金正恩「過激アンダーウェア」の秘密と失踪外交官の行方 (1/2ページ)“暴走”北朝鮮
韓国の聯合ニュースが与野党および複数の情報関係者の話として伝えたところでは、チョ氏は現在、韓国当局の保護下にある。これまで韓国入りの情報が伏せられていたのは、北朝鮮に残る家族の身を案じた本人の求めに応じたものだという。
■隠微な生活実態
一方、韓国の主要メディアはこのニュースを伝えながら、チョ氏の韓国入りが南北関係に影響する可能性を指摘した。金正恩党委員長が最高指導者となって以降、北朝鮮の大使級の高官が韓国に亡命したのはチョ氏が初めてとされる。北朝鮮が、亡命(脱北)した人々を裏切り者として激しく指弾してきたことを踏まえれば、この件が金正恩氏にとって、きわめて不愉快な出来事であろうことは塑像に難くない。
また、チョ氏がイタリアで、金正恩ファミリーのために特別な役割を担っていた可能性があることも、北朝鮮を刺激する要素となるかもしれない。
先に韓国へ亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使(現在は韓国国会議員)は当時、イタリアが北朝鮮指導層のぜいたく品を密輸するルートの中のひとつだったと指摘し、「2006年から2009年までイタリアで3年間研修を経たチョ・ソンギル氏は、密輸ルートに関わっていた可能性が大きい」と話していた。
また、イタリアの港湾都市であるトリエステにはかつて、北朝鮮系の海運会社があり、そこの代表がローマの大使館と連携しながら、ぜいたく品購入のオペレーションに当たっていたとの情報もある。近年は経済制裁により海運会社の活動はできないはずだから、大使館の役割は一層重要になっていたはずだ。