沼田にある父の墓に参った。
墓に行くと、霊園の主である可寝汰くんの弟子が付きまとう。
「河内さん・・・これで何回目の墓参り・・・」
弟子のいつもの第一声である。
すると弟子は暑い中・・・大汗をかき掃除している私の後ろから話を続けた。
(弟子は・・・墓で知人を見つけると必ず身の上話を始める)
「娘が宿題教えてくれ~ゆうて言うたんよ・・・
それで問題がね、りんごが5個・みかんが4個、それを二人で分けるには何通りの方法がありますか?という問題でね・・・」
「ほ~・・・それであんた、どう答えたん?」
「ほいじゃけん・・・りんごもみかんも大きさが同じと限らんじゃろう。あんたのが大きいとかで喧嘩になったらいけんけん、りんごとみかんをミキサーに入れてジュースにして2人で分ける・・・と、書いとけェ言うて娘に伝えたら、その通りを書いたんよ。そしたら・・・先生が答案用紙に?マークつけていた・・・」
私は思わず大笑いした。
弟子ならではの発想である。(笑)
この弟子が毎日いる墓に眠る父・・・
退屈しないであろう。