯えて離婚した。
男はなんとしてでも娘に会いにいこうとし、行く先々で許せないことが
起きると大暴れをし、警察に追われる身となる。
この男をマイケル・ダグラスが見事に演じている。夏だから当たり前だが、
男は最初からずっと汗をかいている。その汗を見ていると、こちらにも
彼の怒りや焦りが伝わってくる。
最初はちょっとしたことだったのだ。渋滞して車が動かない。ハエが入って
きてイライラする。娘に電話をかけたい。そういったことがまとまって耐え
られなくなって、男の怒りが爆発する。ある意味哀れな男だ。元妻も面会
禁止令が出ているとはいえ、娘に電話くらいかけさせてあげても良かったん
じゃないの、と思う。法律のことはわからないが。
ラストもアメリカ映画らしい。



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トランセンデンス

2014-07-18 02:14:36 | 日記
アメリカ映画「トランセンデンス」を観にいった。
ウィル・キャスター(ジョニー・デップ)は人間の知性を超越する人工知能の
研究を行っている天才科学者。ある日、反テクノロジーの過激派組織の
銃弾に倒れてしまう。死の間際に、妻のエヴリン(レベッカ・ホール)は彼の
頭脳をコンピューターへインストールすると言い出した。成功すれば、
肉体が滅びた後もウィルの意識はサイバー空間の中で生き続けられる。
試みは成功し、ウィルの意識はコンピューターの中で生かされ、ネット
ワークの力により、軍事機密、金融、政治から個人情報まで、地球上の
全ての情報を手に入れることになる。

怖い映画だ。まず、死んだ人の頭脳をコンピューターへインストールする
なんてことができるのだろうか。それができれば、人は死なないことになる。
体を動かせなくても(体がなくても)意識はあるのだ。全ての人は機械の
中で生き続ける。そんなことは、あってはならないことだ。
人間は死ぬ。死ぬからこそ人間なのだ。それを根底から覆す理論は恐ろしい。
ウィルの知能はコンピューターの中で急速に発達し、世界を牛耳るように
なってしまう。それはウィルやエヴリンが望んだことだったのか。
天才科学者たちはある意味テクノロジーの過激派である。彼らの望んだこと
は何だったのか。ウィルの望んだことは。
ただ、この映画はSFだけでなく、ウィルとエヴリンの夫婦の情愛も描かれて
いる。エヴリンのウィルへの強い愛が、サイバー空間の中で生きるウィルを
生んだのだ。この2人の愛情は強く美しい。
もしかしたら、このような研究が実際に行われているのかもしれない。
人間は、神の領域に足を踏み入れようとしてはいけない。



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渇き。

2014-07-16 03:08:36 | 日記
日本映画「渇き。」を観にいった。
深夜、コンビニで店員を含む3人が惨殺される事件が発生した。事件の第一発見者
である警備会社の男が警察で取り調べを受けていた。
男の名は藤島昭和(役所広司)。数ヵ月前、妻の不倫相手への暴力事件を起こし、警察を
退職、そして離婚。警備会社に再就職するも、自暴自棄な生活を送っている元刑事。
汚れきった1人暮らしのアパートに帰宅すると、別れた妻の桐子(黒沢あすか)から電話
が入る。高校生の娘・加奈子(小松菜奈)が失踪したという。
藤島はかつて家族3人で暮らしたマンションへ向かう。加奈子のカバンから見つけた
のは、優等生だった娘からは想像もできない薬物や神経科の薬袋だった。藤島は
加奈子の捜索を始める。

あまりおもしろくなかった。とにかく暴力シーンが多く、疲れてしまう。原作が
そういう物語らしいのだが。結局なんだったんだろう、という感じになる。
突然失踪した高校3年の娘、その真相を追う元刑事の父親の話なのだが、なんだか
とても大仰な感じがして、登場人物の誰にも共感できない。それにこの藤島という
男、短気で暴力的で、人間的にとんでもない奴だから余計にだ。
どんなにひどいことをされても、みんなが加奈子を好きでいる理由もよく理解でき
ない。加奈子は自分のことを、「落ちた穴が深過ぎて、ずっとずっと堕ちつづける」と
表現しているが、確かに家庭環境に問題はあったものの、ああまで堕ちるものだ
ろうか。昔「黒い家」という映画を観た時(これは原作の方が圧倒的におもしろい)、
「この人間には、心がない」というキャッチコピーだったのを思い出した。加奈子は
殺人はしないのだが。
それに藤島、強過ぎだろう。あれだけ暴行されて脚を撃たれて、何故死なないのか。
ジョン・マクレーンかあんたは、と言いたくなる。
ただ役所広司の演技は圧巻。暴力的で反社会的でろくでなしの元刑事という男を、
見事に演じきっていた。見どころはそれくらいかな。いかれた父親といかれた娘の
物語。



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