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心の小春日和

2013-11-21 23:18:42 | 山も海も 晩秋の花旅

 

 今回の旅の主な目的の一つは、大江山のような花の百名山を訪ねることですが、ワカサハマギクとの出会いも秘かに期待していました。

 

 若狭まで廻ってきたのも、この地でなければ、この季節でなければ会うことのできない花を求める気持ちがあったからです。

 

 若狭の海に沿って走りますと、舞鶴などの地方都市を過ぎる毎に、森が渚に迫る青い海が広がります。

 

 

 崖の上の国道からカメラのズームを利かせて海を覗くと、エメラルドグリーンの水を湛えた、清んだ入り江が見えました。

 

 

 そんな海に、牡蠣を養殖する筏が並んでいました。

 

 

 仙台でも、瀬戸内の播磨灘でもそうでしたが、このように鬱蒼と森が海岸に迫り、泥水などが流れ込まぬ美しい入り江で、美味しい牡蠣が育つようです。

 

 そんな海沿いの道を走っていると、道の脇に時折、白い野菊の花群れを目にしました。

 

 しかし、海に迫る岩壁を切り拓いた国道は道幅が狭く、花を観賞するために車を停めるスペースが見つかりません。

 

 何度かチャンスを逃した後で、小浜を過ぎた辺りになって、やっと野菊にレンズを向けることができました。

 

 

 出会いを期待していたワカサハマギクはハマギクの名の通り、鳥取県から福井県にかけての海岸に生育する多年草です。

 

 10~11月、中央が黄色で、周囲に白い舌状花を持つ3~5cm程の花を咲かせ、 葉は三つに裂けた広卵形で、縁にノコギリ歯があります。

 

 はたして、この花は?

 

 

  

 ン~~ 違いますね。

  

 でも、ワカサハマギクでなくても良いのです。

  

 安らぎを感じさせる町並みや、エメラルドグリーンの海と白い野菊の花、それ以上の何が必要でしょうか?

 

 

 目の前の若狭の海は静かに淀み、流れることの無い筋雲は空に浮かび、私はぽっかり胸にひろがった心の小春日和を愛しみながら、三方五胡をめざしました。

  

 

 

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そう言えばあの頃の恋心

2013-11-21 23:04:53 | 山も海も 晩秋の花旅

 

 11月2日、花の百名山「大江山」(833m)を望む国道176号のパーキングエリアで朝を迎えました。

 

 朝を迎えるまでは、大江山の頂上へ登るつもりだったのですが、麓から山を一望して、ピークを目指す気持ちが薄れてしまいました。

 

 何故かと理由を聞かれれば、山が低いこと、頂上が木立に覆われて眺めが期待できないこと、季節外れで花が期待できないこと、などと答えますが、多分、全体が見えてしまったので、山が分かってしまった気持ちになり、心を駆り立てるモノが無くなってしまったからなのでしょう。

 

 そう言えば、高校生の頃にも似たような感慨を持ったことを想い出しました。

 

 熱病のような恋心が芽生える相手は何時も、何を考えているか分からない、不思議な瞳の輝きを持つ少女だったような気がします。

 

 癖まで知っているような幼友達に恋心が芽生えることはありませんでした。

 

 

 鬼が住む大江山はどんな所かと、期待を胸に訪ねましたが、あまりにも容易に近づけたことが裏目となりました。

 

 

 大江山に登らなかったので、時間に余裕ができて、のんびりと宮津へ向けて車を走らせました。

 

 宮津では最初に天橋立を眺めました。

 

 大学生の頃、山陰を巡った時に訪ねて以来ですから40年振りです。

 

 

 

 宮津からは国道を東へ向かいました。

 

 見知らぬ街で、車を淡々と走らせていると、いつも不思議な安らぎを覚えます。

 

 散歩でもしているような気分になるからでしょうか。

 

 それとも、街がそう感じさせる何かを持っているからなのでしょうか。

 

 昔、「知らない街を歩いてみたい 何処か遠くへ行きたい」など詠う歌があったことを想い出しました。

 

 

 若狭湾に迫る岩壁に刻まれた道を周り込むと、海を挟んだ対岸の、名も知らぬ尾根の上に、11月の嫋やかな太陽が昇っていきました。

 

 

 

 

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