年表 総同盟の戦争協力②(読書メモ)
参照
「労働国策と総同盟」(国会図書館デジタルコレクション)
「社会・労働運動大年表Ⅱ」大原社会編(労働旬報社)
2、年表・総同盟の戦争協力(と労働者の主な闘い)
1925年(治安維持法制定、総同盟分裂)
・総同盟は、戦闘的労働組合を除名し、まっ二つに分裂、左派は日本労働組合評議会を結成し、総同盟の勢力は半減した。
・「農民労働党」結成、結成準備段階で総同盟ら右派が脱退。結成の即日結社禁止。
(この年の労働者の主な闘い)
・5月日本労働組合評議会創立
・5月中国上海5.30闘争
・5月関東労働組合会議、上海中国人労働者支援決定
・7月芝浦製作所スト
・8月東邦炭鉱亀山鉱業所スト
・8月三菱製紙高砂工場スト
・8月出版労働組合結成
・9月ソ連金属労組レプセ来日、歓迎運動
・10月東京合同労組味の素川崎工場スト
・11月関東紡績労組川崎支部、富士瓦斯紡川崎工場スト
・12月住友別子銅山スト
1926年(労農党結成、総同盟第二次分裂、社会民衆党結成)
・農民労働党が禁止されたため総同盟と日本農民組合主導の「労働農民党」が右翼社会民主主義政党として結成されたが、12月大山郁夫中央執行委員長のもとで、左翼に門戸開放され、活発な無産政党となった。
・総同盟は、労働農民党から左翼団体(評議会・無産青年同盟・水平社無産者同盟・政究)の排除を要求し、受け入れられないとなるや総同盟ら右派は労農党を脱退。
・12月、総同盟らが「社会民衆党」(委員長安倍磯雄)を結成。社会民衆党内に赤松克麿ら国家社会主義派が台頭し脱退。
・総同盟、麻生久除名、第二次分裂(麻生久、日本労農党結成)
・石川島造船所にストに反対する日本主義労働運動を唱える「石川島自彊(強)組合」が結成される
(労働者の闘い)
・1月共同印刷スト~3.18
・4月浜松日本楽器1300名スト~8.8
・5.1第7回メーデー(全国68カ所、4万3千人)
・5月富士瓦斯紡績土ヶ谷工場、メーデーで演説した女性の解雇に反対してスト
・5月木崎村小作争議
・6月秋田吉野鉱山スト
・6月日本交通労働総聯盟結成(合法左翼の中心的全国組織、東京・横浜・大阪・神戸らの各市電)
・7月東京モスリン亀戸工場2899人スト
・9月東京南葛の日立製作所サボタージュ闘争
・10月尾去沢鉱山1400人スト
・10月大阪市の森硝子工場朝鮮人労働者150人スト、10人検挙され敗北
・12月東京市従業員組合゜500人、解雇反対で3日間スト
1927年(日本軍の第一次山東出兵)
・日農分裂
(労働者の闘い)
・1月評議会、健康保険の資本家負担を要求した5分間ゼネスト
・2月福島県入山炭坑498人スト
・3月日本郵船の司厨部3200人40日間スト
・3月倉敷紡松山工場659人スト、敗北
・3月兵庫県州本町の貝釦工場600人スト
・4月行田足袋工争議(評議会の埼玉合同労組、11工場で<巡回スト>)
・4月評議会、工代会議運動
・6月大日本紡績橋場工場3千人スト
・6月小樽市ゼネスト状態
・7月南海鉄道877人スト
・7月富士瓦斯紡小名木川工場1千人争議
・8月長野県岡谷の山一林組1357人(女性1213人)30日間スト、敗北
・9月野田醤油1358人スト(戦前最長争議)
・10月大阪東洋紡2500人スト
・10月岐阜県高山鉄道工事場780人4日間スト
・10月愛媛の上甲製糸工場女性100人、寄宿舎を脱走してスト
