■慈円は人間の怨念を熟知している加持祈祷僧で、武家の暴力に対し、呪いの装置で対抗する坊主たちの統領であった
■慈円は天台宗比叡山に伝わる密教秘法の忠実な継承者だった。加持祈祷によって天皇の護持僧になり、国家鎮護、怨敵調伏に超能力をふるっている
幕府を調伏する秘法を使い、非暴力による倒幕計画をたてていたり、また、逆賊の武将や軍兵の亡魂に働きかけ、その成仏をうながす祈祷にも参じている
■身に武器を帯びず、一人の軍兵も使わず、暴力集団の心肝を震えあがらせる密教の術に習熟していた
そもそも天台比叡山の存在理由は、そのような技術を欠いてはありえなかった
慈円は道理と不道理の両刀使い。呪い殺しの術と、慰撫鎮魂の法を心得ていたし、言霊の威力に信をおく歌人だった
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