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ターファイトクラブ提供馬メジェルダの2022(牝、父ミスターメロディ)が満口に

2022年10月27日 | クラブ募集馬

昨日、ターファイトクラブのスタッフさんから連絡があり、当場生産馬で同クラブに提供しているメジェルダの2022(牝、父ミスターメロディ)につきまして、10月24~25日にかけての申込において売り出し口数以上の出資申込をいただいたとのことで、抽選を経てこのたび満口扱いになったと報告を受けました。

出資会員の皆さまには御礼申し上げますとともに、今後ともよろしくお願い申し上げます。

また、抽選漏れされた方につきましては、ご希望に添えることができず深くお詫び申し上げます。

本馬のほうは、相変わらず順調に成長しています。

即満口にしていただいた馬ということで今まで以上に責任を感じながら、彼女が立派な競走馬として成長できるように当場としてもしっかりと飼養管理していきます。

改めまして、このたびは多くの方々にご出資いただき誠にありがとうございました。

 

 

 


【血統・配合】メジェルダの2022(ターファイトクラブ募集馬 牝 父ミスターメロディ)

2022年10月23日 | クラブ募集馬

10月24日により、ターファイトクラブにて2022年当歳募集馬の募集が始まります。

今回はそれに合わせて、当場から提供させていただいたメジェルダの2022(牝、父ミスターメロディ)を紹介させていただきます。

 

 

10月21日時点での本馬の測尺は、以下のとおりです。

【体高】145cm 【胸囲】155cm 【管囲】18.6cm 【馬体重】316kg

本馬は2月生まれであり、当場全体の当歳世代との比較では全部の数字が平均より上、2月生まれ限定で見ても平均的な数字だと言えます。

現1歳でセレクションセールでご購買いただいた半姉(父アジアエクスプレス)は母似の少し小柄な馬体でしたが、本馬はそのシルエットから父似であることは明らかで、馬体の大きさも父同様に平均的な大きさまで成長すると見ています。

ここまでの成長からムダ肉が付かない体質だと思われ、一方で四肢など付くべきところには筋肉が付いていますし、今後はもっと付いてきそうです。

このあたりも父ミスターメロディの影響が強そうな印象です。

その父ミスターメロディは、この当歳世代が初年度産駒になります。

ミスターメロディ産駒には本馬のように現時点では少し脚長に見せる馬が多いようで、芝馬のように見せるものの、ダート適性もありそうな馬体が多いとのこと。

まさしく本馬もそのタイプであり、関係者の方が本馬を視察に来たことがありますが、他のミスターメロディ産駒もこのようなタイプが多いようです。

気性面については、普段は非常に落ち着きがある一方で、スイッチが入ると気の強さを前面に出すことがあります。

このあたりは、本馬の4代母カスパースカイゴールドからこの牝系に受け継がれている気の強さであり、この気性を活かすことでスタートを決めてそのまま押し切るようなレースができる牝系だと言えます。

父ミスターメロディの血統についてですが、彼の父が名種牡馬Scat Daddyで母父がDepputy Ministerなので、米3冠馬のJustifyと血統傾向が類似します。

 

 

父がともにScat Daddyで母父がいずれもDeputy Minister系、さらに母方にRelaunchの血が入っている点でも共通しています。

これら3者の祖先を辿るとEight Thirty、Good Example、War Relicといった血脈を見つけることができるわけですが、この3つの血脈はそれぞれが相似性の高い血脈同士という関係です。

この組み合わせは、日本においては例えばヘニーヒューズの活躍産駒にも見られるなど、ダートの活躍馬にしばしば見られる傾向です。 

このような血統背景から、特にStorm Catの血を持つ馬とDeputy Ministerの血を持つ馬との配合は相性が良く、当場においても本馬の2代母メリュジーヌの代でこの組み合わせを試しています。

 

 

メリュジーヌの持つこの相性の良い組み合わせを活かそうと配合で試したのが、メジェルダの初仔でありターファイトクラブ提供馬のメディーヴァル(現JRA3勝クラス)でした。

 

 

彼の父アジアエクスプレスもまた、Storm CatとDeputy Ministerの組み合わせを持つ種牡馬であり、メディーヴァルのスピードとパワーはこの2つの北米血脈の影響が強いと思われます。

