我が堀切の町工場32名の先輩労働者、仲間の解雇に反対しストライキ決起! ―1928年の労働争議(読書メモ)
参照・協調会史料
(感想)
1975年12月私たち大久保製壜所の障害者、労働者36名のキリスト教会ろう城闘争は、葛飾堀切にある日本基督教団「堀切教会」の牧師、信者、保母と堀切地域など多くの人々の声援と応援のもとで勝利しました。96年前の同じ堀切の町工場先輩労働者32名による、仲間、同僚を守ろうとしたこんな闘いがあったのですね。綾瀬村村民からの声援、決議文もいいですね。
我が堀切の町工場32名の先輩労働者、仲間の解雇に反対しストライキ決起! 本庄商会堀切工場の労働争議
南葛飾郡南綾瀬村堀切の農具製造会社の本庄商会堀切工場全労働者約50名中、32名が仲間への不当解雇撤回を求めてストライキに決起した。32名は自由聯合会東京一般労働組合に加盟している。
1928年2月15日会社は不況を理由に工場のを縮小と組合員4名のベテラン労働者を解雇してきた。
(会社のとんでもない回答)
2月17日、32名は東京一般労働組合の応援のもと会社に同僚4名の復職を要求した。しかし、会社は「全労働者の賃金2割減給、向こう2年間昇給なしの条件を組合が飲むなら4名の復職に応じる」というとんでもない回答をしてきた。
(ストライキ決行)
2月18日、会社のふざけた回答を受け、東京一般本部、同江東支部、北部支部、城南支部が決議文を提出し、堀切工場の32名が直ちにストライキを決行した。同時に「南綾瀬村民諸君に訴える」の宣伝ビラを地域住民に広く配った。
2月22日には午後7時30分より、南綾瀬村小谷野演芸場尚友館において争議団主催の「争議真相発表演説会」を聴衆約150名のもと開催された。なお演説者3名に臨監警察官の「弁論中止」の弾圧があり、また工場主宅を訪問し決議文を届けようとした争議団代表者5名のひとりを亀有警察は不当にも検束弾圧した。
(綾瀬村村民からの決議文が届けられた!)
決議文
・・・本庄商会代表者本庄三郎氏は、十数年使用したる従業員数名を自己の営利的打算のため、全国に失業者数百万を数えるこの不況時代に解雇することは吾等とうてい首肯得ざるところである。吾等は社会的人道的立場より本庄三朗の人情的発露の下に誠意を示され一日も早く解決されんことを村の平和のため要求する
昭和三年二月二十二日
綾瀬村民有志一同
本庄商会堀切工場
代表本庄三朗殿
*協調会史料の記録はここまでです。この争議の帰すうは残念ながら不明です。
以上