るるの日記

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観測精神

2020-10-07 10:34:59 | 日記
呉の測候所は海軍用の観測所であり、中央気象台の組織とは関係がなかった。民間への天気予報とは関係のない測候所であり、敗戦後は閉鎖の運命にあった。

にもかかわらず、台風の中に欠測なく観測記録を取り続けた四人の測候所員がいた。木村芳晴(30歳)の技手。伊藤、川村、新田という若い技生だ

木村技手は呉鎮守府軍属の測候技手だったが、中央気象台測候技術官養成所に委託学生として派遣され、そこで半年間学んだ経験を持っていた。

養成所では「欠測してはならない」という観測精神をたたきこまれていた。木村技手は、日々観測を守り続けていた

こうして枕崎台風の際に呉市に大災害をもたらした豪雨データ(9月17日午後6時から10時までの4時間に113.3ミリという呉測候所開設以来の記録的豪雨だった)が残され、この地方の豪雨災害研究の貴重な資料となった

その後呉鎮守府測候所は、昭和21年4月広島管区気象台呉臨時出張所となり、昭和24年には呉測候所となった


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