今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

手間いらずの猫、ひそやかに逝く

2024年05月22日 | (故)シロキ(白黄)
今朝、シロキがその生涯を閉じました。
この2日間は夜を徹してシロキとともに過ごした。
今は頭の中を思い出が駆け巡るばかりなので、追悼は気が落ち着いてからにします。
ただ、今後のためにもシロキの最後の闘病について書き記しておきたい。

4月2日 サクラ部屋窓辺にて

前回記事の後シロキはますます食べなくなり、動きも緩慢になっていった。
食欲はありそうなのに、食べ物を口に入れて飲み込むことが出来ない感じ。
試行錯誤で食べれるものを探していたが、ミオの「飲んで味わう」の販売中止が痛かった。
しかし猫用療養食で検索しているうち、やがてこれはと思うものにたどり着いた。
カロリーエースプラス(CAP)という商品です。

CAPは流動食なのにカロリー(エネルギー)が滅法高い。
値段も高いのが玉に瑕だけど、とにかく試しに注文してみた。
これが当たった。
シロキがぐんぐん飲み始めたのです。


4月12日 オジン部屋パソコンラックにて

健康猫でも1日2缶なのに、シロキは1缶~1.5缶飲んだ。
すると少し活気づいて、レトルトやカリカリにまで口をつけるようになった。
2階のオジン部屋が中心だったのに、1階によく下りて来るようにもなった。
階段は1段づつゆっくりだけどさほど苦も無く上り下りした。
4月中旬のことです。
ところがその後、シロキの容体は目まぐるしく変わることになる。

4月24日 オジン部屋ベッドでちび太と

その頃のシロキは主に2階で過ごし、13個あるトイレのうち何故か玄関のトイレを使い2階洗面台の水を飲んだ。朝晩4回(ウェット、カリカリ)のご飯タイムになると下りて来てみんなと一緒に待機する。食べる量は少ないが、これまでの日常と変わりない生活だった。そして何より、保護者の食事時にも下りて来て他猫と一緒に"おこぼれ"を待つのでした。

5月2日 オジン膝上でリンと (これが最後になった)

しかし4月20日に再び吐血。というより口内から出血しているらしい。
これが3日続いたが、飲食は少し量が落ちたものの何とかこなしていた。
25日頃から今度は毎朝透明な胃液を吐くようになり、さらに数日経つと吐液の量が増えてしかも褐色に変わった。
食欲も落ちてきた。CAPだけは飲んでくれるのが救いだったが。

まずカリカリを食べなくなった。大好きなチュールカリでもダメだった。
次にウェット(レトルト)。食べたそうに匂いを嗅ぐが食べない。
そのうち見向きもしなくなり、固形分をまったく口にしなくなった。
流動食だけでは腹を満たせないだろうとあれこれ試すうちに、あることを思い出した。
わが家の猫全員の楽しみ。保護者の食卓が刺身のときだ。
匂いがすれば、おこぼれに預かろうとシロキも負けじと集まって来たものだった。

5月12日 2回洗面台で水飲み

まぐろの刺身を与えてみる、その考えは的中しました。
シロキは刺身にかぶりつき、頭を左右に傾げながらガツガツと食べた。
そんな状態がしばらく続いたが、今月中旬になるとその勢いも落ちて来た。
そして17日の大量出血。口の周りも手も足も真っ赤に染まった。
19日になってもまだ止まらず、こんなこともあろうかともらっておいた止血剤を投与することに。ただ錠剤の直接投与は過去に何度も失敗。シロキも自分も疲れ果てた。理由はわかっている。シロキが飲み込まないのだ。
でも、やるしかない。このまま飲食しなければそれで終わりだ。
嫌がるシロキの喉の奥まで指を入れて錠剤を放した。
シロキが、飲み込んだ。

5月15日 オバン部屋パソコン前で

翌20日、血は止まっていた。しかしシロキは前日から何も口にしていない。
何を出しても食べ物と認識しないような素振り。
階段の上り下りはまだ何とかできたが、玄関トイレには行かなくなった。
2階の洗面台には上がるが水鉢の水量が減ってない。
夕方風呂に入っていたらシロキが来て湯船の水を飲み始めた。
舌で水を汲むが吞み込めず横から漏れてしまう。水も飲めてなかったと思った。
もう待ったなしだ。飲み込めなくても飲ますしかない。
強制給餌の覚悟を決めた。

