むらやわたる57さい

千文字小説の未来について

超IQ研究所クラスター⑦

2019-07-03 09:19:39 | 小説
 この小説は127角形の人工知能で合成してつくられている。タイトルは産婦人科病院。

 昭和七年九月未明。長春で産婦人科病院の院長が鼻と口に小麦粉を詰めて、死んでいる事件が起きた。外傷は、なくて窒息死のようだが、不審な点がいくつかある。公安(中国の警察)が奥さんから事情を聞くと、「白衣ににおいがつきやすいので、洗う前に主人が小麦粉を吹きかけてましたけど」と言う。現場には小麦粉の入った桶と小麦粉が、ついている白衣がいくつかあって香水の、原料のできそこないみたいで、人間の絆や関係を立証するにおいがただよっている。明白に、小麦粉の桶に、誰かの手によって、顔を押しつけられているのだが奥さんは事故死として通報してきた。五〇代後半の院長と、一〇歳以上年下の、奥さんとの間にどんな動機があるかは、これから捜査することだが公安はにおいにたまりかねて犯人当てゲームを、すぐ終わらせる方法を選ぶ。公安が小学生の息子(被害者幽霊を小学生に変換して対話する特殊能力がある)に聞くと、「母さんは若いおじさんとデートしてたよ」と言う。公安は「金貨の負荷がないすがすがしい事件だな」と思いながら密葬を、終わらせた奥さんを張り込む。事件のことは忘れて全能力をかたむけて、秋の風景描写をやりたい気ぶんだ。軍用自動車で走っていた日本兵と目が合ったけど笑みを少し浮かべて、同じことを考えているようにも見えた。しばらくして奥さんは二〇代の男と交際していたことが判明する。公安はその男から事情を聞く。男はファッションデザイナーだったが、仕ごとがなくて奥さんに無心していたようだ。公安が男の靴を確認して「現場におまえの足あとがあったよ」と言ったら、男は日本軍の保険金(保険事業をやっていたと思われる)目当てで「奥さんと共謀して院長の顔を、小麦粉の桶に押しつけて殺した」と白状する。日本軍の保険事業は、進軍してきてからの、紳士的なふるまいの第一歩だったが、流行の最先端に通じる物が、あったのだろう。公安は男を逮捕した。奥さんとどうして、知り合ったか聞くと、男は「婦人服は出産した直後によく売れるので、最初は奥さんに紹介料を渡してたが・・」と言う。男は「金貨でおつりが出ない服」のデザインが本業で、負荷がある金貨を処理する専門家のような存在だったけど奥さんと出会ってからは、小説家になることが、夢になったらしい。金貨と引き換えに、原価が安い服を売りつけることに、嫌気がさしたのだろう。公安が男にどんな小説を書いているのか聞くと、男は「文字が読めるだけで崇高な気ぶんになる小説を書いてる」と言った。