町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

新世代の燃料電池バス、トヨタ自動車製"SORA"(都営バス)を見る

2021年03月01日 | 都営バス

東京都では水素エネルギー社会の実現に向けて、燃料電池自動車の普及に向けての取り組みを行っており、20173月にトヨタ自動車製の燃料電池バス(トヨタFCバス)を都営バス深川自動車営業所に導入しました。このFCバスは燃料電池自動車である「MIRAI」で確立したトヨタフューエルセルシステムをベースに開発され、エネルギーの高効率化やCO2などの有害物質を排出しない走行性能を実現しています。この時点では実証実験を兼ねていた為リース形式での導入(20191月に返却)となりましたが、2018年より日本初となる型式認証を受け量販型燃料電池バス「SORA(ソラ)」として販売が開始され、営業での運用実績がある都営バスが導入第一号になりました。

深川自動車営業所に所属するD106号車(ZBC-MUM1NAE2019年式)。全長は10.5メートルで在来車と変わりないですが、外観は非常に斬新で窓と車体がブラックアウトされています。中扉は戸袋式の引戸ではなくプラグ式を採用した為、側面はより平滑な印象になりました。

東京ビッグサイトを後に東京駅へ向かうD109号車、上のD106号車の一ヶ月後に導入されました。愛称であるSORAの由来はSky()Ocean()River()Air(空気)の頭文字で、水と空気の循環を表しています。

江戸川自動車営業所所属のE130号車をリア部から。車体の造形は従来車と比べて立体的でルーフ前部には水素タンクを10本、後部にはMIRAIと同じFCスタックを2基搭載しています。大容量の外部給電システムも同様に備えており、災害時には電源車としての利用も可能にしました。車両価格は1台当たり1億円という驚きの価格ですが、国や自治体からの補助金の対象になる為、一般的な大型路線バス同様の価格で導入可能とのことです。

車内設備。FRP成型の座席で欧州車のような雰囲気が漂っています。向かって左側は車椅子・ベビーカーのフリースペースで、横向き座席は収納式になっており、普段は乗客が自ら引き出して利用します。

現在は民営の路線バス事業者でも導入が進められ、その姿を見る機会も増えて来ましたが今後は車両そのものやエネルギーコストの低減など課題もあり普及までにはまだ時間が掛かりそうですが、首都圏を初めとした大都市での更なる増加に期待したいところです。

 

 

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