其の神の髪をとりて、其の室の【橡】毎(たりきごと)に結ひつけて、【五百引(いほびき)の石(いわ)】を其の室の戸に取り塞(さ)へて、其の妻須世理毘売を負ひて、即ち其の大神の【生大刀(いくたち)と生弓矢】と、及(また)其の【天の沼琴(ぬごと)】を取り持ちて逃げ出ます時、其の天の沼琴樹にふれて、地(つち)動(とよ)み鳴りき
★橡(たきり)
たるき
棟から軒にわたした木材
★五百引(いほひき)の石(いわ)
五百人もかかって引く程の大きな岩石
★生大刀・生弓矢
いく→生命、生成
この大刀と弓矢は武力(政治的支配力)を象徴した呪器
★天の沼琴(ぬごと)
ぬ→玉
聖なる玉をちりばめた琴
宗教的権威を象徴した呪器
以上三つの呪器は宮廷の三種の神器に匹敵する
■大穴牟遅神は、須佐之男命の髪を室屋の垂木ごとに結びつけ、大きな岩石で室屋の入口をふさいで、妻の須世理毘売を背負い、その神の生大刀と生弓矢、天の沼琴を持って逃げ出そうとした時、天の沼琴が木に触れて大地が鳴動した
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