小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

強がる

2009-12-25 09:27:42 | 考察文
強がる。強がる、という事は悪い徳のように言われている。しかし、強がるということは、良い事なのである。葉隠れ、では、はっきりと強がること、つまり、外見の強さの徳を説いている。謙虚さは大切だが、自分は弱い、自分は弱い、と思ったり、言ったりしていると本当に弱くなってしまうからだ。これは、強さ、だけではなく、知識でも言える。知らない、知らない、というクセをつけてしまうと、一見、謙虚で正直な人のように見えるが、つまりは、逃げるクセをつけてしまっているのである。だから、知ったかぶり、という事も、その事をちゃんと、とらえていれは、いい事なのである。自分の頭の中にある知識を駆使して、知らない事でも、考えて言ってみる、さらには、いい加減な事を言った後、恥の感覚のある人なら、ちゃんと本で事実を調べるだろう。そして、こういう事は、印象に残るので、忘れない。同様にハッタリもいい事である。ハッタリをはる事で自分で自分に逃げ道をなくす状況に追い込むからである。謙虚さの美徳にとりつかれてしまう人は、消極的になってしまい、何事からも、逃げる習慣がついてしまう。そうすると能力が伸びない。梶原一騎を、編集者の間では、ハッタリ屋と、悪口を言う人もいた。しかし、それは違う。明日のジョーで、少年院での青山との戦いで、良いハッタリの事をしっかり表現している。そもそも梶原一騎は、IQが高かった。そして、人間は背伸びしなくては成長しない。のである。

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