るるの日記

なんでも書きます

日本風俗史 「洗濯」水辺からドライクリーニングまで

2022-09-20 10:04:04 | 日記
■初期の洗濯
古代人は水辺で沐浴し、衣類を洗って、宗教行事に参加した。衣類の清浄は信仰と一致した

■洗剤
はじめは水だけ
しだいに汚れを落とす効果のある
※灰汁
※サイカチ、
※ムクロジなど果皮の煎汁
※米糠
※米の磨ぎ汁
などが用いられた

■石鹸は16世紀半ばに伝来
はじめは医療用に使われた
やがて洗濯業者の間に、汚点抜き用秘薬として用いられた
明治10年以降、石鹸が洗剤として一般に使用されるようになった

■洗濯法
古くは水辺で叩き洗い、足踏み洗い
平安期には井戸端で洗うようになり、タライが出現してからはタライにしゃがみこんで手揉み洗いをするようになった

■アイロン
布を板に張ってシワをのばした
鎌倉期の終わり頃には伸子張という、布を張る道具ができた
江戸時代中期には、長崎にアイロン仕上げ法がはじまり、明治に洗濯業者に浸透した

■洗濯機
大正に入ると、手回しの洗濯・脱水機が業者で使用されるようになり、固形石鹸から粉末石鹸への使用が増加した
昭和30年、電気洗濯機が家庭の必需品となり、合成洗剤の生産もされた

■ドライクリーニング
日本では明治39年、白洋舍によって開発され、今日の基礎が築かれた

日本風俗史 「髪油と洗髪」

2022-09-20 09:37:17 | 日記
髪を洗うことについては、古代から記録がある
宮廷では、沐槽(かしらあらいのふね)が設置され、洗料として米の磨ぎ汁、洗い粉として小豆を使う
髪油にも米の磨ぎ汁が使われた

鎌倉時代から髪油はビナンカズラの粘液が使われ、それは水溶性なので、ムクロジュやサイカチでも手軽に洗えた

室町時代から江戸時代になると、菜種、ゴマ、椿、クルミなどの油を髪油とした
しだいに油量が増えたので、洗料として、うどん粉、ふのり、粘土、滑石、緑豆、油粕、卵の白身などが使われた

髷を固め光沢を出すために瓶付け油として、松脂、菜種油を練り上げたものを多量に使いだしたので、洗髪には火山灰や灰汁を必要とした

女子の長い髪の洗髪には苦労した。まず天候を見定め、洗髪料の調整にかかるので、1日がかりの仕事で、年に何回という洗髪だった

明治時代になって整髪料はポマードやチックとなり、洗髪には石鹸と白土ソーダ灰なを配合したものを使った
シャンプーというようになったのは、昭和7年頃である

昭和30年頃からは、中性または弱酸性の高級アルコールと、非イオン活性剤が主成分のシャンプーが発売された

日本風俗史 「憑物」

2022-09-20 08:54:51 | 日記
■憑物
神以外のもので、人に憑依する霊物
人の死霊
人の生霊
天狗
トウビョウ
外道
外法
護法
精霊

何の予兆もなく人に憑いたり
他の人間に使役されて第三者に憑く
それら霊物が憑いたときは、その人は人間以上の能力を得て、何らかの利益を受けることもあるが、多くは逆に種々の病にかかり、奇行を演じ非常な災厄に陥ることが多い

憑物を落とすには、修験者など特定の術道者の呪法にたよるしかないが、ひとたび憑いた憑物は容易にその人を離れず、子々孫々にわたってその系統(筋)をひき、「物持筋」として永く存続する

物持筋は全国各地に見、今日にいたるまで完全に消滅することなく、時に悲惨な社会問題を起こしている
因伯雲地方→人狐
信州から関東にかけ→管狐
阿波・土佐地方→犬神


日本風俗史 「意気」

2022-09-20 08:08:07 | 日記
■意気
粋(すい)も同類で、この文字を「いき」と呼ぶことも

すっきりして、垢抜けしている心、動作、姿形、またその人
通で、雅で、当世風で、張りを持ち、気取らず、世間の裏表をよく知っていて、何事も執着しない

意気を競う伊達(だて)にかわって、江戸時代後期の都市生活美意識からの評価

意気の反対を野暮
武士も野暮と見られるのを嫌った
男ばかりでなく、女にも求められた美意識であり、女では意気に張りが加味されると、侠(きゃん)といわれ、その姿形は「小股の切れ上がった」と言われる

幕末近くは、くずれたが、近代に入っても下町や花柳界、芸能界に残存し、引き継がれ、山手の屋敷、文化住宅と対立するものとして認識されるようになった