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平成から令和へ

2019-04-30 16:54:52 | 日記
まもなく平成の時代が終わる。振り返れば平成の30年は日本が戦争をしない希有な時の流れの中にあった。ここが激動の明治、大正、昭和とは大きく違うところだが、願わくば新しい令和の時代にあっても、戦争をしないというこの流れが継承されることを切に願う。

そして日本が戦争状態にならなかった最大の要因は、戦争の放棄を明記した日本国憲法の存在によるところが大きい。これを絵に描いた餅のような理想主義だと揶揄するのは簡単だが、理想を掲げることは断じて大罪などではない。ましてや、第二次世界大戦の被曝国であり、明治維新以降ファシズムを国家的に体現し対外侵略を推進した日本にはこの理想は必要不可欠であろう。もちろん一足飛びに最善の理想状態に到達することは無理でも、理想を持つからこそ次善の一歩に踏み出せるわけだ。

この元号が変わる機会に、若者は今一度、日本国憲法における国際平和主義や、基本的人権の尊重といった理念を再認識すると宜しい。日本は民主主義の法治国家であるが、法が無視され放題の過酷な未来を危惧する向きもある。やはり一寸先は闇だからだ。しかし、地球規模で黒雲が広がるようにして膨張する極端な格差の波は、ある方程式のような形をも生み出しつつある。国家が汚職や重税といった暴政で腐敗し、国内の貧困層が60パーセントを超える事態になったら、それは暴力が支配する恐怖社会が現出するということである。そのような事態になれば、国民は難民になって国外へ逃亡するしかない。日本はまだそのような危険水域ではないが、一億総中流という小市民的な幸福を殆どの人が享受できる時代ではなくなってしまった。つまりアジアの東の果てのこの島国に平安が訪れる保証はない。どうか来るべき令和の世に幸多からんことを。






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