幕末気象台

おりにふれて、幕末の日々の天気やエピソードを紹介します。

馬インフルエンザ、犬インフルエンザ 安政四年(1857年)春 インフルエンザ大流行

2013-12-22 23:11:02 | Weblog
 私は注射は嫌いなので、インフルエンザの注射は毎年するかどうか迷っています。

鳥インフルエンザなどと、テレビでは新型ウィルスの脅威を謳っておりますが、先日立川の「公私日記」
の天気記事を入力していましたら、安政四年二月七日(西暦1857年3月2日)の記事に

【犬馬ニ至まて咳をなすよし通例之流行風とは格別之事ニ而近来稀なる風邪なるよし】

とありました。

この新型と思われるウィルスは、「上方よりはやり一円なり」とあるように、京大阪付近から流行し
全国一円に流行ったのでした。

御府内市中家毎十に六七人は平臥、呉服店なとは百人弐百五拾人位枕を並へ候由にて、場所ニ寄湯なと休候所も有之、当所辺壱軒ニ而弐三人又ハ四五人も取臥之家もあり【公私日記】【立川】

家ゴトニ弐人、三人寝て居る也【塩田町】

日本一統流行ノ風邪ニ而家内中相煩申候【相馬】

諸々一円風邪にて四五日宛煩う者十にして八、九人あり、又両三日にして頓死の者も所々にあり【武蔵村山】

などとあり、殆どの家で患者が出、また死者も出て

「日本六十余州大体風ニ而困入」

その結果、


「医師ハ大繁昌、湯屋髪結ハ大難渋、、地震、大風ニ引続候珍事」

とあります。

馬インフルエンザ、犬インフルエンザ 恐ろしいことです。


ところで、私の住んでいるところは、渡り鳥で有名な伊豆沼の近くです。

以前は、白鳥の餌付をしていましたが、いまはしていません。 

人の都合です。

犬インフルエンザが流行ったら、同じく捨て犬が増えることでしょう。

捨て馬も有るやも知れません。馬や犬にとっては、

馬インフルエンザ、犬インフルエンザは二重に恐ろしいことです。

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2 コメント

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Unknown (与左衛門)
2013-12-28 02:32:02
立川の公私日記は大好きな日記です。(こう書くと変な気もしますが)
一番最後の巻にある母を看取る「病る母の枕にいく日仕ふれど報ふにたらぬ心地のみして」の歌は、正直泣けますね。
本文も、有益な情報に溢れていて、鈴木平九郎という人は、本当に筆まめな人だったんだなあ、と尊敬します。

関東ならともかく、東北の人が、この日記の存在を知っていて、しかもを天気の分析までしているとは…参りました
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Unknown (いろは丸)
2013-12-29 21:16:40
さすがに、お詳しいですね。
私は、天候の記事だけを読むことも多く、私の日記の読み方は邪道だと思っています。
飛ばし読みながらも、御記述の歌は読みました。
死と別れは、避けられません、本当に悲しいことです。今年も沢山の人が悲しみを背負って、年の瀬を越して行くのでしょう。

さて、来年は、日記でどんな人に出会えるのでしょうか、楽しみです。

    よいお年を
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