幸いCAPという恰好の材料がある。水分と栄養の両方を摂取できる。
シロキは何も口にしないばかりか横になって寝ることもなく、1階2階あの部屋この部屋と移動していた。骨と皮だけの身体のどこにそんな体力があるのか不思議だった。いつも穏やかな表情をしているので救われたが、実は口の中が大変だったのではと後になって思った。エイズ末期の典型的な症状は口内潰瘍か腫瘍だという。

強制給餌は、ニャーとの経験を頼りに先ずは1度にどのいくらいけるのか試した。
結論は0.3cc。それ以上入れると呑み込めず溢れてきてシロキが暴れ出す。
少しづつ入れて、その都度シロキが呑み込んだことを確認する。
時間も10分ほどが限度。その間に5ccくらい入れて、3ccくらい飲んだ。


5月20日 リビングでみんなと(ソファ上真ん中)

少し飲んだことに大喜びした自分。まともな判断力を欠いていたのだろうと思います。
それがどれほどの役に立つかわからないが、まだ階段を上り下りする元気と意欲があるシロキを、どうしても何とかしてやりたかったのです。
(頻度を上げてこなせば大丈夫。)
さらに覚悟を決めて頑張り始めた翌日(昨日)の夕方、シロキが痙攣した。

5月20日 一歩づつ階段上る

全身痙攣でした。胴体と四肢がビクンビクンと大きくのけぞる。
こっちも慌てたが、なだめるように撫でる以外に何もできない。
そのうちみうの癲癇発作を思い出した。臨終の前の5分間だ。
しかしその悪夢の記憶は、すぐに吹き飛んだ。
シロキが鋭い目つきで歯を食いしばっていた。正気を維持していたのです。
痙攣は、30秒ほどで治まった。

5月21日 癲癇直後

原因は低血糖による痙攣かもしれない。過去に同様の経験があるので、そんな気がした。
しかしエイズの末期で骨と皮だけのシロキを、病院に連れて行く意味があるだろうか。
その後1度強制給餌を行いさらに2度目をやろうとしたとき、シロキが不意に暴れて、「ワオーン」と今まで聞いた事のない声で鳴いた。それはこの世の物とは思えない鳴き声だった。失禁でシロキの身体も自分の足もマットもびしょ濡れになっていた。
それで悟ったのです。シロキにはもうお迎えが来ていると。
2階で寝ていた妻を起こして臨終に備えた。

5月21日 2階洗面台で

昨日は一昨日に続き夜を徹して傍にいました。
シロキはコタツテーブルの下でもう移動することはなかった。
横たわったり頭を上げて腹ばいになったり、しかしその動きも減って来る。
夜半になって、一度自分が撫でたのに呼応するように立ち上がった。
まだ元気だからと、妻は寝に行った。
シロキはもう殆ど寝返りを打つこともなく、しかし時折場所がずれていく。
外はもう明るい。吸水シートから身体がはみ出たので体勢を整えようとしたとき、
シロキが少し暴れてまた「ワオーン」と鳴いた。
その後シロキが息をしてないことに気づいたが、口からパンパンと空気を出していた。
やがてそれもなくなって静かになり、臨終確認。2024年5月22日午前6時15分
シロキの一生が終わりました。
その瞬間時間が止まって、シロキとの思い出が一気に溢れ出て来た。

5月22日 今朝5時頃

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猫エイズ発症の話 ~改めて「正しく恐れる」~

2024年04月08日 | (故)シロキ(白黄)
シロキの過去記事に「正しく恐れる」(2020.9.24)というのがあります。
猫エイズウィルスは弱いのでそんなに簡単には移らない。
なので特にエイズキャリア猫だからといって区別や差別はしない。
血液や体液の交わる可能性については注意を払うけど。
もともとの怪我でもない限り、食べ物の共有や甘噛みくらいでは移らないのでは。
むしろ隔離したりすることによる不便さや猫自身のストレスの方が問題ではないか。
そんな内容だったのですが、今でもそう思っています。
Mさんなども同意見で、猫育て経験の多い人は結構わかっているのかなと。
でも、自分にはある視点が抜けていた。

