走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

日本に馴染みのない医療の形 最終回

2020年12月31日 | 仕事
シリーズ 最終回さあ、今までのおさらいです。ACPは患者が自分の治療をカスタマイズすること。治療だけが医療ではない。治療は回復の可能性がなくなると不毛な処置になる。医療崩壊寸前でのトリアージの意味。選ばれる命。医療資源は無限大ではない緊急事態時の各界を超えた協働の重要さ日本は歴史のある国です。そして国民はとても勤労勤勉です。そこが日本の良いところであるけれど、周り(国外)を見る事を忘れ、変化を恐れ . . . 本文を読む

日本に馴染みのない医療の形 その4

2020年12月31日 | 仕事
シリーズ4日目ICUのベッドを増やせば医療崩壊は起こらないのでは? と思っている方。ICUベッド一つにどれぐらいの投資が必要なのかご存知ですか?日本の詳細を知らないので知っている自分の職場の事を。ICUレベルになると症状が不安定で観察がとても重要になるし、管理しなければならない医療機器も多いので看護師は1:1でつきます。BC州の看護師の労働時間はフルタイム . . . 本文を読む

日本に馴染みのない医療の形 その3

2020年12月30日 | 仕事
シリーズ3日目呼吸器をつけていてもつけていなくても死はそこまで迫っている、これが重要なポイントと昨日書きました。回復の可能性があるときは治療と呼び、同じ処置でも回復の可能性がなくなると不毛な処置となる。処置をしてもそこには花が咲かない。処置をしてもしなくても死は避けられない。よって不毛な処置は行わない。これが人工呼吸器を切る理由。有賀医師が書いていたコロナの重症患者のICU滞在日数について。日本は . . . 本文を読む

日本に馴染みのない医療の形 その2

2020年12月29日 | 仕事
シリーズ2日目1日目はACPについて書きました。患者が自分の治療を選択する権利です。日本では「お医者様が言う通りに」と自分の治療計画の決定プロセスに参加しない患者が諸外国に比べて多いと言われています。その背景には国民性や文化や歴史、習慣などがあると言われています。例えば上下関係を尊重する文化。医者という専門家をたてるために自分は医療の事はわからないから専門家へ任せると自分を低く位置付けるなど。しか . . . 本文を読む

日本に馴染みのない医療の形

2020年12月28日 | 仕事
フォローしている有賀医師のブログについて私の働いている国の意見の追加を日本の方は馴染みがないと思いますが北米では治療を選ぶ権利が保障されています。個人の幸せ、個人の思想が重要視されている国なのでそうなります。「治療を拒否する」と言うと殆どの方が門を閉ざされる、病院から追い出される、在宅も来てくれない、と想像される人がいますがそれは勘違いです。全てにおいて選ぶ権利が国民にあると言うことです。例えば挿 . . . 本文を読む