自分だけが知っているひとりと
他の人が知っている自分
嘘と本当を分ける手立ては無く
曖昧な判断がその時を決める
時にはヒロインのごとく
文章で書き残したとしても
女神の領域だったりするし
時には捨て去りたい
邪悪な影を背負う日もある
自分だけが知っているひとりと
他の人が知っている自分
嘘と本当を分ける手立ては無く
曖昧な判断がその時を決める
時にはヒロインのごとく
文章で書き残したとしても
女神の領域だったりするし
時には捨て去りたい
邪悪な影を背負う日もある
暑くない日は力仕事をする
モデルルームを頭に置いて
快適な空間を望みながら
移動は片付けにならないと
潔い断捨離を夢見たのに
宝箱を開けたかのような
思い出の中の自分と出会う
進まない捨てられない
一回り小さな宝箱が出来あがり
一応の満足でふたを閉めた
遠い昔の恋文のように
このきれいな景色を一緒に見たい
美味しいものを並んで食べたい
月の光より輝くその笑顔を見つめ
なんて
映画のセリフでしか聞けないような
小説の一場面を描く春の去り際
目の前に並べられた淡色の写真が
苦い涙を全部溶かして
深い心の悲しみに静かに届いた
ぶっつけ本番アドリブだけの場面は
本音だらけだろうか
上手く言葉にならない
途切れ途切れの寄せ集めだろうか
相手によって変わる
場所も時間もその時の体調さえ
微妙な違いを隠し持つ
見分けることも見極めることも
自分だけの不確かな選択が続く
一瞬にして成るもの
コツコツ積み上げて
痛みも辛さも経験して
それでも立ち上がり掴み取る
そんな物語を書き上げたくて
壮大とは言えない小さな人生を過ごす
平坦なだらだら坂にも
花は咲き木陰は揺らぎ
つまずく石も転がる
坂の上に広がる風景の中に
羽ばたきの姿が一瞬を成す