先日のシロキの記事「余命3ヶ月、もって半年」での若い先生の話。
自分と話すうちにその言を引っ込めてしまったけど、ずっと頭に残っていました。
自分の勢い(反論)が凄いので、まるく収めただけのようで・・。
その後、ココのエイズが判明したとき(別の病院です)、そのことを先生に訊いてみた。
この先生はエイズ猫隔離主義者だけど、とてもやさしくてお人よし。
患者(保護者)の嫌がることをなかなか言えないので、シロキの話はしなかった。
するとその先生の話の内容は、先日の若い先生が言いかけたことと同じだったのです。

サクラ部屋(物干し部屋)でサクラと熱帯果樹と

自分に欠けていた視点というのは、エイズが発症したらどうなるのかということ。
早速、シロキの介護をしながら徹底的に調べてみた。
「猫エイズ発症」などのキーワードでネット検索すれば5万と出てくる。
予防(伝染性)のことばかり気にしていた自分が素通りしていただけだった。
で、改めて熟読してみると猫エイズには段階があって;
1.急性期:感染した当初の数週間~数か月間。発熱したりリンパ節が腫れたり。
2.無症状キャリア期:いわゆる潜伏期間で普通の猫と変わらない。
3.リンパ節症期(PGL期):リンパ節が腫れてくると発症の前兆。期間は数ヶ月。
4.エイズ関連症候群(ARC期):口内炎、カゼ症状、皮膚病など(特に口内炎が多い) 
5.エイズ期:最終段階。体重激減、重度の貧血、日和見感染、悪性腫瘍。予後数ヶ月。

本格的に発症してしまった段階が最後のエイズ期です。典型的な症状が貧血。骨髄が破壊されて赤血球や血小板を作り出せなくなるため、重度の貧血になるし、些細なことでも血が止まらなくなる。さらに免疫機能が落ちるので腫瘍が発生したりする。日和見感染とは、例えば腸内細菌など普通なら問題ない細菌にも身体が負けてしまうこと。
そうなんです。実は貧血はエイズ発症の重要なサインだったのです。
シロキは何故貧血を起こしたのか・・自分の疑問が最悪の形で解消しました。
先日の若い先生は、自分と初対面だったので本音をそのまま話しただけだった。
でも自分の反応が凄かったので、強く言い続けることができなかったのではないか。

サクラ(右)とも仲良しになりました

今朝も口の奥から血が滲み出ていたシロキ。エイズ発症の最終段階を疑う余地はなかった。余命3ヶ月という若い先生の話は最も妥当な予想だったのです。
そのときの先生はインターフェロンやステロイドによる免疫サポートや供血猫の話までしてくれたのだが、何しろ一生続けることになるので費用などの面でも現実的ではないと。
いやそれより何より、それでシロキが快適に過ごせるのか。
今の状態から改善できるのか。

ちなみに潜伏期間の話、長生きした例はニュースになりやすいが、平均をとると5年程度らしい。そんなに長くはないのだ。
保護猫の場合はいつ感染したかわからないが、シロキを保護した時の先生の見立てで2~5才と幅が大きかった。だとすると今は7才半~10才半。
年齢的にも、いつ発症してもおかしくなかった。

去年の秋、リン(左)とオジンの膝上で

シロキの容体は一進一退。
この2日ほどまったく食べず、何とか流動食なら飲みそうなので、スープ系の固形分を除いたりしてやってます。
ネットでもいろいろ買いあさっては失敗続き。
薬は病院から新規調達したけど、薬を混ぜるとわかるらしくどうしても飲まない。
昨日はついに薬入強制給餌。シロキも自分もぐじゃぐじゃになってしまった。
でも、もう止めます。シロキが最大限快適でいられるように。それだけに集中します。
幸い、今朝は少し食べました。

大事なことは、FIV陽性が判明したら発症を遅らせるように手を尽くすことではないか。
エイズの感染力は強くはないが、感染して発症するととても残酷な病気だ。
シロキは猫生半ばなのに、もう猫らしく駆け回ることもたらふく食べることもできない。
衰弱していく姿を最後まで見守るだけなんて、保護者にとってそれほどつらいことはない。
現時点で既に、下腹部では左右腹皮のクリアランスが1cmほどしかないのです。

ストレスがエイズ発症の要因のひとつだと言う。
やはり隔離はしないで、他の方法で感染リスクを下げる検討をすべきだと思います。
正しく恐れる。シロキが存命のうちに勉強できたのがせめてもの救いです。