本馬の配合は、このメディーヴァルの血統を参考にして配合しました。

加えて、本馬の血統ではそこにMr.Prospector4*6×6のクロスも存在するので、血統的にはメディーヴァルより素軽い配合になっています。

そして、そこに母父ディープインパクトのしなやかな体質がプラスされるので、個人的な見解としては本馬は芝の短めの距離に向くのではないかと思っています。

もちろん、父そして半兄メディーヴァルがダートでの勝ち鞍があることを考慮すると、本馬にも少なからずダート適性があると見なせるかもしれません。

そう考えると芝・ダートどちらにも適性がありそうな血統ということになりますが、実際にメジェルダの2番仔にして本馬の半兄であるバグラダス(父マジェスティックウォリアー)はダートの新馬戦を勝った後にG3新潟2歳Sで4着に来ています。

メジェルダの初仔と2番仔がダートで勝っているのでダート適性の高い血統と思われるかもしれませんが、メジェルダ自身は芝馬です。

ミスターメロディを配合した段階でこれだけ芝適性が高そうな馬体に出てくれたのならばと、今年は思い切って完全に芝馬を配合することにして、結果ダービー馬のレイデオロを配合して受胎を確認しています。

メジェルダのここまでの仔出しを見る限り、彼女の繁殖牝馬としての質は高いと判断できるので、今後も彼女には力を入れていきたいと思っています。

そして、将来の彼女の後継繁殖として本馬に期待していることから、このたび現役生活をターファイトクラブでお世話になることにして今回の当歳馬募集に至っています。

当場としては、今後も彼女が順調に成長できるように飼養管理しながらサポートしていきます。

明日24日から開始される当歳馬募集に際しては、是非本馬も出資対象としてご検討くださいますようお願い申し上げます。

 

 

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【血統・配合】アメージングムーンの2022(ローレルクラブ募集馬 牝 父ドゥラメンテ)

2022年10月21日 | クラブ募集馬

今年のローレルクラブ当歳馬募集には、当場からアメージングムーンの2022(牝、父ドゥラメンテ)を提供させていただきました。

通常ならば、募集前に紹介記事を当ブログにアップするのですが、9月からここに至るまで忙しくしていたためにこのタイミングでの記事更新になることをお詫びいたします。

例年、当場の出産はアメージングムーンから始まることが多いのですが、本年も例年同様に彼女の出産が第1号でした。

それが本馬、アメージングムーンの2022になります。

 

 

10月21日時点での本馬の測尺は、以下のとおりです。

【体高】146cm 【胸囲】159cm 【管囲】18.9cm 【馬体重】357kg

1月生まれということもあり、牡牝含めた当場生産の当歳馬のなかでも大きな馬体の部類に入ります。

全兄の2歳牡馬タッチウッドも、離乳後に中期育成部門に移動した当時は大きな馬体をしていたので、予想通りの成長過程と捉えています。

本馬の馬体は立ち姿からも感じ取れますが、この牝系らしい緩さのある馬体で、見た目の雰囲気はやはり全兄の2歳牡馬タッチウッドが一番似ている印象です。

一方で、1歳の半姉アメージングムーンの2021(牝、父キズナ)も、離乳後の当歳時から冬期を迎える頃にはこのような丸みを帯びた馬体をしていました。

その意味では、現時点ではこのきょうだいらしい成長曲線を描いているとも言えます。

特に、この時期に馬体重が350kgに達しているのは順調な証拠です。

全兄タッチウッドがセレクションセールに上場した際に490kg前後あったことを考えると、本馬もこのまま順調に行けば馬体重の面で心配する必要はないほどの成長を遂げると考えています。

気性面に関しては、お客様に他の当歳馬を見せるために屋外に出して見てもらっているときに、本馬が馬房内でソワソワする面があるなど、まだ幼い面を垣間見せています。

ただ、成長するなかでそういう幼さは自然と消えていきますし、本馬に関してはドゥラメンテ産駒らしいどっしりとした面も見受けられるのでこの先の成長も楽しみです。


ここからは、本馬の血統的特徴に焦点を当てたいと思います。

母のアメージングムーンは本馬と同じくローレルクラブ募集馬でしたが、彼女は札幌の2歳未勝利(芝1200)のレコードホルダー(1:09.5)でした。

そして、その初仔で同クラブ募集馬のアメージングサン(父ロードカナロア)が初勝利を飾ったのが、母と同条件の札幌2歳未勝利(芝1200)でした。

そして、そのときのタイムが1:09.1であり、結果として親仔によるレコードタイムの更新となりました。

また、2番仔のノースブリッジ(牡、父モーリス)はG3エプソムCを勝つなど10戦5勝の成績を挙げており、現時点ではG1天皇賞(秋)の出走予定馬にも名を連ねています。

