窓辺に向かって、お盆に迎えにきたと告げた。

8月11日（火）

19時　両国橋を渡り錦糸町駅に向かう。

清澄通りを過ぎて左折して暗い小道に入った。

去年であれば、前方の大きな赤提灯がぶらさがり

店が開いているのが分かった。

19時20分　夕闇にひっそりと浮かぶ山桜の葉陰に

ガラス扉が見える。

貼り紙を確かめてから

両手を合わせ窓辺に向かって黙祷した。

去年11月　大将は突然　この世に別れを告げた。

 

 

十六夜の月明かり、山桜の下で八海山を飲んだことを思い浮かべた。

 

 

19時40分　錦糸町駅に着いた。

総武快速に乗るか、総武線各駅停車に乗車するか

迷ったが、昼飯に大量ニンニク入りラーメンを食べたので

口臭が酷いので比較的乗客が少ない各駅にマスクして乗った。

 

船橋駅下りて海老川沿いを歩き、千葉街道に出た。

車のヘッドライトの先に小さなマンションが浮かぶ。

角の3階窓辺に明かりは灯っていないが

両手を合わせ黙祷した。

 

あいつが逝って5年の月日が流れた。

 

 

今夏は墓参りに行けそうにない。

 

 

無念の旅立ちをしたお二人に私は忘れずに

お盆に迎えに来たと告げた。