昨日は5日ぶりに晴れ間がでたので久々の日光浴

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復活の狼煙(のろし)

2024年04月04日 | (故)シロキ(白黄)
本記事は前記事「余命3ヶ月半、持って半年」の続編です

死期が近づいた猫は人目や猫目を避ける、と前記事で書きました。
でも保護者を信頼する家猫の場合、むしろ保護者に甘えてくるという記事もあった。
特に保護猫には、抱かれたり掴まれたりは嫌だけど本当は甘えん坊という子が多い。
わが家ではちび太、ポニー、キー、リンそれにレオもそうだが、とりわけ甘えん坊なのがシロキなんです。
とにかく遮二無二膝に乗ってくるし、寝れば上に乗ってくる。

去年の12月、ストーブを出したら早速ポニーと定位置に

そんなことを思い出して、その夜は反吐まみれのシロキを抱いて寝ました。
自分が寝落ちしてその間にシロキに逝かれたら一生後悔すると思って。
かつてオジンベッド争奪戦に負けて諦めていたシロキ。
子猫のように嬉しそうにはしゃいでいるのが伝わってきた。
その夜はシロキも熟睡。夜中に一度トイレ水飲みに起き、また布団に戻って来た。
夜明け前にも起きて、今度は押入れの箱に納まった。

翌朝、シロキは久々に自分から下りてきました

翌朝自分が猫ご飯の準備をしていると、シロキが下りて来た。
以前のように早飯組に交じってうろうろしている。
その時はスープを少し舐めて2階のオバン部屋出窓に。
他の猫が一段落して、シロキにチュールカリを上げたら食べ始めた。
しばらくして空になっていたが周囲に他の子たちがいたので誰が食べたかわからない。
昼間、今度はサクラ部屋の出窓で同じことがあった。
小袋1袋。わずかな量だけど、2日半何も食べてないシロキにとってはえらい違いだ。
まさかな、食べるはずないよ・・。
しかし夜になって、自分の見ている前でチュールカリ1袋食べたのです。
スープも少し飲んだ。

朝は恒例のオバン部屋出窓で (中;ちび太、右:サクラ)

それからのシロキは一進一退ながら少しづつ食べ物の範囲を広げています。
毎晩オジンと寝て、リビングやキッチンにもよく来るようになって、何より明るいところを好むようになってきた。
投薬はうまくいったり失敗したり。
うまくいった次の日は空腹を感じていることもわかってきた。
もう少し尿毒が下がれば本格的に食べ始めるに違いない。
そして貧血が改善したら、輸液ができる。
すべては食べることから始まるのです。
シロキよ、あと一歩だ。

頑張れ、シロキ!

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余命3ヶ月、持って半年

2024年04月01日 | (故)シロキ(白黄)
昨日、シロキが診察を受けました。
一昨日の午後から何も口にしなくなって、その状況がテンちゃんの終末に似ていたので心配になって急遽連れて行ったのです。
BUN数値が上がると(尿毒が回ると)気持ち悪くなってお腹が空いても食べられない。
だとすれば、自分は勝手な判断でとんでもない間違いをしていたことになる。

先日キーを連れて行ったときにいろいろ話をした若い男の先生だった。
まず昨年秋ごろからの経緯を詳しく説明。
先生はカルテを見てシロキがエイズキャリアであることを知っていた。
簡単な外観診察の後、シロキがかなりの貧血状態ではないかと。
(口の中と肉球が真っ白なので。)
そしてエイズ発症の可能性に触れ、いきなり表題の話をしたのです。
自分がテンちゃんとの経験を通して慢性腎不全の懸念を伝えると、もちろんその可能性もあるし急性かもしれないしエイズ発症と両方かもしれないが、貧血の度合いも気になるのでまずは血液検査をと先生。

病院の待合室にて

検査結果が出るまでの間、先生はいろんな話をしてくれた。
エイズ発症であればインターフェロンなどによる延命策、腎機能低下の場合はステロイド、口内炎にはメタカムなどの非ステロイド系で対処すると。骨髄で血液を作らない場合は厄介で、腎機能を維持するためには輸液だが血液を希釈してしまうと猫の苦しさを増すので輸液ができない、等々。ちなみに、ステロイド系が悪さをするのは肝機能、副腎機能を低下させるのはメタカムだと。
検査結果はやはりテンちゃんと同じくBUN、CREの値が高かった(正常最高値の5倍程度。) ただ高いと言ってもテンちゃんよりはずっと低いし、急性腎不全を患った時のニャーの値よりも低い。問題は赤血球の数が正常最低値の1/5もなかったこと。肝機能は正常値だった。

