先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
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北海道各地に勃発するストライキの波 1927年労働争議

2023年09月18日 07時00分00秒 | 1927年の労働運動

北海道各地に勃発するストライキの波 1927年労働争議
参照「北海道社会運動史」渡辺惣藏

 1927年(昭和2年)から28年(昭和3年)にかけて北海道地方評議会の指導による争議と不況に喘ぐ労働者の反抗は小樽港湾ゼネストを頂点として全道各地のストライキとして勃発した。評議会は、各都市において未組織労働者の組織化と統一的な共闘を目的とする「工場代表者会議」を次々と立ちあげていった。

函館地方
 1927年
 1月、函館商事合資会社千代カ岱ゴム工場ストライキ、労働者が勝利。函館昆布同業組合ストライキ、これまた勝利。
 3月、函館大鉄鉄工場争議、敗北。
 3月10日、436名の港内労働者「函館港内労働組合」結成。小樽港湾ゼネストを全力で支援し、小樽港資本の函館港でのスト破り募集を粉砕するため、「一人の裏切り者をだすな」と奮闘し、ゼネスト合流の寸前まで函館港資本を追い込む。
 9月、北辰漁業会社の汽船"英船丸"の漁夫の争議。
 10月、電車路面塗装問題に対する市民闘争が起き、この闘いでは暴行騒擾事件が起きるほどの大争議となり、多数の労農党員が検挙された。 
 1928年
 1月、評議会の函館船渠工愛会650名が闘争。会社の猛烈な切り崩しで組合は分裂。
 2月、日魯漁業台場工場で約150名闘争。「函館造船木工労働組合」が市内の造船業者に7項目の待遇改善の要求を提出。

札幌地方
 1927年
 2月、大日本ビール会社札幌工場製罐所25名が解雇問題で争議、勝利解決。
 3月、駒野製綿所第一工場47名、7日間スト。有利な条件で解決。
 8月、三田印刷工場ストライキ勃発、労働者の惨敗。
 11月、札幌電気軌道会社の札幌市への買収問題、221名が全市的ストライキ決行完全運休へ。会社ストつぶし目的で争議団員22名を解雇攻撃。札幌で初めての交通争議、最後には労働者側の有利な条件で解決。
 1928年
 1月、加藤製材所工場労働者43名の労働争議。
 2月、山藤印刷工場、従業員大会を開き、総選挙日の公休、待遇改善を勝ち取る。
 3月、帝国製麻、札幌製粉、札幌製綱、キンデータイムス、市電、鉄道局苗穂工場、ビール会社等で労働者の待遇改善要求や各職場委員会の開催の動き。帝国製麻800名が8時間労働制の即時実施など要求。札幌製粉は、御用組織の「親睦会」に労働者の自主化運動がおき、サボタージュ闘争へ発展。

旭川地方
 1927年
 3月25日、旭川において「北海一般労働組合」が創立。378名の組合員は、鉄工、石工、木工、製菓工、自由労働者で、青年部と婦人部をおいた。
 4月、旭川の岡村薄皮の閉鎖問題でスト、山下鉛筆工場で賃上げ要求で争議。いずれも有利に解決。
 11月7日、「旭川合同労働組合」、第二回拡大執行委員会で正式に評議会に加入決定。労農党支持も決める。
 11月、昭和木管工場閉鎖反対の争議、有利に解決。大日本木管近文工場解雇手当増額要求でスト、勝利。

その他の地方
 根室、1月16日「根室合同労働組合」が結成。2月24日には「苫小牧合同労組」が結成。7月12日、室蘭の栗林商船"神瑞丸"船員27名、危険手当を要求しストライキ。有利解決。全道でこうした争議が次々と展開されていった。

(次回)
岡谷に人道はありや、なしや 信州岡谷1,300名製糸女性の決起と全面敗北  山一林組争議 1927年の労働争議(読書メモ)
日本最初の大規模な製糸女性ストライキ



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