心の空を冷静な水色で染めようとした
冷たい灰色が地上まで降りてきて
白い息が目の前をぼやけさせる
今やらなければいけないのに
不満のため息が余計なことを考える
過行く時間に任せても
雲も形を見せない
太陽も光を見せない
薄暗い部屋の中で無音の時が過ぎる
無駄も無意味も無情も混ぜて
濾過することなく
沈殿を待つこともなく
縮こまった心にハァーッと息をかける
あきらめる前に猛ダッシュした
弱気な判断が辿りついてしまう前に
優柔不断な威嚇者が道を変える
弱虫と指をさされても
臆病と笑われても
他人は他人自分は自分
それぞれの押し付けに
価値観の違いが笑う
個性の平等は探せない
はみ出す痛みも隠せない
トゲトゲでデコボコな世界も
真ん丸な星の上で
どこまでも太陽の光は届く
見慣れない
落ち着かない
毎日普通だと思っていても
毎日違う何かがあって
望む望まないは関係なく
そのまま突っ込むしかない時もある
浸ってみれば温泉のサルのごとく
たとえ熱めの温度でも顔に雪がかかっても
慣れてくれば居心地もよく
湯気に隠れた呆けた顔もいとおかし
たとえ言葉にしても通じない時は通じない
ましてや裏側などチラとも見えるはずもない
願いが強いと言うよりも
思い込みの押し付けが言葉になった
沈黙の間の思考回路がショートする
何が言いたかったのか
主語述語接続詞まで吟味して
丁寧すぎる主従関係まで呼び出した
本音を飾りすぎて見えなくなった
開きすぎた瞳を涙が覆う前に
せめてあと一言 言わなくては
色褪せたのは夕陽が見ていた思い出の写真
変わらぬ場所でいつも笑っているから
冬の陽射しに照らされるまで気付かなかった
セピア色が年月の贈り物だとしても
心に映る色は変わらないはずだったから
いつの間にかくすんだカーテンが
風も無いのに揺れたような
虚しくて切ない語りかけが聴こえた