エイズ発症は確定ではないが要注意状態だと先生。
貧血(骨髄で血液をつくらない)の理由がエイズと無関係とは言い切れないと。
いずれにしても、重度の貧血なので輸液ができない。身体は楽になって食欲も出るかもしれないが、酸素を運ぶ赤血球がこれ以上希釈されてしまうと命に関わる。
とにかく、まずは貧血解消に全力を尽くすべきと。
幸い肝機能には問題ないのでステロイドで身体を少しでも楽にするとともに腎機能改善を図る。腎臓には骨髄の血液製造を促すホルモンを出す機能があるらしい。
なんだかぐるぐる回りのような話だが、血液を増やすにはとにかく食べること。
いやいやこれも、ぐるぐる回りの話でしょうか。
さて家に帰ってひと息ついたシロキくん、しかし彼と保護者の真の闘いはそれからだった。

押入れ中段の箱の中でじっと動かないシロキ

3時間くらい経ったらステロイド(の注射)が効き始めるから食べ物を与えてみてほしい、先生からそう言われていた。それに食欲増進剤と胃酸抑制剤ももらってきた。
夕方に薬の所定量を粉砕して、とろみに混ぜて与えたがまったく見向きもしない。やむを得ず強制給餌しようにもとろみの中の固形がシリンジに詰まって吸い取れず、もたもたしてシロキに負担をかけるばかりなので諦めた。新たに粉砕して今度はチュールに混ぜて与えたがこれにも見向きもしない。次に同じものをモンプチスープに混ぜて与えたがやはりダメ。これなら強制給餌できると試みたがダメだった。強制給餌初体験でしかもまだ保護者に全幅の信頼を置いてないシロキが、口の中に流し込まれても飲み込まず、薬が逆流して出てきてしまうのでした。昨日は結局、夜になって妻が抱いたシロキの口の中に薬2粒を直接放り込んで何とか飲ませた。

今朝は少し期待したのですが、いろいろ手を尽くして夕方までに口にしたのはチュール小袋半袋とモンペチスープ半袋だけ。エネルギーにして10Kcalにもなってない。
夕方、前日の成功に習ってシロキに投薬した。
食欲増進剤と胃酸抑制剤を何とか飲ませ今日からステロイド(サクラと同じブレドニゾロン)半錠が追加だ。前2薬と較べるとやけに粒の大きいのが気になったがとりあえず試してみた。しかし喉の奥に入れてもシロキが飲み込まず舌で出そうとする。慌てて水で流し込もうとしたがますますうまくいかない。結局その粒を諦め、新しい半錠をさらに半分にして再度トライ。でもやはり結局飲み込まず、唾液と水でグジャグジャになってわからなくなった。既に30分以上経ってシロキの負担が大きすぎるので結局中断。飲んだものとして、よしとせざるを得なかった。
開放されたシロキは何とか自力で2階まで上がり、踊り場でダウン。
しばらくして泡を吹き始め、そのうちゲボゲボと朝から飲み食べしたものを全部吐いて、その上につんのめって倒れ込んだ。
こんなにまでひどい仕打ちをする自分は、鬼だろうか。

投薬で大変な思いをした後、階段上の踊り場に倒れたガリガリのシロキ

それからというもの、殆ど何も手につかなくなってひたすらシロキに付き添った。
シロキは10日ほど前から2階の暗がりで人目や猫目を避けている。
それが死期の近い猫の行動特性なのは知る人ぞ知る話だ。
自分は自責の念に駆られていました。
何が前日に習ってだ。シロキが口に水を流し込まれても飲み込まないことは前日にしっかり学習していたことだ。
そもそももっと早く病院に連れていけば・・シロキは3日前までは少しならスープも飲んでいたし、チュールは大好物だしシーバだって1日20~30粒は食べていたのです。その時に薬を飲ませていたら、後手後手にならずに好循環に変えられたかもしれない。
自分の優柔不断を嘆いた。しかし、大事な決断を迫られてもいたのです。

