何かと先行きの見えないこの世の中、
時代は何やら大きな変革期を
迎えているようで、そこはかとない、
あるいは身に迫る不安感を感じている方も
多くいらっしゃいます。
私自身、子供の頃から結構な恐がりで、
石橋を叩いても渡らないようなところが
ありました。
とにかく、一人で何かしたり、
どこかに行かなければいけないというのを
異様に恐がり、緊張する子供でした。
母は私が子供の頃はよく、
怒るとこの家から出て行け!と
言うことがあって、
そう言われると、
子供の自分はこの社会でどう生きたら
良いのだろう?と、どこにも
自分の居場所がなく、
助けてもらえることも無い気がして、
だから何があっても、我慢して
この家に居させてもらわなければ
いけないのだと思っていました。
この世界のすべてから拒絶されたような
取り付く島もないような恐怖感と閉塞感、
ものすごい不安感と絶望感がありました。
思い返せばその感覚は、
成人してからも結構残っていたようで、
この社会にうまく適応できないことに
苦しむ中で、しばしば湧き上がってきました。
それから紆余曲折あって
アラフィフのこの年まで生きてくると、
随分図々しくなって、かつてほどの
恐怖感はなくなった、と思っていましたが、
どこかでまだそれは脈々と命脈を保って
生き続けていたようです。
ふとしたときに、ひょっこり
あの馴染み深い感覚が浮上するんですね。
その恐怖感、不安感などを掘り下げていくと、
結局私が恐れているのは、状況にうまく
対処できずに途方に暮れることに
怯えているので、
自分で対処できるのなら、
そんなにも恐がっていないのでした。
この世界から切り離された異物感、
拠り所のない不安定さも
すごく嫌でしたが、
それもさらに掘り下げて行けば、
切り離されているのは、
この世界とともに呼吸できてないからだ、
と思い至りました。
恐怖のあまり、固まって
ロクに深い呼吸ができていなかったのです。
だから、いつものワークの時のように、
ちゃんとこの世界に居て、
この世界とともに深く呼吸をしてみると、
少なくとも、あの分離感はやわらいで、
この世界に接地できるようになりました。
それでもまた、胸の辺りに
ものすごい恐怖感は残っていたので、
今度はじっくりそれを受け止めてみました。
この恐怖は、どの時代の、誰の恐怖なんだろう。
そんなことを思いながら、その恐怖の質感を
じっくりと自分のこの体で味わいつつ、
心の中で、湧き上がる叫びを表現していました。
表現できるといくらかガス抜きができるので、
恐怖のエネルギーは多少落ち着いてきます。
そうして、
さらにその恐怖をじっと感じていく中で、
何やら別の人生のときのものらしい、
かなりグロめなストーリーが
おぼろげながら浮かんできました。
確かにこれが本当なら、
この世界で生きることが恐くなってしまうな、
と思うようなストーリーでしたが、
きっと当時は、あまりのショックで
刻まれたものがそのまま固まって
しまったのでしょう。
そういう状態も、きちんと向き合って
適切に対処すれば、癒していけます。
けれども
今回出てきたものはやや根が深そうなので、
ぼちぼち分割で取り組んでいこうと思います。
未完了の感情のカケラ君たちは、
いつも私の頭では想像もしないような
秘密を明かしてくれるものです。
単に恐い、というだけではない、
自分の魂の歴史にとって、
すごく大事な何かを差し出してきます。
よくよく、心して取り組んでいく
ことにします。
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