今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

ラブラブラブの白黄くん

2018年11月29日 | (故)シロキ(白黄)
白黄くん(シロキ)の近況です
シロキはこの春リン一家を保護した直後に、ハリー(当時灰白くん)に続いて家裏に現れた。ハリーとのすったもんだが近隣騒動にまで発展したが、ハリーを保護してからは静かに家裏で暮らしていた。と思っていたら、新顔ちゃんが現れて目がになっちゃったのです。あれから3ヶ月、果たして今のシロキは・・。


灰白くんと白黄くん(今年の5月頃)

何と、相変わらず目がになったままでした。新顔ちゃんは齢1才くらいのようだがあの耳カットが本物なら手術済。つまりシロキは未だに、決して成就できない恋に夢中なのです。家裏中心の生活はもちろん十分な食事もあるけど、新顔ちゃんに会えるのも理由のひとつのようだ。

新顔ちゃんは幾分わが家にも慣れてきたようで、姿を見かける頻度も増えてきた。ご飯の催促で鳴きながら寄って来ることも。でもその声はとても小さくて殆ど聞こえない。ノラの"くれくれ鳴き"は目一杯の大声というのが相場だけど、果たしてこんなんで大丈夫かいと思うくらいの小声なのです。その新顔ちゃんは、シロキのように朝夕のご飯タイムに合わせることができないのでいつ来るのかわからない。では、新顔ちゃんの来訪はどうやって気付くのか。

ひとつにはわが家の感度のいい猫たち、ニャーとクウです。この2匹は勝手口の外に誰かが来ると、リビングにいても勝手口に駆け寄って換気口から様子を伺う。しかもシロキと新顔ちゃんでは明らかに態度がちがうので、新顔ちゃんが来たのがわかります。もうひとつは、例のシロキの求愛鳴き。甲高い「クルルルル」(尻上がり)の声が、新顔ちゃんが近くに来たことを知らせてくれるのです。


シロキの求愛が通せんぼになって、新顔ちゃんはご飯にありつけない

しかし新顔ちゃんがご飯時に来たときは、シロキは食欲を優先。キュウキュウと小さい声で外にもいることを主張。このときは2匹並んで仲良く食べる。新顔ちゃんはソトチビと同じでやはりどこかに本拠地があるのだろう、当家では食べる量が極端に少ない。するとシロキが新顔ちゃんの分も食べて、食べ終わるとおもむろに求愛鳴きを始めます。これじゃあ新顔ちゃんに愛想尽かされるのも無理はない。かくしてシロキは新顔ちゃんに嫌われ、その意味でもかなわぬ恋になったのでした。


陰からシロキの様子を伺う新顔ちゃん

一方シロキの生活はルンルン気分。先週は寝床にカイロを入れました。郊外にある当家の気温は天気予報値よりずっと低く、先週は庭先で3℃まで下がりました。カイロを入れると、シロキは寝床に入り浸り。ソトチビかとも思われた夜の訪問者はその後見ていない。ただシロキの寝床が何度か大きく動いていたので、ニアミスはあったのかもしれません。


寝床の中のシロキ

今のシロキは、勝手口から出ると近寄ってきて足元でゴロンゴロン、目一杯甘えてきます。頭や背中に触ると少し慌てて猫パンチがくるけど、お腹に手を回して抱き上げても抵抗しなくなった。ということで、いよいよお迎え準備中です。ああ、これでようやく町内会に宣言した約束を果せる。そして、ソトチビのために家裏を空けられる。

シロキは根っからのノラっぽいので、わが家に加わって他の猫たちとの親和性に不安はあります。特にニャーは、またストレスの要因が増えちゃいそう。こっちも精一杯気を遣いながら、わが家の新時代がもうすぐ始まります。


仲良く食事中の2匹、でもシロキが食べ終わると・・


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くっつきリンリン ~ハリーなきわが家の猫たち~

2018年11月27日 | リン(旧イエミケ),クウ,キー
またしてもリンリンになってしまいました。正式の名前は「リン」です。
リンリン・ランランの名前が頭に残っているせいですが、パンダのことではありません。もう40年以上前にデビューした双子のデュエットで、確か台湾出身、当時は中学生くらいだったと思います。実は歌も顔も覚えてないのですが、何故か名前だけがやたらに出てくる。


