(有)村田牧場通信

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サマーセール上場馬3頭をご購買いただきました

2019年08月24日 | セール上場馬
8月22日のサマーセール4日目に、当場から3頭上場しました。

結果、№1119ダンシングハートの2018(牡、父ヘニーヒューズ)は坂本肇様にご購買いただきました。

№1163パラボリカの2018(牝、父ローレルゲレイロ)は㈱本城様にご購買いただきました。

№1248ラヴァーズレーンの2018(牡、父オルフェーヴル)はIHR組合様にご購買いただきました。

ご購買いただきました馬主様、誠にありがとうございました。

3頭はいずれもサマーセール全体から見ればかなり遅い上場番号ということで、セリではかなりの苦戦が強いられると覚悟していましたが、やはりセール最終日の後半ということでお客様の数もかなり少なかった印象です。

そのなかでも、結果的に3頭すべて落札していただきました。

馬主様、そして関係者の皆さまには改めて御礼申し上げます。


次は9月のセプテンバーセールに当場生産馬3頭を上場予定です。

後日、上場予定馬の紹介記事をアップする予定ですので、セプテンバー組にも是非ご注目ください。




【サマーセール】№1248ラヴァーズレーンの2018(牡 父オルフェーヴル)

2019年08月16日 | セール上場馬
当場生産馬のなかからサマーセール上場予定として紹介する最後の馬は、ラヴァーズレーンの2018(牡、父オルフェーヴル)です。









牝系解説文に関してはこちらをご参照ください。

事前にHBAに提出した測尺は、以下のとおりです。

【体高】162cm 【胸囲】176cm 【管囲】20.5cm 【馬体重】488kg

この数字が示す通り、オルフェーヴル産駒としては馬格に恵まれた牡馬です。

オルフェーヴル産駒に関しては気性面での懸念を耳にすることがあるものの、本馬は当歳時から現在に至るまで穏やかなタイプの気性をしていて、当場生産の1歳世代のかなでも扱いやすい一頭です。

軽やかでキビキビとした歩様が特長的ですが、やや脚長の馬体をしていることから、気性面を含めると距離をこなすタイプの競走馬に成長しそうな印象です。

本馬に関しては、当時セレクションセール馬のセリ馴致など手が回らない状況があったため、地元の育成場である育成公社さんにセリ馴致をお願いしています。


父のオルフェーヴルは現役時に三冠を達成した名馬で、改めてその競走成績を振り返ると三冠に加えてG1有馬記念2勝、G1宝塚記念勝ちという名馬にふさわしい成績でした。

気性の荒さ、悍性の強さは産駒にも受け継がれているようで、そのため他の種牡馬に比べると種牡馬成績に安定感が足りない印象がありますが、それでもG1皐月賞を制したエポカドーロやG1阪神JF勝ちのラッキーライラックを出すなど高い能力を産駒に伝えています。

2017年に初年度産駒がデビューしていて、2019年の種牡馬ランキングは現時点で11位と悪くありません。

競走成績が素晴らしかっただけに現在の種牡馬成績が案外と思われている部分もあるものの、一頭の種牡馬としてその種牡馬成績を見る限りは、ここまで順調に来ていると言えます。

オルフェーヴルの馬体はノーザンテースト4×3の影響が出ているように思いますが、本馬の血統ではノーザンテーストのクロスを継続強化しているものの、その馬体は比較的伸びがあってノーザンテーストのそれとは異なります。

柔軟性に富んだ本馬の馬体は、血統に根拠を求めるならばオリエンタルアート≒メジロライアンの相似クロスに起因するかもしれません。





いずれの血脈もノーザンテーストとシェリルを持ち、さらにはAlcide≒パラディシアによる相似クロスの関係もあります。





この2つの血には欧州血脈が比較的多く含まれているので、それが芝向きの柔軟性や素軽さを与えた可能性はありますし、雄大な馬格はメジロライアンの影響が出ているとも考えられます。


一方、本馬の母ラヴァーズレーンは、当場で力を入れているモガミヒメ牝系の出身です。

この牝系はスピードに秀でているのが特長的で、一方でこの牝系から距離が持つ馬も生産したいと考えて、モガミヒメに中距離馬のメジロライアンを配合した結果としてラヴァーズレーンが生まれました。

ラヴァーズレーンの血統的特徴は、父メジロライアンから受け継いだHyperionの血の多さにあると考えますが、これはモガミヒメの血統には少なかった血脈です。

このHyperionの血を多く取り入れたことで、ラヴァーズレーンは持続するスピードを武器に大逃げタイプの競走馬として中央5勝という成績を残し、また彼女の産駒たちもモガミヒメ牝系のなかでは距離をこなす傾向にあります。