本馬の牝系に目を向けると、2代母ビッグテンビー(G1勝ち馬ローレルゲレイロの母)の血統傾向に大きな特徴があります。

この牝馬は「Northern Dancer+Nearco/Prince Roseのニックスから成る血」に該当する血脈を3本(モガミポイント、テンビー、その父Caerleon)持っています。

この傾向を持つ血は多く、有名どころではStorm Catやダンシングブレーヴなど、多くの血脈がこのカテゴリーに該当します。

そして、本馬の父ドゥラメンテの血統においてはラストタイクーンが同様の血統傾向を持っているので、本馬の血統ではラストタイクーン≒テンビー≒Caerleon≒モガミポイントといった相似クロスの関係が成り立ちます。





「Northern Dancer+Nearco/Prince Roseのニックスから成る血」を多く持つ馬には柔軟性に富んだ馬が多い印象を受けますが、本馬の体質にもそのような特徴が見受けられます。

ちなみに、本馬の叔父ローレルゲレイロ(G1高松宮記念、G1スプリンターズS)はキングヘイロー産駒ですが、彼の2代父は「Northern Dancer+Nearco/Prince Roseのニックスから成る血」に該当するダンシングブレーヴです。

また、本馬と同牝系で国内外の重賞4勝のディープボンドも、父がStorm Cat持ちのキズナで母方にはダンシングブレーヴやモガミポイントの血が入っています。

ローレルゲレイロやディープボンド、さらには半兄ノースブリッジのようにモガミヒメの牝系出身の馬で「Northern Dancer+Nearco/Prince Roseのニックスから成る血」の影響を強く持つ馬は、総じて活躍傾向にあります。

一方、本馬の父ドゥラメンテの視点から考察してみると、彼の産駒のなかでも獲得賞金順の上位50頭(10月21日現在)を対象にして調べてみました。

そのなかでは、以下のような血統傾向が見受けられます。


①産駒がMr.Prospectorまたはその息子Kingmamboのクロスを持つ 30頭 / 50頭

②産駒がHaloまたはその息子サンデーサイレンスのクロスを持つ 20頭 / 50頭

③産駒がNureyevクロスまたはNureyev≒Sadler's WellsなどSpecialに絡むクロスを持つ 12頭 / 50頭

④産駒が「Northern Dancer+Nearco/Prince Roseのニックスから成る血」による組み合わせを持つ 27頭 / 50頭

⑤産駒がHail to Reasonのクロスを持つ(②とも脈絡する傾向) 36頭 / 50頭

日本においては、現在の血統傾向としてサンデーサイレンス~Hail to Reasonに遡る系統が繁栄しているので、②と⑤に該当する馬はある程度多くなると見なせます。

実際、本馬もサンデー3×4を持っていることから②と⑤に該当します。

①のドゥラメンテ産駒の活躍馬にMr.Prospectorクロスが多いという点、それから⑤のHail to Reasonクロスを持つ産駒が多い点には注目すべきかと思います。

この2つの血脈はGold Digger(Mr.Prospectorの母)≒Hail to Reasonという相似クロスができる関係だからです。

 

 

2つの父系にはNasrullah≒Royal Chargerという関係があり、Miss Dogwood≒Nothirdchanceという相似クロスを形成する関係もあります。

Mr.ProspectorとHail to Reasonの関係は、その血統背景から北米血脈らしいスピードをパワーを伝える組み合わせと考えています。

④の「Northern Dancer+Nearco/Prince Roseのニックスから成る血」による組み合わせについては、前述したように本馬の母アメージングムーンが豊富に持つ血脈です。

全体として見れば、本馬の血統は5つ挙げた項目のうち①、②、④、⑤を満たしていることになります。

全兄の2歳牡馬タッチウッドは現在入厩しているようで、入厩翌日には坂路53秒台を馬なりで出しているように、この全きょうだいの配合に対して期待が持てる動きを見せているようです。

本馬は生まれた当初から好馬体で、預託をお願いした調教師の先生が視察に訪れた際も、その馬体を高く評価してくださっていました。

当場としては、彼女が冬期の昼夜放牧も含めて順調に成長していけるように、この先もしっかりと飼養管理していきます。

ローレル会員の皆さまには、是非本馬への出資をご検討くださいますようお願い申し上げます。

 

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