一膳めし 黒ねこ亭

酒市魚行是梵宮
食べることは生きること
日々の拙い食記録

『漁火』ふぐ・割烹/ 世田谷区船橋 2014/10

2015-03-17 23:29:02 | 探査レポート
今回は世田谷区船橋にあります、ふぐ・割烹の店『漁火』へ。

前回来店した際、店のご主人から十月下旬に『多摩自慢』のあらばしり酒が入荷すると聞いておりましたので、それにあわせて、またお邪魔をしようと決めていました。
頃をみて電話で確認すると、入荷しているとのことだったので、早速出掛けました。



お通しの鯵南蛮漬けは、しっかりした旨みとほどよい酸味があり、おおいに食欲が刺激されました。
続いて生牡蠣をいただきました。




生牡蠣
レモンを滴らせて、透明感がありながら、まろやかな味わいを楽しみました。
そして、楽しみにしていたあらばしり酒をいただきます。



東京『多摩自慢』純米原酒 あらばしり生酒

搾りたてならではのフルーティな香りと、あらばしりらしくない、やわらかい口あたり。しかし後味はやはり力強くキレがあります。
加水してないためアルコール度数は17~18%と強いですが、飲み口が良いためスイスイ飲めてしまい、危険です(笑)




ふぐ刺し
ぷりいっと引き締まった食感、飴色の照り、噛み締めるほどに味蕾を愛撫していく玄妙な旨み・・・。
やはりフグは寒の口福の極致。
それも自家製のぽん酢がフグの味を引き立ててくれているからこそ。




ふぐちり
実は屈狸、人生初のふぐちりだったので、大将に丁寧に教えていただきながらいただきました。
アラの部位から骨付きの身を先に鍋に入れ、茹ですぎないように引き上げ、ぽん酢でいただく。
野菜も適宜投入。
あらばしり生酒とふぐちりのマリアージュに、もう夢中。
そしてフグの旨味が溢れる汁での雑炊。
これが旨いことおびただしい。
絶品と呼ぶに値するものでした。


『河豚は食いたし 命は惜しし』

こんなエピソードがあります。
河豚は毒があるのに命がけでフグを食う物好きを、かの松尾芭蕉は「ふぐ汁や鯛もあるのに無分別」と笑った。
しかし、当の本人が一度フグの味を知るや、「ふぐ汁や阿呆になりとなればなれ」と詠ったという。
つまり、それほどにフグはうまいということなのでしょう。
事実、今回フグを堪能し、その味わい深さに驚きました。


しかし、ご主人曰く「白子の旨さはまた別格」とのこと。
次回は是非、フグの白子を味わいにお邪魔したいと思います。

白子は出始めの12月~1月は高いので、3月位が狙い目と大将に教えていただきました。

またそのころを楽しみにお邪魔したいと思います。


実においしかった。そして今回もとても佳い勉強が出来ました。
ご馳走さまでした。



ふぐ・割烹 『漁火』
東京都世田谷区船橋6-3-1
17:30~23:30
月曜定休(フグシーズンオフの5月~9月は月~水曜連休)