・10月福島県湯本町品川白煉瓦会社220名、解雇者の復職を要求し60日間スト、敗北
・11月新京阪軌道工事場の朝鮮人労働者60人争議
・11月7日、ロシア革命10周年を記念する集会全国各地で挙行(評議会系組合)
・12月日立製作所笠戸工場678人、29日間のスト
・12月~京都地方の友禅工場で解雇反対の争議頻発
1928年(3.15事件、第二次第三次山東出兵)
・3.15事件、第二次三次山東出兵、労農党・日本労働組合評議会等に結社禁止命令、治安維持法改正死刑の追加、渡辺政之輔惨死
・この年、治安維持法違反検挙者数3426人、特別要視察人1309人(前年比443人増)
(労働者の闘い)
・3月神田の厳松堂書店の少年労働者42人争議、岩波書店労働者70人スト
・3月大崎の宮内ゴム工場34人、44日間ストライキ
・3月大阪紡績800人、一日スト
・4月九州電気軌道350人争議
・4月横浜水道局給水工事の臨時工スト
・4月大日本自転車241人スト、警察介入で解雇20人中10人復職で解決
・4月滋賀の旭絹織膳所女子労働者のスト
・5月社外船員劣悪な待遇改善を求めスト
・5月銀座の東海道書店80人争議
・6月東京モスリン金町工場女子1075人、外出・結婚の自由など求めスト
・11月福島紡績福山工場710人スト
・12月大日本セルロイド小豆沢工場210人スト
・12月全協(日本労働組合全国協議会)結成
1929年(世界恐慌)
・山本宣治暗殺
・4.16事件
・大山郁夫、新労農党結成
・総同盟三次分裂
(労働者の闘い)
・1月朝鮮本山ゼネスト
・3月横浜市電スト
・3月横浜船梁工信会スト
・3月東京モスリン吾嬬工場3150人(女性2400人)スト
・4月三越呉服店スト
・5月大阪合同紡績神崎工場1700名スト
・5月浅野ドック450人スト
・6月東京交通労働組合(東交)発足
・7月岸和田紡績春木工場2500人スト
・7月明治紡績戸畑工場女工スト
・8月山梨県矢島製糸場525人監督排斥要求しスト
・9月東京乗合自動車780人スト
・9月群馬県上州絹糸紡績210人スト
・10月朝鮮、光州学生闘争
・12月東京市電スト
1930年(昭和恐慌 労働争議頻発)
・大失業、労働争議頻発
・全国労働組合同盟(全労)結成4万2千人(全労は有名な東洋モスリン争議など多くの争議に関与したが、満州事変後全労内にも国家社会主義派が台頭)。
(労働者の闘い)
・2月東洋モスリン亀戸工場スト
・4月鐘紡争議、全国の工場で大スト頻発、6月敗北
・5月岸和田紡績堺分工場争議(在日朝鮮人労働者と日本人労働者の連帯闘争、200名検挙、6月敗北)
・5月湯浅伸銅所争議
・7月三信鉄道争議(朝鮮人労働者600人飯場立てこもりスト、警官1300名の襲撃で314人検挙)
・9月~10月東洋モスリン2500名争議(市街戦)、11月敗北
・11月富士瓦斯紡績川崎工場争議(煙突男)
・(この年労働争議頻発~31年には984件)
1931年(満州事変 中国で抗日運動拡大)
・陸軍クーデター3月事件に社会民衆党の赤松克麿らも関与した。
・自由法曹団弁護士で無産政党議員だった有名な松谷与二郎が満蒙視察から帰国して満州侵略擁護の「意見書」を発表、全国労農大衆党内に排外主義派が台頭。翌年松谷は赤松克麿とファシスト政党「日本国家社会党」を結成。
・日本労働倶楽部結成(総同盟、全労、総聯合。海員組合など中間派と右派の戦線統一)