ラヴァーズレーンにオルフェーヴルを配合したのも、Hyperion4×3(正確にはその娘Lady Angelaの3×2)を持つノーザンテーストの血をインブリードのクロスで持っているのが大きな理由の一つでした。





母ラヴァーズレーン自身がダート馬だったことを考慮すると、本馬もダートに適性を示す可能性はありますが、オルフェーヴル産駒で素軽い馬体をしているので芝馬になる可能性も十分あると考えています。


本馬に興味のある方は、当場HPからご連絡頂くか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入下さるようお願いいたします。(表示はされません)

当場から折り返し連絡させて頂きます。




【サマーセール】№1163パラボリカの2018(牝 父ローレルゲレイロ)

2019年08月15日 | セール上場馬
今回は、来週のサマーセール第4日目(8月22日)に上場予定のパラボリカの2018を紹介させていただきます。









牝系解説文に関してはこちらをご参照ください。

事前にHBAに提出した測尺は、以下のとおりです。

【体高】158cm 【胸囲】180cm 【管囲】21.1cm 【馬体重】490kg

この時期の牝馬としては、立派な数字だといえます。

この馬格は父ではなく、明らかに母系由来のものだといえます。

本場の母パラボリカは南関東で540kg前後で競馬していた馬ですし、2代母で南関東牝馬3冠を達成したチャームアスリープも480kg前後で競馬するなど、この牝系は馬格に恵まれているのが特徴です。

この馬格のためか、普段牧場内ではどっしりとした気性で、引き運動やウォーキングマシン、あるいはトラックへの積み込みの練習なども早い段階で順応してくれました。

牝馬ということで、セール当日はソワソワすることがあるかもしれませんが、当場におけるセリ馴致を含めた成長過程はここまで良好だと言えます。


父のローレルゲレイロは、当場生産馬としてG1高松宮記念とG1スプリンターズSの2つのG1を勝って、その後に種牡馬入りした当場を代表する生産馬です。

現在は種牡馬シンジケートを解散して、当場のプライベート種牡馬として繋養しています。

種牡馬としては、準OPを勝っているアイラインや地方重賞を勝っているシークロムなどを出しています。

ローレルゲレイロ自身の血統的特長の一つとして、Drone≒Halo≒Nijinsky≒Careless Notionによる相似クロスが挙げられます。







上記で色分けした通り、これら4つの血脈はNearoやPharamond、さらにはBull Dog=Sir GallahadやMahmoudを持つ点で共通しています。

このうち、パラボリカの2018はHaloとNijinskyのクロスを持つことで、Drone≒Halo≒Nijinsky≒Careless Notionの影響を継続強化する配合にしました。

Drone≒Halo≒Nijinsky≒Careless Notionの相似クロスは、G1を制したローレルゲレイロの能力の源泉になっていると考えているので、この血統傾向を踏襲するのはプラスに働くはずです。

もう一つ、パラボリカの2018の血統で特徴的な相似クロスがありますが、それがダンシングブレーヴ≒モガミポイント≒Reluctant Guest≒トップニュースです。







ダンシングブレーヴ≒モガミポイントについては父ローレルゲレイロ内で、またReluctant Guest≒トップニュースのほうは母パラボリカ内にある相似クロスですが、パラボリカの2018の代ではこの4つの血脈が相似関係で存在します。

本馬の血統では特にNasrullah/Princequilloのニックスを持つ血脈が豊富で、この血統パターンは柔軟性を遺伝させることが多く、それが歩様にも表れていると思います。

当場でローレルゲレイロを生産しているだけに、その血統的特徴は把握しているつもりなので、それを最大限生かした配合から本馬が生まれました。

ただ、馬格などは母系由来であり、その母系の競走成績も考慮すると芝よりはダートのほうが適性が高いかもしれません。


本馬に興味のある方は、当場HPからご連絡頂くか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入下さるようお願いいたします。(表示はされません)

当場から折り返し連絡させて頂きます。




【サマーセール】№1119ダンシングハートの2018(牡 父ヘニーヒューズ)

2019年08月13日 | セール上場馬
今年は、当場からサマーセールに3頭を上場予定です。

当場生産馬の上場は第4日目の8月22日でサマーセール最終日となっていて、上場番号としては全体から見ると遅めではありますが、是非ご注目くださいますようお願いいたします。

さて、3頭上場のなかで最も早いのが、今回取り上げる№1119ダンシングハートの2018です。









牝系解説文に関してはこちらをご参照ください。

事前にHBAに提出した測尺は、以下のとおりです。

【体高】155cm 【胸囲】175cm 【管囲】20.0cm 【馬体重】457kg

現時点での測尺としては標準レベルだといえる数字でしょう。


父のヘニーヒューズは種牡馬として好調で、中央における勝ち馬率だけならば成功種牡馬ロードカナロアと同等レベルにあります。

ただ、ロードカナロアとは異なり、ヘニーヒューズ産駒の勝利数はダートに集中しています。

本馬は母父サンデーサイレンスの影響を受けて柔らか味のある歩様をしていますが、父ヘニーヒューズ譲りの筋肉質の馬体をしているので、この馬も主戦場はダートということになりそうです。