シロキが本当にもう最後だと認めるなら、もうシロキが嫌がることは一切しないで思い切り甘えさせてあげよう。ひとりで不安にならないよう邪魔をしない程度に傍にいてあげよう。
でももしまだ一縷の望みがあるのなら、そして(今は苦しいはずの)シロキが生き続けたいと思うのなら、できることは何でもすべきじゃないのか。
かつてハナやくもは、保護者の欲目で病院で寂しく逝かせてしまった。その反省で、テツやテンちゃんは最後まで付き添ってしっかりと看取った。
今のシロキにとって最善とは何なんだろう。
簡単に答えの出る話ではない。しかしシロキの命の残り火は、一刻の猶予も許さないように思えた。
そんなときでした。死んだように俯いたままじっと動かなかったシロキが動いたのです。

おもむろに押入れの中段から飛び降りてよたよたと洗面所に行って水を飲み、それからトイレに行って(何もでないけど)また押入れの中段にセットした箱に落ち着いた。
こっちが用意したスープやチュールには目もくれずに。
それを見て決意しました。先程、妻と2人で所定量の薬を首尾よく飲ませたところです。
今日は結局何も食べてない。でも明日は食べるかもしれない。
とにかく、希望は捨てるまい。シロキがもういいと言うまでは。

つい最近までは少量ながら普通にご飯を食べていた

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原因は歯抜けだった

2024年03月22日 | (故)シロキ(白黄)
1/25の記事でシロキの激痩せについて書きました。
その記事では、急変ではなく半年かけて痩せたのだから大丈夫と書いている。
いかに能天気だったか、そんな悠長なことを言ってる場合ではなかったのです。
シロキはその後もどんどん食が細くなって、サクラのようにありとあらゆるものを試して少しでも口にするものを探し続けた。
幸いシーバだと何とか食べる。しかし何回にも分けて1日小袋1袋程度。(20g)
介護中のサクラよりもずっと少ない量だ。

リン(左)とはすっかり仲良くなったシロキです

そうこうしているうちの今月初めのこと、シロキが口から大量の血糊を吐いた。
口の中を見ると、下の前歯(噛み切り歯)から血が出ていてその前歯が1本もない。
それどころか血を拭き取ってみると、上の犬歯2本だけで他歯は1本もなかったのです。
これには驚いた。シロキの口の中をしみじみと見たのは初めてだった?
歯は全部揃っているものだと思い込んでいた。
いや、以前には確かにあった。いつ抜けたのだろう。
実は思い当たることがあるのです。

上犬歯しかなかったシロキの歯

2階の洗面所に用意した猫の飲み水用の桶。
いつ頃からか覚えてないが去年の秋頃からだろうか、水の減る量が多くなった。
同時に桶周辺とシンクに、わずかな血滴が落ちていることがあった。
毎日ではないけど結構な頻度で。
その時は2階で小競り合いを繰り返しているちび太とケンのものだと思っていた。
2匹に傷跡もないのでたいそうなことではないだろうと。
今年になって、シロキがそこで水を飲む常連になっていたことがわかったのです。
そうか、シロキの血だったのだ。少しづつ歯が抜けていたのではないか。
それがシロキの食欲が落ちた原因だったとすれば、すべての合点がいくのでした。

今も時折出血するけど口の中からではない

歯がぽろぽろ抜けることでの口の痛み。歯がなくなってうまく食べられない。
大変なトラブルに見舞われて、食がどんどん細っていった。
当時は次々と保護していた時期で、中の猫(先住猫)たちの変化にまで気が回らなかった。
今月初めシロキの体重は2.6kg。1年前と比べると半減していた。
そこま気づかなかった自分は果たしていい保護者なのかと、自責の念に駆られたのでした。

とりあえず抗生物質、止血剤、消炎鎮痛剤(メタカム)を与え、様子を見ることに。
歯茎からの出血はすぐに止まったが、上犬歯が当たる部分の皮膚が破けて出血する。
歯がなくなった分口の閉まりが深くなって、犬歯が皮膚に突き刺さる感じだった。
今の口の状態にシロキがどのように慣れていくのか、さらに歯のない状態で食べられるもの、現時点でのシロキの嗜好探し、これ以上体重を落とせないという断崖絶壁の淵で、試行錯誤は続きます。

 
シロキがいつ血を落とすかわからないのでソファの上はトイレシートで
大変な甘えん坊になったとってもいい子のシロキです

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