私がまだ小学生だった頃、
毎年十五夜の日に、風習と言うのか、まつりごとと言うのか、ちょっと変ったイベントがあった、
近所の小学生全員が夜に集まり、藁を縄で束ね棒状にした物で
近所の家一軒一軒の庭を叩いて回るのだ、
子沢山の田舎なので子供たちは15人くらいいたような気がする、
よくは思い出せないが、「三角蕎麦・・・庭を叩いて・・・」なんとかとか歌いながら叩いたような記憶がある、
低学年の子達は褒めてもらえるのが嬉しくて、思い切り叩くのもだから最後の頃には藁がボロボロで、
一方上級生は恥ずかしさが出てきれいなままだった。
各家での一通りの叩きが終わると、楽しみが待っていた、
お菓子やら食べ物(たぶん団子だったんだろう)などが振る舞われるのだ、
「去年はあの家であんなお菓子出してくれたんだよね、今年も出るかな?」
などとみんなでワクワクしたものだった、
中には何も用意できなかったからと、現金を渡す家もあったりし、そうなると現金は高学年の間で分けられるのだ、
まだ1~2年生のころはお菓子がもらえるのが嬉しく思ってたが、
3~4年生くらい多少の知恵がついてくると、上級生が「ずるい!」思うようになり、
早く高学年になりたいと思ったものだった、
そんな風習も今ではなくなってしまったようだ、
かれこれ50年近く前の話、
今日の満月を見てるとそんな平和な昭和を懐かしく思った夜でした