今日の主人公はリンです

なんてことはどうでもよくて、ハリーがいなくなったわが家の状況です。ハリーが出発する前日の夜から本人(猫)同様に落ち着かなかったわが家の猫たち。ハリーがいなくなると明らかに様子がおかしくなって、みんな神妙な顔をしていました。鳴き声も立てず、恒例の運動会もやらずで、しばらくは奇妙な静けさが漂っていた。ハリーの存在感は、それだけ猫たちの間でも大きかったようです。


思い思い(手前にみう、こたつの上にリン、窓辺にクウ、その奥にキー、外にニャー)

最近になってようやく運動会が再開。すると今度は、ニャーやみうも時々参加するようになった。何かとハリーへの眼付けを楽しんでいた(?)ニャーは、気が抜けたのか少し穏やかになりつつも、今度はリンへの眼付けが目立つようになってきた。問題は相変わらずリンとニャーのストーカーやってるちび太です。リンへのストーキングがさらに度を増して、リンがトイレに入れば必ず出てくるリンを待ち伏せする。おかげでリンはトイレも度々我慢するはめに。


みう(左)とリン

このところ急に冷えてきて、特に朝晩は暖房が不可欠となりました。すると野生児キーとクウ以外は、リビングのコタツとホカペ周辺を中心に生活するようになった。保護者にもやたらにくっついてきます。それに伴って猫たちの位置関係も変わり始め、大きな変化としては就寝時はちび太がオジン部屋を独占するようになり、その反動でニャーがオバンくっつきになって、みうはコタツの中(ホカペの上)で寝ています。とは言っても、やはり全員がコタツ周辺で過ごす時間が一番多い。いや、1匹を除いて。

リンは前にも増して隠遁生活に明け暮れています。とにかくニャーとちび太を避けて、テーブル下の奥、テレビの裏側、キッチンの戸棚の隙間、はたまた古新聞入れの箱の中と、リビングの様子を伺える陰の場所に隠れて明るいところには出てこない。ハリーがいたときは一緒に隠れていたテーブルの下も、今はひとりです。


レンジ台の下に隠れるリン

そのリンリン、いやリン、数日前から意を決したようにあることを始めました。オジンくっつきです。以前から後追いではあったがとても遠慮がちなものでした。しかし今は、自分(オジン)がソファやコタツに座った途端、遠くにいてもニャーやちび太の隙をついて走り寄ってきます。そして膝の上にしがみついてちょっとやそっとじゃ離れない。まあここまで素直にくっつかれると邪険にもできずなんですが、オバンしかいないときはオバンにも同じようにくっついてるらしい。


オジンにくっつき中のリン

オバン曰く、「ここがいちばん安全な場所だからね。」なるほど、確かにそれも一理ある。さらにこの2日ほどはオジンが寝る時刻がくるとベットに先回りして、一緒に布団に潜り込んで寝ています。ちび太は足のあたりの布団の上で寝るので競合しない。そしてニャーは、やってきても2匹の気配に遠慮してオバンの寝床へと移動します。

こうして猫たちの生活様式が変わりました。実は彼らの生活はこんな感じでしょっちゅう変わるのです。保護者不在時の隔離はまだ続行中。リンを隔離するかニャーとちび太を隔離するか。この隔離がいつ不要になるのか心待ちにしているのですが、まだ先のことになりそうです。


クウにくっつかれて舐めてあげるリン



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おっとりハリーのトライアル(後編) ~心の扉を開くんだ~

2018年11月24日 | ハリー(灰白)
ハリーが特別に性格のいい子だなんて言いません。そんな言い方をすれば、まるで性格の悪い猫がいるみたいだからです。人を睨みつけるノラだって、付き合えば穏やかな甘えん坊に変わります。そう、人も猫も同じなんです。付き合ってみなきゃわからない。


本年5月わが家の家裏時代、当時の名前は「灰白くん」
(灰白くんはシリーズ「ノラと家猫と」でノラ側の主人公です)

