木の葉
発端にまず現れる風転草
鬢かすめ飛び去る刻は蠅ならむ
うろこ雲かくした爪が毀れたり
たまさかの風が一刷毛甕の水
甕の水二つの貌が押し合へり
隠国に雲とる蜘蛛を養ひつ
開かれた図鑑の上の蝶の舞ひ
沖雲の落とす光に蝶もつれ
夜ふけて飛ぶものに満つ博物館
摘み終えて腰を伸ばせば五十年
おくびには獣答ふ闇の内
蒼肌に浪走らせて蛇となる
さすらふは閉所恐怖の蛇として
エクソダス逆さに昇る階段を
飛行場お化けとなって浮いている
英語では砂をかむ(bite the sand)なり上目して
野の坑を封じる背中流れ星
狐火の消えたる辺ににほひして
(鬢=びん、刷毛=はけ、甕=かめ、毀=こぼ、隠国=こもりく、答=いら、坑=あな、辺=なべ)
豈53号(2012)所収、一部改
発端にまず現れる風転草
鬢かすめ飛び去る刻は蠅ならむ
うろこ雲かくした爪が毀れたり
たまさかの風が一刷毛甕の水
甕の水二つの貌が押し合へり
隠国に雲とる蜘蛛を養ひつ
開かれた図鑑の上の蝶の舞ひ
沖雲の落とす光に蝶もつれ
夜ふけて飛ぶものに満つ博物館
摘み終えて腰を伸ばせば五十年
おくびには獣答ふ闇の内
蒼肌に浪走らせて蛇となる
さすらふは閉所恐怖の蛇として
エクソダス逆さに昇る階段を
飛行場お化けとなって浮いている
英語では砂をかむ(bite the sand)なり上目して
野の坑を封じる背中流れ星
狐火の消えたる辺ににほひして
(鬢=びん、刷毛=はけ、甕=かめ、毀=こぼ、隠国=こもりく、答=いら、坑=あな、辺=なべ)
豈53号(2012)所収、一部改
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