るるの日記

なんでも書きます

古事記 元明天皇と古事記の完成

2020-11-21 05:04:11 | 日記
伏しておもふに、皇帝陛下、一を得て光宅し、三に通じて亭育したまふ。紫宸(ししん)に御して徳は馬の蹄の極まる所におよび、玄こに坐して化は船の頭のおよぶ所を照したまふ。日浮かびてひかりを重ね、雲散りてけぶりに非(あら)ず。えだを連ね穂を井(あは)す瑞(しるし)史書(ふみひとしる)すことを絶たたず、烽(とぶひ)を列(つら)ね重ねる貢、府空しき月無し。名は文命よりも高く、徳は天乙(てんいつ)にも冠(まさ)りたりといひつべし。

【謹んで思いますに、今上陛下は天子としての徳を備えておられて、その徳光は天下に満ちわたり、三才に通じられて、人民を慈しみなさいます。皇居におられましても、徳は馬の蹄の走りとどまる地の果てまで及び、また船のへさきの漕ぎとどまる海原の果てまで照らしていらっしゃいます。

瑞祥が現れて、日の光は重なるようにして空に輝き、慶雲は空にたなびいていて、煙でも普通の雲のようでもありません。さらに連理の枝や一茎に多くの穂をつけた稲など瑞祥の数々が現れ史官は記録する筆を休める暇もないほどです。

一方貢使いの到着を知らせる烽火が次々にあげられ、幾度か通訳を重ねるほど遠い外国から献上された貢物は、宮廷の倉に溢れて空になる月はありません。お名前の尊さは夏の禹王よりも高く、徳の高いことは殷の湯王より優れておられます】

★皇帝陛下
元明天皇

★一
天子としての徳

★三
天・地・人

★紫辰
北極星の場所
皇居のこと

★徳は~照したまふ
延喜式祝辞によることば

★玄こ
中国の皇帝がいた石室の名
皇居のたとえ

★日浮かびて光を重ね
太陽の輝きが空に重なるように見えることで瑞祥の一。重光
瑞祥はめでたいことの前兆


★雲散りてけぶりに非ず
雲がまるで煙りのようにたなびくことで、瑞祥の一

★枝を連ね穂をあはす瑞(しるし)
別の枝がくっついて一つになったもの。連理の枝
一本の茎に穂がたくさんついた穀物を嘉禾(かか)という

★史(ふみひと)
史官
天子の言行を記録したり公文書を作る役人







最新の画像もっと見る

コメントを投稿