高速を流れるサイレンが
何分も響いてる
静かなまだまだ寒い朝
いつもの時間でも
寝起きの鼓動でも
はやくなるのが分かる
離れている人を思う
元気かな
ご飯食べてるかな
顔を合わせれば
言わないセリフも
心の中ではいっぱいになる
誰かのために誰かが急ぐ
誰かのことを誰かが思う
ありふれた感情の響きが
どうか届きますように
この世界に
主人公しかないのなら
精一杯に演じよう
太陽が笑い雲が泣いても
大空はそこにある
私が笑い涙しても
心はここにある
誰も知らない自分だけの心
誰も決められないひとりの心
話し相手がいないとき
つなぐ手と手が見つからないとき
誰かの影が日差しをおおい
背中のあたたかさが身にしみる
涙の時まで気づかなくても
もうひとつの主人公が
寄り添い支えて人生になる
考えなかったわけではなく
考えてもわからなかった
答えはひとつじゃないからと
決めることをためらった
これにしたらあれが気になる
もしかしたらの誘惑に負ける
時間は確実に過ぎていき
結果は確実に遠のいていく
直感が焦りを追い越して
後悔が足を引っ張るけど
今は今しかないから
さっきを捨てて今を取る
次の一歩を決めるため大地に立つ
風に向かうか押されるか
見通しの良い道か藪の中か
晴れた空はいつまで続く
必ず夜はやってくる
がんこな風見鶏が方位磁石に問う
変わらず北を指すことの意味
どうしようもない風の力と
定まらない前進の意味
どうせなら
明日の天気も晴れやかに
そのままの気分で
いちにちが始まることを願う
あれこれと
考えが膨らみ枝分かれ
思いがけない結末に
最初の悩みも尻切れトンボ
ひとりで背負う闇の暗さも
スポットライトじゃ眩しすぎる
影に立つ自分を映し出され
まわりは何も見えやしない
だから明るい朝を望む
何も決まっていなくても
行き先が分からないとしても
360度見渡せるスタート地点