先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
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1919年の労働争議統計に関する大原社研の備考(読書メモ—『日本労働年鑑』第1集1920年版 大原社研編)

2021年06月23日 08時44分32秒 | 1919年の労働運動

写真上 ストライキの結果別調べ。1919年(大正8年)は、妥協261件、要求貫徹(全面勝利)63件、要求撤回(全面敗北)80件、会社の要求拒絶93件
 写真下 ストライキの継続日数。同年、1日150件、2日138件、3日75件、4日41件、5日27件、6日以上10日以内57件、11日以上9件

1919年の労働争議統計に関する大原社研の備考
(読書メモ—『日本労働年鑑』第1集1920年版 大原社研編)

1919年の労働争議
【争議理由(909件中)】
賃上げ    587件(うち5割以上の増額要求が171件も)
労働時間短縮 114件
待遇改善   107件
監督への反抗   27件
解雇反対     17件
労働組合認めろ 5件

【争議理由について】
 賃金値上げが主。前年の米騒動の民衆の怒りが示すように第一次大戦後の物価の大高騰は、実に「12割増」に及び労働者の生活を極端に脅かした。だから賃金の大幅値上げが労働者の切実な要求となった。賃金要求額は、6月までは「3割増給」が平均未満、7月からは「5割増給」がもっとも多く15割増給が最高。

【労働時間短縮要求】
 8時間制要求が大多数。9時間制要求は至って少ない、10時間制もかなり多い。8時間制要求を初めて現れたのは、6月の精工舎京都市電の争議からである。

【待遇改善要求】
 足尾の飯場制度撤廃、小頭の頭引き廃止要求。製糸工場の給金支払い制度改善要求。年末賞与増額要求等。

【労働組合承認】
 資本家は激しい「団結権」への嫌悪を示した。組合承認どころか組合加入者に圧迫を加わえ、あるいは解雇したりした。

【労働争議の戦術】
 主にストライキとサボタージュ闘争であり、スト時には社前入り口でスト破り阻止のピケット闘争を必ず行う。また、「労働者の階級的自覚が高かまるにつれて資本家側の階級的観点も強くなる(あるいはその逆かもしれないが)」の例として東京十六大新聞と東京印刷同業組合のストライキ時の資本家側の姿勢をあげている。

【労働組合つぶし攻撃】
 労働者のストと団結を切り崩す資本家側の手段は、①他より労働者を雇い入れる、②金銭で誘惑する、③警察の手をかりる、④懸賞付きで連れてくる、⑤鉱山ではスト参加者への食料の配布を止める等がある。

【労働者の団結】
 ストライキ参加の労働者が、互いに裏切らない約束として血判状を交わす場面も多くあった。また、スト参加者から積立金を徴収し「犠牲者」=解雇、逮捕者への救援資金とした。スト破りの「違約金」を定めたところもあった。争議の労働者はストライキ中は必ず演説会(終了時にはそのまま街頭へくりだすデモも)を開き、結束を固くする。シュプレヒコールや労働歌を高唱した。ビラ配布、家庭訪問。

【争議の結果】
 成功と失敗は同数。半成功も労働者の一分の勝利とすれば労働者は圧倒的に勝っていると言える。また組合による組織的闘いの結果、暴行や乱暴が減った。

大正8年(1919年) ストライキ総数497件中、
 写真上 ストライキの結果別調べ。妥協261件、要求貫徹(全面勝利)63件、要求撤回((全面敗北)80件、要求拒絶93件。
 写真下 ストライキの継続日数。1日150件、2日138件、3日75件、4日41件、5日27件、6日以上10日以内57件、11日以上9件。


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