小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

自由学園

2009-12-21 01:03:05 | Weblog
自由学園を卒業する直前の6年の時、6年生全員が寮で、簡単な別れのスピーチをする習慣があった。それは今でもあるだろう。上級生の事は、知らないから、その時に、上級生の思いを知ることが出来た。しかし、気に食わないものもあった。不真面目な生徒のする事といったら、学校をサボる。そして寮で麻雀をする。掃除をしない。下級生をいじめる。タバコを吸う。無断借用する。などである。不誠実な生徒は、学校を休むことが多く、掃除もしないから、あまり顔を見る機会がない。そういう生徒は、6年の別れのスピーチにも出ない。いないので、別の友達が、その人の事を紹介したりする。そういう事が少なからず、あるのである。紹介する生徒は、「彼は、学校生活は良くなくて、ワルのように思われているかもしれないけれど、人間的にはすごくいいヤツで・・・」などと言うのである。私は、これに反吐が出た。そんな事、言ってるヤツもバカだと思った。「ふざけんじゃねえ。学校サボるのはてめえがバカになるだけだから、かまわないが、掃除をサボることの意味がわかんねえのか。掃除をサボれば、労働者が一人減って、それだけ他の人の仕事が増え、人に迷惑をかけるという事になるというのに、それの何処がいいというのだ。タバコを吸うのも、てめえが、ニコチン中毒になるだけだから構わない。しかし無断借用することのどこが良い事なのだ。学校の規則を守らず、学校をサボって、仲間どうしで、遊んで面白おかしい事を言えば、いい人間性の人間というのか」と思っていた。こんな事を言う奴等は、あまちゃん、もいいところだ。実際、学園は金持ちの莫迦息子が多い。今年の11月に、同窓会に行ったが、ほとんどがろくな仕事についてない。Fをいじめた奴等、尻馬にのって、いじめた奴等も対象外。
ただ、感動した人もいる。私より一年上の上級生だったが、その人は、勉強も運動も取り得のない、ぱっとしない人だった。しかし、別れのスピーチの時、こんな事を言った。
「僕はゴミ燃し場をきちんとした。これだけは僕が自由学園で一生懸命、取り組んだ事で、下級生にはぜひ、ゴミ燃し場をきちんとして欲しい」
感動した。立派な人だと思った。

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