それでもハリーには、周囲まで平和にしちゃう独特の雰囲気があった。人が好きで、猫が好きで、喧嘩を売られても我慢してやり返さないほど穏やかで、いつもやさしさとおっとり感が滲み出ている。こんな子が迷惑ノラだったなんて、本当に何かがおかしい。ハリーは、どうしても幸せになってほしい猫だったのです。


本年9月わが家でのひととき(右から2番目)

そのハリーが緊張と不安の中にいた。妻によると、里親さん宅を出る前にハリーをリビングからご主人の仕事部屋に移したそうです。その部屋なら、ウェブ関係の在宅ワーカーであるご主人が全面的に面倒みれるからと。ハリーは本棚や簡易ベットがぎっしり詰まった手狭な部屋に移されると、すぐに物陰に逃げ込んで再び固まってしまったらしい。

自分の臭いや安心できるものを持参できなかったハリーは、まったく知らない世界にいきなりポツンと置かれたのです。拠り所が何ひとつないその状況は不安というより恐怖だったに違いない。みんなのいるわが家に帰りたいとも思ったろう。前編の最後に紹介した里親さん宅での写真(妻撮影)、見たこともないハリーの表情に正直自分もショックでした。


里親さん提供①

一方里親さんは願ってもないくらい気遣いのある人で、ハリーのためには献身的に何でもしてくれた。猫に対する予備知識はなくても、長年のワンちゃんとの暮らしで培った思いやりだ。当方の説明が悪くてシステムトイレを用意したときも、すぐに当家と同じ猫砂トイレを再調達する慌てぶりでした。ご主人は当面、ハリーと一緒にその部屋で寝起きすると決めた。しかしハリーは飲まず食わずで翌日の夜までその場に固まったままで、ついに耐え切れずに粗相までしてしまったのです。

ご主人は毎日の状況をこまめに伝えてくれ、自分はハリーに関する膨大な情報やアドバイスを送った。ハリーは粗相の後、ラックの一番高いところに上ってその奥で再び固まってしまった。しかしご主人がうとうとした隙に下りてきて水を少し飲んだらしく、そして明け方には砂のトイレでオシッコもしていたと。ご主人は大変な喜びようだった。

3日目の朝、ハリーは初めてチュールを少し口にした。48時間ぶりの食べ物だった。その日は2度ほど降りてきてトイレに行き、ウンチもして少しだがレトルトを食べた。その晩から4日目の朝にかけて何度か水飲みとトイレに行き、初めて声を出した。そしてご主人に甘える仕草も見せるようになった。ご主人は、その様子を画像と音声で送ってくれた。


里親さん提供②

自分がそれを見たのは店から帰った夕方だったが、そのハリーの声を聞いて驚いてしまった。それはいつもとまったく違う、か細く震えていて、ハリーが怯えに支配されていることを物語っていたのです。ハリーは不安の中で、藁にもすがる気持ちでご主人さんを頼ろうとしていたのだ。自分はその晩、長文のメールを書いて考えられる全てのアドバイスを送りました。

実はご主人から一緒に寝泊りすると聞いたとき、初めはハリーを独りにした方がむしろ早く落ち着くのではと思った。しかしそれはご主人の厚意を考えると言えなかった。結果的に、寂しがりやのハリーにとってご主人が常時いてくれたことはよかったのかもしれない。ご主人は当方のアドバイスを何度も読み返して忠実に実行してくれました。そして、それからのハリーは日に日に心を開いていったのです。


里親さん提供③

5日目にはご主人に甘える時間が少しづつ増え、カリカリもレトルトも、食べる量が従来(わが家にいた頃)の3分の1くらいまで増えてきた。6日目になるとラックから自分で下りないでご主人に「下ろして」と甘える仕草もでてきたと(何たる過保護!)。そしてその夜から、当方が兼ねてから提案していた家の中の探検を、ようやく自分の意志でしたがるようになったのです。

