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黒岳の短い夏と秋

2019-09-28 18:56:46 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道

 

 黒岳の頂に昔と変わらぬ景色が広がっていました。

 

 昔々のことですが、北海道の帯広で仕事をしていた頃、大病院のお医者さんと一緒に、この道を通って旭岳まで縦走したことを思い出しました。

 私が山歩きの楽しさを語ると、「私も一度は行ってみたい」のような会話が切っ掛けだった気がします。

 

 あれから数十年の月日が流れましたが、今でも「あの時は本当に楽しかった」の言葉を頂きます。

 

 そのたびに、誰かに喜んでもらえることの幸せが心に染みます。

 

 この歳になるまで山に登り続け、花を楽しんできたことが、多くの困難を乗り切る心の支となっていたような気がします。

 

 花を見ながら一歩ずつ歩を進めるような人生でした。

 

 これからも同じやり方で、峠を越えてゆこうと思うのです。

 


 

 黒岳のピークでそよ風に吹かれた後、黒岳の石室へ向かいました。

 

 頂上から少し下った辺りで、エゾツメクサが清楚な花を咲かせていました。

 

 ミヤマリンドウが上品な花を見せています。

 

 

エゾツメクサ           ミヤマリンドウ

 

 登山道の脇にタルマイソウ(イワブクロ)を見かけました。

 

 しかし、多くの株は花を散らせ実を付けていました。

 

 北海道の山は既に、花の季節を終えているのです。

 

 

タルマイソウ(イワブクロ)の花と実

 

 チングルマやイワウメに花はありませんが、花が散り終えた後に、夫々の花を想い描くとき、山に登るとふいに顔を見せる、胸の奥底に潜む誰かが微笑みを返してくれます

 

 

チングルマ            イワウメ

 

 暫く進んで振り返り、ミヤマハンノキの上で優しい曲線を描く黒岳の姿を眺めました。

 

 黒岳の山容を確認できる場所は以外に少ないのです。

 


 

 正面の谷の中に消え残った雪渓が見えました。

 

 谷の下からレースを被せるように雲が湧き上がってきます。

 


 

 気の早いウラシマツツジが紅葉を始めていました。

 

 大雪山の夏は短く、秋は更に更に短いのです。

 

 9月ともなれば、何時雪が降ってもおかしくはありません。

 

ウラシマツツジ

 

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