小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

ハイジャック

2009-12-13 19:55:48 | Weblog
テニススクールにレッスンの電話をしたら今日は定員一杯で出来なかった。それで、ふと思いついて旅行代理店に行ってハワイに行くことに決めた。
女の店員「いつ出発の予定ですか?」
私   「明日か明後日」
女の店員「何日ですか?」
私   「4日くらい。パスポート必要なんですよね」
女の店員「パスポート取るのに10日くらいかかります」
男の店員「一週間で取れますよ」
私はもう乗りかかった船じゃなく飛行機なので一月に行く事にした。
初めての海外旅行である。湘南といえども冬は寒い。それで暖かい所に行こうと思ったのである。沖縄に行った時は、行く前に徹底的に沖縄の事を調べてから行ったので沖縄に行っても単にその確認に過ぎなかった。別に沖縄が好きなのではない。親が家を売りとばして沖縄に行ってしまったからである。単に楽しむためだけではない。何か行動すると小説のヒントが思いつくからだ。
国内では、割と色々な所に行ったが、普通の人よりはずっと少ないだろう。飛行機が離陸する時の主翼がバサバサ揺れる感じが私は好きである。ハイジャックとか起こってくれないかなー、などとも本気で思う。あるいは飛行機が故障して非常事態になってくれないかなー、などとも本気で思っているのは私だけだろうか。しかし私が死ぬぶんには構わないが、命の惜しい人を巻き添えにしてしまっては悪い。しかし、今はまだまだ書きたい小説が無限にあるので死にたくはない。
それにしてもハイジャックなどというものが今まで成功してきたのが私には不思議でならない。ピストルを突きつけられると金玉縮んでしまう乗客しかいないのか。別に英雄気取りでなくとも、人質を取るなどという人道的な方法を選ぶこと自体、ハイジャック犯は生命の尊さを知っている。それを逆手にとっているのだ。はたしてハイジャック犯に人をためらいなく殺す度胸があるだろうか。もしマシンガンだったら敵わないがマシンガンはハイジャックの武器として適当でない。ライフルも。となるとピストルしかない。急所にカバンを当てて、隙を見て飛びかかる男にハイジャック犯は心臓や頭を正確に打ち抜く技術と度胸があるだろうか。急所に当たらなければハイジャック犯からピストルを奪って腕を打ち抜いて、一人を逆に人質にしてしまえば、いいと思うのだが。そもそも武器というものは、将棋と同じで相手に奪われたら、逆に相手に責められる武器になってしまう。人を殺す気、自分は死ぬ気、の覚悟がなくてはハイジャックは成功しない。そういう点、空手家は徒手空拳で、自分の手足が武器だから安心である。いくらボディーチェックしてもダメである。ボディーそのものが凶器なのだから。という事でハイジャックが起こらなかったら私がハイジャックしてやろうか、と思ったりもする。ので一月にハワイに行く人は気をつけて下さい。しかし私は何の目的でハイジャックするのだろうか。よく考えてみたらハイジャックする目的がない。それより私は、機内で急病人が出て、スチュワーデスが、「誰かこの中にお医者様はいませんかー」と言われる事態が起こった方が怖い。私は外科手術など出来ないからである。それにしても私はスチュワーデスには劣情を感じない。バスガイドになら劣情を感じるのだが。

私の高校では、池に生徒をふざけて落す習慣があった。寮生なら(寮生でもよくないが)まだしも通学生では、ちょっと問題である。ある時、一人の真面目な通学生が放課後、池に落されることになった。彼はみなにとりまかれた時、隠し持っていたカッターを抜いた。しかし彼はそれを振り回せなかった。人を切ったら大変だからである。棒やヌンチャクなら、よかっただろう。武器というものは、その時の状況と、自分の覚悟の度合いで、それに相応しい物を選ばねばならない。

ちなみにヌンチャクには、こういう注意が書かれてある。
「ヌンチャクは護身の道具であり絶対に攻撃に使ってはならない。もしこの禁を破れば他人を傷つけ己を滅ぼす」

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