初めは付き添いで、しかし7日目にはドアの隙間から出たり入ったり、何か物音に驚くと直ぐに部屋に逃げ戻って、落ち着けばまた探検に出て行く。ハリーはすっかり調子が出てきたようでした。何と言ってもご主人という新たな拠り所、そして仕事部屋という落ち着けるホームエリアを得たことが大きかった。食事も従来の半分ほどまでに増えた。行動範囲が広がって運動量も増えれば、食欲も完全復活するに違いないと思われた。

7日目に再び送って頂いた動画と声から、ハリーに落ち着きが戻ったことが感じられた。鳴き方はまだ弱々しいが、大家族ではなく1匹なので強く鳴く必要もないのかもしれない。そこで、覚書にあるトライアル期間を過ぎたので正式譲渡の案内をしたところ、「彼がいない生活はもう考えられません」というご返事を頂いたのでした。

里親さんの心尽くしのサポートを得て、ハリーは新しい家猫生活をスタートさせました。命の危険を何度も含む波乱万丈の人生(猫生)を歩んできたハリー。 最後の試練を見事に乗り越えて、終の棲家を得たのです。これからは持ち前のおっとり感で、里親さん一家に癒しを振りまき続けることでしょう。

ハリーよ、幸せにな。
お前は本当に心に残る猫だったよ。
このオジンのこれからの保護活動にも勇気を与えてくれた。
いつかまた会おうぜ、ハリー。


里親さん提供④

※本ブログではハリーの名前で通しましたが、ハリーの新しい名前は「勇気」、通称「ゆうちゃん」です。

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夜の訪問者現る、だけど・・

2018年11月21日 | ソトチビ
急に寒くなって、いよいよソトチビが夜の訪問者として現れる季節がやってきました。
昨年はリン一家と度々合流していたので驚きはなかったけど、一昨年は結構不気味だった。当時はみうが家裏で暮らしていて、少食のみうのご飯がやけに減るようになった。怪訝に思っていたらそのうち何か不穏な気配を感じるようになって、用心していたらある夜に突然ソトチビと遭遇した。あのときは数ヶ月ぶりで、はじめのうちは勝手口が開くと同時にソトチビが逃げていたのでした。今年は別れてからもう9ヶ月にもなる。現れるにしても果たしてどんな現れ方をするのやら・・。


(再掲)ソトチビは律儀でやさしい、物静かなニャンコです

家裏にはまだ白黄くんがいて、先月準備したソトチビ用の寝床を使っています。。白黄くんはだいぶ馴れてきたけど抱きかかえようとすると猫パンチが飛んでくるので、家中にお迎えするにはもう少し時間がかかりそう。そこで、苦肉の策としてもうひとつ寝床を作り、昨年のようにアパート仕様に変更しました。新しい寝床は奥の方に設置、はじめて横型の二重入口式です。白黄くんはそのまま手前の寝床を使っているので、奥の寝床の奥の方にカリカリを少し置いて、誰かが来ればわかるようにしておきました。


左:昨年のような2棟方式に(奥に新顔ちゃんが見える)
右:新しい寝床も2重方式で、ソトチビ愛用のシーツを敷きました

2週間くらい前の夜のことです。
白黄くんと新顔ちゃんの残したご飯をまとめて夜食用に置いておいたのです。すると勝手口の外で気配が。すかさずニャーとちび太が駆け寄って、しかし唖然とした面持ちで換気口から外を眺めていた。何事かと思ってトイレに回って、小窓からそっと勝手口の外を覗いてみたのです。

何か大きなものがゆっくりと動いていた。それは、暗闇の中でもそもそと置き餌を食べる生き物でした。茶色か黒で、もふもふとした全身の毛が勝手口の換気口から洩れた光線に浮かび上がっていたのです。尻尾がやけに太く、自分はアライグマだと直感しました。慌てて勝手口に回って扉を開けたが既に何もいなかった。直前までそこにいたはずの白黄くんと新顔ちゃんも、どこかに消えていた。

「アライグマだ!」と妻に言ったら一笑に付された。そんなのがいたら大騒ぎになってるわよ、と。赤坂にアライグマが出現したニュースの影響じゃないの? 犬だのハクビシンだのといろいろ言われたが、あのもそもそ動いていた生き物が瞼に焼き付いて離れなかった。しかし何日も経ってくるとその記憶にも自信がなくなって、あれはもしかしたらソトチビだったのでは、などと思えたり・・。