・社会民衆党、9月の満州事変に対する中央委員会声明1931年12月12日
「満蒙対策強硬論も、共産党および擬共産主義者の満蒙退却論も、自由主義的平和論もとらない。満蒙事変は支那軍団と我が国政府の共同責任である。日本の満蒙の権益が侵害されてはならない。ブルジョワ的満蒙管理を社会主義的国家管理に移す。」
・全国水平社10回大会で九州聯合会より水平社解散意見提出
(労働者の闘い)
・2月芝浦製作所争議
・4月総評(日本労働組合総評議会)結成、「戦争反対、反ファッショ・大左翼組合戦線確立」をスローガンにし新労農党支持組合、34年全評へ
・4月住友製鋼所争議(100名解雇で全労拠点組合壊滅)
・4月筑豊炭田スト(全労と総同盟の指導でモグラ戦術など激しい闘い。惨敗)
・10月北中皮革争議(水平社支援、村民ぐるみの大闘争。武装警官の弾圧で敗北)
・11月全労倶楽部排撃同盟(全労の反共労働組合主義の日本労働倶楽部参加に反対する左派の運動)
・(この年労働組合組織率戦前最高818組合36万8975人、組織率7.9%)
1932年(満州国建国宣言、5.15事件、日本労働組合会議結成、岩田義道虐殺)
この年、警視庁は特高課を倍増拡充。治安維持法違反事件検挙者数1万3938人。東京市電職場占拠ストを警視総監は組合員の大量検挙とスト強制中止の弾圧。
・社会民衆党は<反ファシズム・反共産主義・反資本主義>の「三反綱領」を掲げる。しかし社会民衆党は満州事変にいち早く支持を表明し、実際は<反共主義>のみが焦点となる。
・日本労働組合会議(総同盟、全労、日本海員組合など)結成、ここでも表向きは三反をかかげたが、次第に国策協力へ
・日本主義系労組「国防献金労働協会」を結成。
・5月全労内国家社会主義派と赤松克麿は「日本国家社会党」結成。
・5月「日本労働同盟」結成、国家社会主義に転向した全労脱退派が結成。
・7月「社会大衆党」結成、三反をかかげたが軍部に接近。
・12月全国の新聞社132社が「満州国独立」の支持声明発表。
(労働者の闘い)
・3月横浜市電スト
・3月東京地下鉄モグラ争議(全協指導、電車内ろう城スト)
・4月岩手県大船渡線鉄道工事場スト(朝鮮人700名、日本人100名の決起)
・4月~全国の映画館180館4115人「反トーキー争議」
・8月全協、都内各地で国際反戦デー示威行動
・9月全協、「天皇制打倒」綱領
・10月東京市電職場占拠スト
・大森銀行赤色ギャング事件
1933年(ナチス政権成立、日本国際連盟脱退、小林多喜二虐殺、長野教員赤化事件、北海道全協再建運動大検挙、滝川事件)
・満州事変後の23ヵ月間の戦死者数2530人、戦傷6896人
・国際連盟脱退
・共産党最高幹部の佐野学・鍋山貞親「転向声明」発表
・日本主義ファシスト労働組合の連合体「日本産業労働倶楽部」10組合8500人で結成
・戦闘的労働組合東交の<方向転換>大会
・総同盟「産業及び労働の統制に関する建議」
・皇国農民同盟結成
・総同盟東京鉄工組合川口支部「産業協力方針」を決定
・日本農民組合(平野力三派)皇道政治確立の綱領決定
・国防献金労働協会陸軍機労働号の献納、メーデー撲滅愛国労働祭挙行
(労働者の闘い)
・3月全労統一全国会議5千人(加藤勘十、高野実らは合法左翼組合として反戦・反ファシズムの運動に尽力)、11月総評などと合同して「日本労働組合全国評議会」を結成。
