白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

本日の対局

2019年01月31日 23時59分59秒 | 対局
<本日の一言>
本日は杉内寿子八段が近くで対局していました。
背筋を伸ばして熟慮する姿は美しかったです。
相手の謝依旻六段も、かなり気合が入っていた様子でしたね。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日は棋聖戦ファーストトーナメントで風間隼三段と対局しました。
印象に残った場面を振り返ってみたいと思います。





1図(テーマ図)
黒△とノゾキを打たれました。
ここは気になっていた所です。
白Aとつなげば無難ですが、黒にとって打ち得の交換になります。
それはそれで一局の碁かもしれませんが、逃げの姿勢で若い棋士に勝てるかどうか・・・。






2図(実戦)
ということで、実戦は白△と反撃しました。
白AとBの出を見ています。





3図(実戦)
勢い、黒も1と切ってきました。
戦闘開始です。





4図(実戦)
その後、白×が取られ、白〇が宙に浮きました。
その代わり白△と進出し、黒×や黒〇を狙う態勢を築いています。
痛み分けのような結果です。
善悪はさておき、一方的に頭を下げるよりはずっと気分が良いですね。


この後は色々ありましたが、結果は幸いしました。
昨年は苦しみましたが、調子はだいぶ上向いてきたようです。
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結城聡九段-劉昌赫九段戦

2019年01月29日 23時29分23秒 | 囲碁界ニュース等
<本日の一言>
対局が近いにもかかわらず仕事が溜まっています。
本日はお休みしようかと思いましたが、簡易版の記事を投稿することにします。
明日はお休みする予定です。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日はワールド碁チャンピオンシップのシニア予選決勝をご紹介します。



1図(実戦)
結城聡九段(黒)と劉昌赫九段の対局です。
黒1と打って白△を大きく飲み込む構えですが、白2、4と仕掛けていきました!
相手の弱点を衝くのは捌きの基本ですね。





2図(実戦)
黒△と打った場面、白Aと受ける手がまず思い浮かびますが・・・。





3図(実戦)
白×にはこだわらず、中央を打ったのが劉九段の大局観です。
上辺は左右の黒が強く、戦っても必ず白が不利になりますからね。
逃げている間に黒Bに回られ、絡み攻めに遭うのが最悪の展開です。
この発想はぜひ参考にしてください。


結局、日本選手が予選を通過できなかったのは残念でした。
シード選手に期待しましょう。
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女流棋聖戦第2局

2019年01月28日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等
<本日の一言>
言論の自由とは、思ったことを何でも口に出して良いということではありません。
最近はそのことを強く実感しますね。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日は女流棋聖戦第2局が行われました。
それでは、早速振り返っていきましょう。



1図(実戦)
上野愛咲美女流棋聖の黒番です。
藤沢里菜挑戦者が白△とボウシしました。
A、B、Cの断点を睨んでいます。
「貴方、守った方が良いんじゃないですか?」と言っていますね。





2図(実戦)
しかし、上野女流棋聖の打った手は黒△!
「冗談でしょう? 弱いのは貴方の方では?」と返答しました。
強気です!





3図(実戦)
白も怒って、白3、白7と切っていきました。
黒×は一体どうなってしまうのでしょうか!?





4図(実戦)
この戦いの結果は、黒が白×を取り込んで凌ぎました。
上野女流棋聖が、藤沢挑戦者に読み勝ったと言えるでしょう。

この後も際どい戦いが続きましたが、最後は上野女流棋聖の中押し勝ちとなりました。
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趙善津九段-結城聡九段戦

2019年01月27日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等
<本日の一言>
嵐の活動休止のニュースにビックリです。
ツイッターでは、物凄い数の女性ファンの悲鳴が・・・。
40歳付近は人生の半ばであり、大きな節目になるのでしょうか。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日は第3回ワールド碁チャンピオンシップ国際予選準決勝が行われました。
その結果、一般枠は時越九段(28)と廖元赫七段(18)、江維傑九段(27)と楊鼎新七段(20)の4名が決勝に進出しています。
全員中国棋士とは、流石に層が厚いですね・・・。

また、シニア予選では結城聡九段(46)と劉昌赫九段(52)が決勝に進出しました。
こちらは日韓対決になりましたね。

さて、今回は準決勝の趙善津九段(48)と結城聡九段の対局をご紹介したいと思います。
日本棋士同士の対局ではありますが、実に気合の入った内容でした。
なお、準決勝の棋譜は全局日本棋院ネット対局幽玄の間にてご覧頂けます。



1図(テーマ図)
趙九段の黒番です。
さて、いきなりですが詰碁の問題です。
白△に対して、黒はどう受けますか?





2図(実戦)
実戦は黒1、3と1目取りましたが、白4とハネられて死んでしまいました。
この後黒Aと押さえても、白Bと切られて両コウの形です。

これは詰碁としては不正解で、初手黒Cと打っていればコウに持ち込むことができました。
趙九段ほどの棋士が、このレベルの死活をうっかりしたのでしょうか?





3図(実戦)
もちろん、そんなことはありませんでした。
黒1、3を利かすことで白の外壁に穴を空け、黒13まで切断!
眼の無い白×を攻める狙いでした!
正に「肉を切らせて骨を断つ」ですね。





4図(実戦)
その後色々あって、黒×と白×の攻め合いに発展しました。
凄まじいねじり合いですね。
ここからの戦いも非常に難解でしたが、結果は白の結城九段が6目半勝ちを収めました。
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結城聡九段-王磊八段戦

2019年01月26日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等
<本日の一言>
大坂なおみ選手、全豪オープン優勝!
4大大会2連勝で、世界ランクは1位になったとか。
凄すぎますね・・・。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日、第3回ワールド碁チャンピオンシップの国際予選3回戦が行われました。
シニア予選2回戦で高尾紳路九段と三村智保九段が敗れたのは残念でしたが、3回戦は唯一の日中対決を結城聡九段が制し、準決勝に日本棋士3名が進出することになりました。
明日、王銘エン九段が劉昌赫九段(韓国)に勝てば日本代表の枠抜けが確定します。

それでは、今回は結城聡九段(46)と王磊八段(41)の対局をご紹介しましょう。
王八段はかつて中国でトップ争いをしていた棋士で、世界戦準優勝経験もあります。
なお、棋譜は日本棋院ネット対局幽玄の間にて中継されました。



1図(実戦)
結城九段の黒番です。
左上で早くもややこしい戦いが始まっています。
結城九段は昔から難解型を好んで打っていますね。
研究が足りないとすぐに形勢が悪くなるリスクがありますが、そこは抜かりないということでしょう。





2図(実戦)
黒△まで、予定通りの進行なのでしょう。
上辺、左辺の白への攻めを狙っています。
武闘派の結城九段らしい作戦ですね。





3図(実戦)
白1に対して、すぐさま黒2と追及したのも結城九段らしいですね。
この手ではとりあえず黒5と頭を出しておく手も自然に見えますが、結城九段は白5と打たれても凌ぎに困らないことを読み切って手を抜いているのです。
雰囲気で打たず、とにかく読みを入れていくのが結城九段の碁ですね。






4図(実戦)
白1に対して、黒2、4とコウを仕掛けていった手順だけを見るとギョッとしますね。
しかし、このコウに勝てば黒Aと眼を取りにいく狙いがあるので、黒にとっては楽なコウです。
勢いに任せたわけではなく、計算尽くのコウ仕掛けでした。


本局は黒2目半勝ちとなりました。
結城九段の快勝だったと思います。
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