そして1週間前。
その夜も白黄くんが寝床にいることを確認したばかりのことだった。家裏でバサバサッと大きな音がしたので慌てて勝手口から様子を伺うと、白黄くんのいた寝床が架台から落ちてひっくり返っていた。何事かと思ったがそのときはもう静かになっていて、白貴くんがストックヤードの向こう側の入口で小さく鳴きながら周囲を眺めていた。

何かが来たのだろう。それで慌てて白黄くんが寝床から飛び出したのだ。でも喧嘩声も唸り声も一切なく、何かが思わず白黄くんとニアミスしてしまい、慌てて去っていったような感じだった。その無言な何かが、あのもの静かなソトチビを思わせるのでした。

さらに一昨日の夜。
トイレの小窓から勝手口外側の様子を伺うと、いたのです、例のもそもそが。それはまた白黄くんの残り餌を食べていた。さらにその2mほど向こうに白黄くんが座って、もそもそをボーッと見ていた。そのときは前回よりも少しはっきりと確認できた。それは、やっぱり猫でした。暗闇の中、勝手口からの光線に浮いて大きく見えるが、実際は白黄くんと同じくらいか。光線に毛先が光って色や柄などはわからなかった。前回アライグマと見間違えた尻尾も、陰になって見えなかった。


(再掲)さほどご飯を食べるでもなく、何となく遊びに来ていた

それで意を決して勝手口に回って扉を開けたが、やはりもそもそは去った後でした。うーん、なんとも言えない。あれはソトチビだったのだろうか。それとも新手の猫なのか。雰囲気的には、一昨年の暮れにソトチビと再会する前に似ている。あのときも最初は不気味だった。ソトチビとは互いに見知った仲だけど、やはりブランクが長ければ彼も警戒するだろう。

ただ、久しぶりに会うと言ってもソトチビの方から見ればどうだかわからない。こっちが確認してないだけで、ソトチビはあの草原の向こうから何かとこの街に散策に来ているに違いない。わが家の様子を伺ったり、白黄くんがいればパスしたりしていたはずだ。そして毎年恒例の季節になって、そろそろ当家裏の寝床が恋しくなってお邪魔に来た可能性は十分にあるのです。

ソトチビがかつて推測したように旧農家さんの外飼い猫の一員だとすれば、集団猫生活には慣れているはずだ。最近の夜の訪問者に対して、白黄くんはいずれもその場にいたのに喧嘩声ひとつ聞こえなかった。ことによるとソトチビは、みうやリンの♀ニャンに限らず他の猫とうまくやる方法に長けているのかもしれない。パーソナルスペースさえ確保できれば白黄くんとの共存もできるのではないか。

などといろいろ考えながら、ソトチビの再来に期待する今日この頃なのです。


一昨年の冬も寝床の常連でした



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おっとりハリーのトライアル(前編) ~不安と六感、そして大緊張~

2018年11月19日 | ハリー(灰白)
ハリーがトライアルに旅立ちました。
FIV+の成猫(推定1才半~2才)で、里親さんは難しいだろうと諦めかけていた。これまで書いてきたように、とっても性格がよくて周りを幸せにしちゃう猫です。このまま+αでわが家にいてもいいかと。そんなときに、里親申し入れの問い合わせを頂きました。

わが家から車で1時間半はちょっと遠いですが、広い一軒家に中学生のお子様含むご家族3人。1年前に長年暮らしていたワンちゃんを老衰で亡くし、ようやくまた新たに保護犬を迎え入れようと検討中、今度は猫にしようと思い直した。ハリーの里親募集ポスターは前から気にしていて知り合いを通して確認、決まりそうもないなら自分が名乗りをあげようと。本当にありがたいことです。