・5月関東労働組合会議(右翼労組やナチスに反対し、総評・全労統一全国会議・東交・東京市従など合法左翼組合7団体で結成)
・6月松竹少女歌劇団争議
・7月全国水平社、高松地方裁判所差別糾弾闘争
・8月三菱航空機名古屋製作所争議(臨時工の闘い、日雇い制度を廃止させる本工化の勝利)
1934年(東北大凶作、野呂栄太郎獄死、思想検事設置、陸軍省パンフレット発行)
・社会大衆党の麻生久「陸軍パンフレット」支持の表明
・松谷与二郎らファシスト政党「勤労日本党」結成
・ファシスト労組日本主義労働組合「大日本労働組合協議会」(日本逓信同盟・大阪一般労働組合・関東新聞労働組合・中部労働聯盟等)結成。
・同上のファシスト労組、メーデー反対の日本労働祭第一回開催<皇道日本の建設を期す><赤色メーデーの粉砕>がスローガン
・アジア労働会議セイロンで開催(労資協調右派の労組)
・佐野・鍋山ら獄内・獄外で「一国社会主義グループ」を作る
(労働者の闘い)
・2月土肥金山ろう城モグラ戦術争議
・3月~日活系など21館の映画館争議関東・関西で頻発
・6月東京モスリン亀戸工場女工など1500名スト、解雇撤回の勝利。
・7月大阪機械製作所争議700余名が高野山にろう城、総同盟が支援しスト参加者全員解雇の敗北。
・9月東京市電争議全線スト、10月99名解雇でろう城スト。警視総監の強制の発動で終結。
・(この年末までに全協が壊滅させられる)
1935年(国会が「国体明徴」決議、天皇機関説事件)
・日本労働組合総連合、満州事変を支持、「日本主義的宣言・綱領」を発表
・新日本海員組合結成、国体の遵守をうたい極右団体や愛国労働団体と連携を強めた
・東電愛国同盟会結成
・豊川鉄道争議(警察の主導のもとで日本主義労働組合の組織化)に続いて、東三河地方にファシスト労働組合が相次いで結成
・官業労働総同盟、国家主義的新綱領
・愛国労働組合統一促進関東地方懇話会委員会開催
・全総結成(総同盟と全労などが労働戦線統一を目指したが、全評・東交など合法左翼は排除された右翼合同)
(労働者の闘い)
・1月全国水平社、陸軍中将差別糾弾闘争。
・2月東京モスリン金町工場669人、組合員解雇反対スト、勝利。
・7月臨時工制度撤廃闘争各軍需工場で昂揚(軍需工場昭和製作所の東京鉄工組合の指導で本工化実現)
・10月川崎汽船争議(30数隻が連帯スト)
・(この年小作争議数戦前最高6820余件)
1936年(2.26事件、メーデー禁止、日独防共協定)
・浅原健三、無産運動訣別文「無産運動ヲ去ル日」発行
・全総・全日本労働総同盟(総同盟と全国労働が合同)結成。「労働国策に関する決議」内務省に提出
・官業労働総同盟「国家主義的新綱領」の採択
・麻生久、人民戦線闘争を拒否
・愛国労働組合全国懇話会結成4万7千人結成(メーデー排撃、国体明徴、人民戦線排撃など)
(労働者の闘い)
・3月山花秀雄ら全評は「メーデー禁止反対闘争」を展開
・4月全評・東交ら合法左翼労組はメーデー挙行声明
・5月「労農無産協議会」実行委員会結成(全評ら合法左翼労組8組合、委員長加藤勘十)
・6月呉羽紡績1324人スト
・6月和泉紡績1157人スト
・8月社大党に門戸開放要求(全評・東交など合法左翼4組合が「反ファッショの戦線統一」のために参加要求したが社大党は拒絶。
・11月在華紡校抗日スト(上海32工場の大スト)
・12月米・GMの座り込みストが各地に波及
・(この年、戦前の組合数ピーク973組合42万人)
