これまで点字で200冊近く北方謙三さんの作品を読破し、文字どおり生きる力を得てきたという盲ろう者の福島智さんと、その著者北方謙三さんとの対談が実現し、「運命を切りひらくもの」という本になって出版されています。
2人は出会ってすぐに心は深く通じ合い、若き日の挫折体験、大切な友との別れ、酒の飲み方に女性観、人生の処し方まで幅広く語り合われています。
特にハードボイルドな作風で知られる北方さんが、福島さんの熱にほだされて、普段あまり語ることのない幼少期や青年時代の逸話を熱く語るなど、ファンならずとも一読の価値はあるでしょう。
人間や運命と深く対峙してきた2人の交わす言葉は、ずっしりと重く、深く心に染み込みます。
運命を切りひらくもの