棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

母系制度がのこるミナンカバブ族

2008-04-19 17:37:13 | 海外紀行文
標高930メートル前後に位置するブキテンンギは、インドネシアの政治・経済・文化などに昔から影響力を持ってきたミナンカバブ族の故郷だ。
最高峰2891メートルのメラピ山のほか二つの高山がある。
いずれも活火山で、長い裾野は樹林帯が濃く、まるで軽井沢のようなところ。

ブキティンギとは「高い丘」と言う意味で、要塞のあった所は動物園・博物館があり、ゴミの一つもおちていない。
岡には市井のざわめきが立ち上ってくるが、たの所のような雑然とした喧騒はない。
コンクリート造りの商店街・トタン葺きの民家、そして伝統民族家屋が濃い樹木の中に見える。
斜面に雛壇のように建てられているので、庶民の暮らしぶりが覗き見できるほどだ。

高級ホテルからバンガロー・安宿ロスメン、いずれも清潔で、ミナンガバウ族の品位ある民族性と関係あることを知らされた。

ミナンカバブ族は、今日数少ない母系制度を色濃く残している部族です。
市場などは圧倒的に女性たちで、恰幅のいい奥様風は、日傘の下で道端に座り込んでいる売り子のおばさんには見えない。
ともかく清潔観はぴかいちで、老いも若きも毅然とした美しさがある人々です。

ショッピングセンターで目を引くのが、結婚衣裳店であった。
花嫁の金銀細工の冠は豪華なもの、値段を聞くのを忘れてしまった。
衣装は絹に花柄の刺繍がなされほしくなったが、とても買える値段でない。
「花婿の衣装は」の問いに、「ああ、こんなもんよ」とばかり、白地に刺繍が施されたシャッツがポイッ!とだされた。
「えらい差があるジャン!」の私のボディーランゲージに、大笑い。
絹織物・金銀細工などでも有名なブキティンギである。
結婚式で観た女性の正装。伝統家屋のすばらしい外壁の模様

桜の森の満開の下

2008-04-19 17:20:22 | 創作活動
アトリエからは、内も外もサクラ(賢犬の名前)・桜

この時期になりますと毎年のように「桜の絵」に挑戦しています。
冬眠していた制作欲が、桜の開花とともに、体内から燃え上がってきます。
毎年違った感性と意図での製作は「桜の花」にたくした、私の小宇宙表現です。
桜の花木は風景としてではなく、私の心象なのです。

桜は本当に不思議な花木で、古木・若木。見る時期、時間。晴れ曇り。
これほど千差万別に観えるのは、花木の大きさや、白系のため様々な光を反映するからでしょう。

初々しい乙女が一変し、妖艶な女になったり。気品の在る老女のごとくあったり。
まるで幼稚園のごとくざわめいたかと思うと、能舞台の、凝縮された静と動を感じさせたり。

スケッチに出かけ、今まで気がつかなかった夕刻、池に写る逆光の桜に、冬眠の間沸々としたものが、湧き上がってきました。
今年もようやく筆をとりはじめましたが、今までとは違って、桜の木の存在感よりも、光の中に溶けていきそうな夕刻の風情をベースにした、色に訴えないものにしたいと思っています。
これから幾日かかることなのでしょう。
製作過程のなかから、次第に作意がねられていくのです。

坂口安吾の「桜の森の満開の下」 
最後に男が妖艶な桜に飲み込まれ、溶けていくが、男は至福の世界にいざなわれて行く。
そんな、すごい桜が描きたいですねー。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本