1937年(日中戦争勃発、日独伊三国防共協定締結、南京大虐殺、総同盟ストライキ絶滅宣言)
・合法左翼の全面崩壊、「産業報国運動」が一斉に生まれた。
・7月、盧溝橋で日本軍の中国全面侵略開始。
・10月、全総・総同盟「ストライキ絶滅宣言」と「戦争支持」決議。
「我等は今次事変中の労資紛争を挙げて平和と道義の手段に訴えて解決し、進んで全産業に亘り同盟罷業の絶滅を期す」と「聖戦に協力するためにストライキを絶滅させる」と宣言し、日本の軍国主義に全面的に加担した。こうして中国侵略戦争が進むにしたがって総同盟幹部はますます戦争政策に協力した。一方戦闘的左翼労働組合は次々に弾圧されて崩壊させられた。
・社大党戦時革新委員会設置と国民意識昂揚の新綱領採択(満州事変の支持。
・神戸市電従業員1,200人不当解雇に抗議スト、500人が淡路島にろう城闘争。しかし、社大党、日中戦争開戦を理由に争議打ち切り方針で争議の完全敗北。
・海員組合、日中戦争協力を指示。総連合も戦争協力声明。
・赤松克麿「日本革新党」結成し総選挙で代議士になり、国会内に「親軍派」を作る。
・愛国労働農民同志会、日中戦争で国民思想の総動員、応召家族の救援を組合員に指示。
・合法左翼の中心の「全評」、日中戦争勃発で賃上げ闘争を中止、<労資紛争の極小化を期す>の綱領採択と罷業絶滅を宣言
・鈴木文治、組合会議の遣米使節として「日支事変は赤化排日激化のためやむをえぬ聖戦」と全米各地で宣伝
・市川房枝「国民精神総動員中央聯盟調委員」となる。
(労働者の闘い)
・2月京成バス争議
・5月三菱名古屋航空機製作所争議
・5月持越金山争議
・7月愛知時計争議
・11月矢内原事件(キリスト者の東大教授、日本の帝国主義政策批判で辞職させられた)
・12月人民戦線事件(荒畑寒村・山川均・山花秀雄・島上善五郎・向坂逸郎、高野実など合法左翼の活動家446人治安維持法違反で一斉検挙)
1938年(国家総動員法成立 産業報国聯盟発足)
・麻生久、この頃から積極的に近衛に接近
・全総幹部33名、明治神宮に「皇軍の武運」を祈願
・全総「銃後3大運動」方針決定
・海員組合「日本主義」に綱領改訂、皇国海員同盟結成
・日本労働組合会議、産報運動への参加決定
・全国水平社「大アジア主義の国策にともない、人民戦線絶対反対」決定
・関東水平社解散宣言
・左翼転向者自発的に国民思想研究所創立
・市川房枝「国民精神総動員中央聯盟の非常時国民生活様式委員会委員」となる
1939年(第二次世界大戦勃発、ノモンハン事件、大学軍事教練必修化)
・労働総同盟分裂、脱退派「産報倶楽部」結成
・7月、産業報国会との統合に積極的だった中間派の全国労働組合同盟(全労)が分裂。全労は先に産業報国会に参加。
・総同盟「労働国策と総同盟」発行 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1441456/2
(労働者の闘い)
・1月山口県熊毛郡海軍工場朝鮮人労働者130人スト
・2月ヤマサ醤油106人争議
・2月山陽皮革会社304人スト
・5月山口県石田村道路工事現場朝鮮人労働者116人スト
・5月東洋鉄線工業朝鮮人労働者120人スト
・10月三菱鉱業手稲鉱山朝鮮人労働者293人スト
・11月同美唄鉱業所朝鮮人労働者150人スト
・11月夕張炭坑朝鮮人労働者238人スト
1940年(日独伊三国同盟締結、大政翼賛会結成、大日本産業報国会成立)
