のびたとブレイク

生き生きと第三の人生を歩んでいます
うたごえ ウォーキング ボランティア 時々花と金魚

私は何かの縁で結ばれている

2016年02月17日 05時00分00秒 | ボランティア

「あの ぜひ お願いしたいことがあるのですが」

若い娘さんがにこにこと笑いながら 私の手にメモを渡す

そこには 「もしよろしければ 私の勤務先に来て頂けませんか」

 

8年前くらいだったろうか 私はクラブツーリズムの添乗員をしていた

2泊3日のツアーで いつものように 観光案内やら雑学を披露してお客様を和ませていた

そして得意のハーモニカで 観光地に因んだ歌や 疲れた身体を癒す曲を演奏たのである

 

10月から咲いていたブーゲンビリアが散り始めた

 

そこは今日もボランティアで行く 江戸川区の介護施設である

快活で優しい娘さんは そこで働いて居た 周りの雰囲気は少し暗く 彼女は輝いて居た

ぜひハーモニカを披露して欲しい 皆さんに聴かせたいと言うのである

 

行って見て 私は正直戸惑った あまりにも全体が重いのである

今まで行った介護施設は ボランティアの歌や踊り 芸で 嬉しそうに反応してくれる

ところが 10数個あるテーブルに ただ 利用者さんが座っているだけである

 

それも 居眠りしたり うつ伏せになって居たり ボゥっと空間を見つめて居たりする

一番近くの数人は 目が不自由な方たちが占めている

聞けば ボランティアは今まで誰も訪れて居ないと言う これは現在でも同じだ

 

少なくとも 歌を聴かせたり 踊ったりした時に 相手に何の反応も無いと やりづらい

そして行った方が カルチャーショックで もういけなくなる方が居る

私も 何から始めていいかわからない スタッフの方たちも ただ黙って周りに居るだけだ

 

この方たちも 何をして良いのか分からないのだろう

ここは開き直って 相手に通じようが通じまいが 曲を演奏して反応を見ることだ

音楽療法もあるが 私は専門ではない 無手勝流で当たれば 心が通うかもしれない

 

毎月通って 2.3度したら かすかに反応が見えるようになってきた

目が私を凝視する 唇が少し動いている 手の指が動いている

テーブルごとに座っているから 必ずしも一方だけ見て居るわけではない

 

何度目かにハーモニカからキーボードに替え 全ての方が私を見えるように配置して貰う

皆さんの反応を見ながら 曲を選び 話が通じる方も居るから 少しは微笑みが出る

認知症の方が多く 難しかったが だんだんと私を見る眼が違ってくる

 

そこには信頼感や安心感があるのだろう

若いスタッフが何かするより 私の方が年齢が近いから 心が開くのである

模造紙に歌詞を書いて用意していった 目の見えない方も弱弱しく歌うようになった

 

何人かの方の顔が柔和になって行くのが分かる

初めは凝視続けるので 少し怖い感じの方も 目つきが柔らかくなっていった

スタッフからは 楽しみにしているのが分かる 食欲や意欲に改善が見られると報告があった

 

現在ではスタッフの方が 私に期待を寄せて居るのが良く分かる

音楽療法士は他の施設で入るが 財政的に採用は難しい

私は 何せ無料である 但し 素人の療法師もどきである

 

今では この施設も変わった リハビリにも力が入って居るのが分かる

最初の頃の暗さは無い 勿論 入所の方が入れ替わったり スタッフの変動もある

残念なことに かの娘さんは半年ほどで 腰を痛めて退職してしまった

 

 

先週行った介護施設は 下町のうたごえの参加者の方から 娘さんが居る施設へと依頼

私は依頼があれば 日程が調整出来れば なるべく受ける 

私が出来ることで 皆さんが喜んでくれるのなら 私も幸せを感じる

 

今度バンドでも出演する介護施設は 私が童謡唱歌歌う会の代表をしている時に依頼された

この方が10数年続けているボランティアに一緒に活動してくれないかと言うのである

今では 私が単独で訪れるようになった

 

踊りのグループと行く 介護施設は やはり同じ依頼者からのものだ

一緒に組んでずっと活動して 私たちも楽しく感謝しながら利用者さんの笑顔を見る

ボランティアを通じて 利用者さんだけでなく 横のつながりも出てくるのである

 

墨田の介護施設は 私がうたごえの講座をしている時に スタッフから依頼をされた

ここは比較的元気な方が多く 私の歌の時間を楽しみにしていることが良く分かる

ただ 3月末で講座の講師を辞退することを決めたので こちらも辞める旨伝えた

 

だが この施設からは長い付き合いで 皆さんがぜひ辞めないでと言う

私も 利用者さんのそれぞれの顔が眼に浮かび 講座は終わるが継続することにした

このように 何かが私を介護施設に導く 見えない糸があるのか 不思議なものだ

 

 

 

     最後までお読みくださいまして有難うございました m(_ _)m

 

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コメント (22)
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