わが家でのひととき:(手前から)ハリー、ちび太、みう、奥にリン

ご主人は在宅ワーカーで当面は1頭飼い、ゆくゆくはもう1、2匹、やはりFIV+の子を迎えることも視野に入れている。ハリーにとっては願ってもない条件です。話は順調に進み、当方の下見もOKということで、日程は妻が所用で近くに出向くタイミングに合わせてもらって、妻が下見を兼ねてお届けすることとなりました。


クウ(左)とハリーは兄弟のよう

その日が近づくと、何とも言えない感傷的な気分になってきた。こんなことは初めてで、短い期間に自分の中でもハリーの存在が大きくなっていたことを知ったのです。ハリーはテツやニャーのようにこっちの表情をじっと見つめるタイプの猫で、その分コミュニケーションもとれて気心も通じていたのかな。しかし何かを感じていたのは自分だけではなかった。ハリーはもとより、他の猫たちも同じだったようだ。

そのざわざわした不安のような落ち着かない感覚は、ハリーの出発前夜になってどんどん強くなってきた。ハリーは明らかに何かを感じていた。他の猫たちも、ハリーの身になにかが起こると感じたのだろう。とにかく落ち着かない、いつもと違った行動が目についた。


何か神妙だった出発前夜のハリー

人間にも第六感(sixth sense)があるらしい。将来や見えな部分を見抜く力で予感や霊感、はたまた虫の知らせなどと言われるのがそうです。でも動物の場合は、例えば地震の予知能力のようにもっと現実的だ。科学的に考えれば、ハリーをはじめ猫たちの落ち着きのなさは自分(オジン)の表情や行動から何かを感じ取った結果だと思います。

出発の前夜はそれまで自分の後追いだったハリーが、逆に自分を避けるようになりました。そして部屋の隅から恨めしそうにこっちを見つめる。当日の朝になると、ハリーは明らかに自分から逃げていた。ハリーと一緒になって逃げる他の猫たち。明らかに彼らは、信頼していた保護者の変化を感じ取っていたのです。


当日の朝は隠れて出てこなかった

その日は妻がハリーを運ぶ役だったので、自分は先に出て店に向かいました。最後の記念写真を撮ろうとしても、いつもと違うハリーにシャッターチャンスは殆どなかった。後から聞いた話ですが、ハリーはキャリーケースに入るのを拒んで大騒動になったらしい。自分と通院のときはすんなりしたもんだったのに。やはりハリーは何かを感じ取っていたのです。あの大鳴きハリーが、車中のケースの中で固まったまま一声も発しなかったということからもわかります。


この写真がわが家での最後となるのか

里親さん宅に着いて、ケースから出たハリーは直ぐに部屋の隅にうずくまって動かなくなった。ハリーには愛用していた寝床がなかったので、いつもは本人(猫)の臭いや慣れた臭いのついたものを持たせるのだがそれができなかった。そんなこともあってハリーは大変厳しい条件下で、天地をひっくり返すような環境の激変に身を投じることになってしまったのです。妻はハリーが動かないので、あっさりと失礼して里親さん宅とハリーを後にした。

鳴き喚いたらどうしようとか、いやあすんなり行くよとか、いろいろ話していました。でもあの能天気なおっとりハリーが、そこまで不安と緊張で固まってしまうなんて夢にも思わなかった。里親さん宅で妻がいなくなった後のハリーには、見知ったものも拠り所も何もなかったのです。それは不安を超えて恐怖に近いものだと、その時はまだ思いやることができなかった。

保護ボラさんのブログで、里親さんが決まって幸せ~なんて記事をよく目にします。でも実際には、特に成猫の場合は里親さん宅に到着したときが問題なんですね。いずれは幸せになるのだからなんてのは、それをわかっている人間だけの話。もっと当の猫ちゃんに対して配慮が必要なのだと、つくづく思い知らされたのです。

さて、固まったままのハリーはどうなるのか。いよいよ里親さんの大奮闘が始まります。今回は自分も電話やメールのやり取りを通して、全面的にサポートすることになりました。ハリーのトライアルはまだ始まったばかり。自分にもどうなるのかわかりません。この報告は、後編へと続きます。

頑張れハリー!
新しい里親さんと、幸せをつかむんだ!!


里親さん宅で固まったままのハリー、果たして立ち直れるのか



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