・赤松克麿ら国会内の「親軍派」、斎藤隆夫代議士のいわゆる「反軍演説」を問題化し斎藤代議士を除名にまでした。赤松は大政翼賛会の企画部長に就任
・麻生久、大政翼賛会に協力宣言。社大党解党
・東交・大交など労働組合の解散相次ぐ
・総同盟自発的解消を決議、産業報国会へ
・全国水平社解散・君民一体論の部落厚生皇民運動全国協議会準備会結成
・日本労働組合会議解散
・大日本農民組合解散
・社会大衆党解党
・政友会解党
(労働者の闘い)
・1月藤永田造船所4173人サボタージュ闘争
・1月愛知時計3千人スト
・1月浦賀造船所4320人スト
・2月三菱長船造船所など大企業で争議続発
・3月出版工クラブ偽装解散
1941年(予防拘禁、東条内閣成立、太平洋戦争勃発)
・ゾルゲ事件
(労働者の闘い)
この年の労働争議334件、17,285人。朝鮮人労働者の争議98件、5977人
・10月山口県厚東東川ダム工事現場の朝鮮人労働者330人待遇改善を求めてスト、16人検挙される
・10月播磨造船所徴用見習工90人スト
・12月山形県古河合名永松鉱業所朝鮮人労働者28人争議
・12月古河電工横浜電線製造所1400人サボタージュ闘争、警察介入
1942年(本土初空襲)
味噌醤油衣料品の配給制、ミッドウェー海戦の敗北、翼賛選挙、朝鮮語学会弾圧事件、・・戦争総力戦体制。
(労働者の闘い)
・9月古河電工日光電気精銅所争議1500人の署名、10数名検束
・日立製作所亀戸工場待遇改善サボタージュ闘争、警察厳しい取り調べ
・(この年、全国的に非組織的抵抗増加、欠勤、サボタージュ、逃走、集団暴行など)
1943年(ガダルカナル敗退、カイロ宣言)
・大日本労務報国会設立
・佐野学満期出獄して完全なる天皇主義者へ
・賀川豊彦、憲兵隊に逮捕された後、国際的平和団体である「国際戦争反対者同盟」から脱退
・賀川豊彦、讃美歌「大東亜共栄圏の歌」を寄稿
(労働者の闘い)
・2月日炭高松三次梅ノ木訓練所朝鮮人女子労働者97人ハンスト
・2月八幡製鉄所朝鮮人労働者479人監督と衝突
・3月阪神急行電鉄踏切警手74人待遇改善を求める行動で6名検束
・4月占部造船田熊船渠43人食事の不満で断食闘争、特高課の圧力
・4月山越工場122人スト、警察が旧労組員を訓戒
・4月日本精工大崎工場100人待遇改善を要求、関係者検挙
・5月三井神岡鉱業所朝鮮人労働者200人、殴打事件に怒り事務所に押しかける、10名検束。250人警察署に検束者の釈放を要求し全員検束
・7月第2陸軍造兵廠坂ノ市製造所の朝鮮人労働者43人国民貯蓄の緩和を求めスト、即日解決
・12月輪西製鉄所の四工場約670人が賃下げに抗議し、サボタージュ闘争とスト、解決。
1944年(疎開命令、サイパン全滅、東条内閣総辞職)
・1月横浜事件
・学徒動員の強化
・大日本言論報国会、ヒトラーに激励電報を送る
(労働者の闘い)
・2月八条島の海軍飛行場建設工事場で朝鮮人労働者数十人が、監督と衝突
・3月炭山勤労報国隊の就労期間の強制延長に怒り、不満・抵抗高まる(入坑拒否、サボタージュ、無断帰郷など)
・7月茂尻炭鉱朝鮮人労働者187人スト
・7月北海道厚岸郡太田村軍管採石場で朝鮮人労働者317人、帰国を要求
・7月佐野鉄工少年工26人、差別に怒りスト
・7月柳田シャツ女工5人、食事の改善要求し9日間のスト、警察の圧力で終了
・8月信達織布女工53人賃上スト、特高の命令で就業