ヘニーヒューズ産駒の活躍傾向としては、モーニンのように母方にMr.Prospectorの血を持つか、ワイドファラオのように母方にサンデーサイレンスの血を持つ馬が上位クラスで活躍しています。





モーニンのように母方にMr.Prospectorの血を持つヘニーヒューズ産駒の場合、Mr.Prospectorの2代母Miss Dogwoodとヘニーヒューズが持つNothirdchanceによる相似クロスができます。





いずれの血も、Bull Dog(Sir Gallahad)×Blue Larkspurの組み合わせを持つ血脈です。

ダンシングハートの2018の2代母であるアイレスバリーヒルはBuckpasser3×3を持っていますが、Buckpasserの2代母BusinesslikeはBlue Larkspur×Teddy(Bull Dog、Sir Gallahadの父)の組み合わせなので、ダンシングハートの2018血統にはNothirdchance≒Miss Dogwood≒Businesslikeによる相似クロスがあるとも考えられます。

ワイドファラオのように、母方にサンデーサイレンスの血を持つヘニーヒューズ産駒の血統においては、サンデーとヘニーヒューズの父であるヘネシーが共にMahmoudクロスを持っているので血統傾向は合うはずです。





とりわけ、ヘニーヒューズが持つTom Catの血と、サンデーの持つCosmahの血は相似関係にあります。





いずれも、Pharamond系×Mahmoud系の血統パターンです。


このように、Mr.Prospectorやサンデーサイレンスの血を持つ繁殖牝馬はヘニーヒューズと血統的相性が良い傾向にありますが、ダンシングハートはそのどちらの血も持っているのでヘニーヒューズとは相性が良いと考えて配合した結果、本馬が誕生しました。


もう一つ、本馬の配合を考えるにあたって参考にしたのが、本馬の従兄にあたるラインルーフ号(OP勝ちあり)です。





母同士が3/4姉妹という関係であり、それぞれの父であるフレンチデピュティとヘニーヒューズはいずれもNorthern Dancer系×Hold Your Peace系牝馬ということで、ラインルーフとダンシングハートの2018は極めて似通った血統背景を持っています。

また、本馬の半兄であるセツメンノトビウオ号(現2歳、1勝馬)はフレンチデピュティの血を引くクロフネ産駒なので、こちらも本馬の血統パターンと近い関係にあります。





以上のことから、繁殖牝馬ダンシングハートにヘニーヒューズは合うと考えて配合して、結果として立派な牡馬が生まれてくれました。

この馬は、当場においてはセレクションセールでトッププライスだった当場生産馬オーシャンフリートの2018の僚馬という関係でした。

ただ、放牧地で2頭があまりに激しい相撲を取り合う関係だったので、両馬のケガの防止という観点から、当時セリ馴致をまだ始めていなかった本馬のほうを育成公社さんにセリ預託に出すことで両馬を引き離すことにしたという経緯があります。

なかなかに気の強い面がある馬ですが、それでも育成公社さんでセリ馴致をしてもらうなかで心身ともに成長してくれました。

馬体的に良い状態をキープしているので、あとはこのまま来週のセールを迎えたいところです。

本馬に興味のある方は、当場HPからご連絡頂くか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入下さるようお願いいたします。(表示はされません)

当場から折り返し連絡させて頂きます。







ターファイトクラブ提供馬のゼフィランサスの2018(Blaze14)が満口に

2019年08月07日 | クラブ募集馬
当場生産馬でターファイトクラブに1歳追加募集で提供させていただいたゼフィランサスの2018(牡、父ドゥラメンテ)が、8月6日より募集開始となりましたが、お蔭様で即日満口という当場としても予想以上の結果となりました。

ご出資いただいた会員の皆さま、誠にありがとうございます。

また、本馬に関しては、8月6日に申込された会員さんのなかには抽選によって出資が叶わなかった会員さんもいらっしゃるということで、大変申し訳ございません。

本馬のほうは、暑い夏を迎えるなかで日焼けをしてやや疲れ気味のところがありますが、馬体に関しては順調に成長しています。

8月中の移動を目途に育成場さんと調整中ですが、それまではしっかりと飼養管理していきます。

改めて、ゼフィランサスの2018に対して多くのご出資をいただき誠にありがとうございました。

出資会員の皆さま、今後ともよろしくお願いいたします。