上・350名大久保製壜闘争決起集会とデモ(1978年9月10日舟原公園)
夜勤を無くしたい
僕はガラス壜製造メーカーの現場で26年間労働してきました。製壜現場は真っ赤に溶けたガラスを壜に製造する文字通りの灼熱地獄です。その上耳栓をつける程の騒音と塵肺が心配になる粉塵の舞う辛い労働現場です。しかし、何が一番辛いかというと深夜労働でした。3交替勤務の24時間操業、早番、遅番、夜勤の3交替勤務の夜10時から朝7時までたち続けの作業の夜勤・深夜労働、これが一番つらかったです。勤めたころの夜勤は7日間連続のうえ、最終日の夜勤明けの日は休日とはならず、一度朝7時に帰宅して、その日の午後3時には再び遅番に出勤し夜10時まで働くというひどい有様でした。キリスト教会ろう城闘争とその後のたたかいの結果、3組3交替勤務を4組3交替勤務とさせ、シフトも7日連続シフトから4日間シフト、夜勤明け日と翌日は公休扱いとなり、一ヵ月の公休日数も倍になりました。
しかし、今でも深夜労働自体は過酷です。
かつては戦前の紡績工場が有名ですが、戦後も24時間交替制労働は、溶鉱炉等を24時間燃やし続ける鉄鉱業や石油精製業、化学工業、ガラス製造業などの労働現場(製造現場では女性の深夜労働は労基法違反でした)や消防署や警察署、船員、そして入院ベッドのある病院の看護士・医師・スタッフや福祉施設職員でした。
今や街では24時間操業のコンビニは当たり前の風景として存在しています。その上病院などでも2交替勤務がむちゃくちゃ増えています。しかも深夜働く労働者の多くは非正規です。外国人労働者も多くいます。いくら深夜労働割増賃金が出ているからといっても、もともとが極端な低賃金なのですからたかがしれています。深夜の現場で女性が働いているのは珍しくありません。
多くの長距離トラックや長距離バスの運転手は深夜働き続ける長時間労働です。睡眠不足など過労による悲惨な大事故が起きてはニュースになります。タクシードライバーは24時間拘束が一般的です。
僕は、深夜労働はどうしても必要な仕事以外では、この社会から無くすべきだと強く思っています。もともと人間の体は、昼間起きて活動し、夜に寝るようになっているからです。それを逆転させる訳ですから健康にいい訳がありません。医師や多くの専門家も深夜労働が人間の健康に及ぼす害を指摘しています。
心身の健康がズダズタにされてからでは、もう遅いのです。そのためには深夜労働で苦しんでいる労働者自身が団結して立ち上がらなければなりません。それしか道はありません。みんなの闘いで深夜労働回数と深夜労働時間を大幅に短縮させ人員の増員・手厚い労働条件の改善を実現させましょう。