・9月三井芦別鉱朝鮮人労働者数200人、同僚の北方軍要員としての派遣に同情してスト
・10月三菱美唄炭鉱朝鮮人労働者160人スト
・10月玉野造船所朝鮮人労働者数277人、同僚の釈放を要求しハンスト
・10月尾張時計航空機飯田工場の徴用工30人、待遇の劣悪に怒り無断帰郷をはかり、警察が介入
・(この年、労組ゼロ)
1945年(ヤルタ会談、米軍沖縄上陸、ドイツ降伏、ポツダム会談、広島・長崎に原爆投下、敗戦)
8月ポツダム宣言受諾、9月戦犯逮捕、10月政治犯釈放、治安維持法の廃止や特高など弾圧機構の廃止、教育の自由化、社会党・共産党の結成、11月財閥解体、12月婦人参政権・労働組合法公布、農地改革。
(労働者の闘い)
・6月花岡鉱山中国人労働者850人、日本人監督の暴行と空腹から一斉蜂起
・7月昭和鉱業所から4名の中国人労働者脱走。その内の一人劉さんは以後14年間山中を逃亡
・7月置戸鉱業所の中国人労働者、抗日反攻宣言
・8月15日三菱美唄炭鉱中国人労働者260人決起
・8月15日北海道歌志内井華鉱朝鮮人労働者600人、強制労働に反対し決起
・9月北海道赤平町日本油化工業中国人労働者578人決起
・9月住友歌志内鉱の朝鮮人労働者244人決起
・9月読売新聞労働者、正力松太郎社長などの戦争責任追及
・9月茂尻炭鉱朝鮮人労働者1100人決起
・9月三井・三菱美唄炭鉱中国人労働者800人、朝鮮人労働者1200人決起(中国人、朝鮮人労働者の決起は11月末までに全国で31件にのぼる)
・9月高野実、山花秀雄らは松岡駒吉に「巨象のような大統一労働同盟」構想を提案
・10月全日本海員組合結成(戦後初の全国組織)
・10月夕張炭鉱に朝鮮人労働組合結成
・10月夕張炭鉱労働者賃上要求でスト、勝利
・10月朝日新聞従業員集会で「組合結成、社長ら幹部の退陣」を決議
・10月警察病院(東京)で看護師130人決起。戦後初の女性組合結成
・10月~読売新聞第一次争議
・10月政治犯釈放、自由戦士出獄歓迎人民大会
・10月全国労働組合組織懇談会(高野・松岡)
・10月日本鋼管鶴見造船所争議
・11月北海道鉱山労働組合連合会結成(21組合約5万人)
・11月毎日新聞東京従業員大会「現重役は再選されてはならない」決議
・11月三菱大夕張炭鉱労組争議
・11月国鉄従業員組合準備会結成
・11月東京交通労働組合再建大会
・11月東京都従業員組合結成
・11月石井鉄工所蒲田で組合結成
・11月国鉄大宮・郡山争議
・11月亀有に「東部労働組合促進会」結成。元評議会・全協ら左派
・11月交通労働組合全国懇談会開催
・12月全日本教員組合(全教)、日本教育者組合(日教)結成
・12月阪神電鉄労組結成
・12月総同盟三菱第一支部結成
・12月京成電鉄労組結成、争議業務管理闘争~12月22日まで
・12月足尾銅山労働組合同盟会結成
・12月凸版印刷組合結成、スト
・12月米軍荷役作業、芝浦自由労組結成
・12月東京急行従組結成(東横・小田急・京王・玉川・帝都・京浜)
・12月東芝第一次争議
・12月日立精機従業員組合結成
・12月九州地方鉱山労働者組合結成
・12月全逓信従業員組合結成
・12月日赤中央病院医局員・看護師ら労働者は旧軍人の居座りに反対し組合を結成
・12月日本鋼管鶴見製鉄所労働組合結成~生産管理闘争、デモ
・(この年、労組結成509、38万677人、争議件数37、11,095人)