土塊も襤褸も空へ昇り行く:北村虻曳

随想・定型短詩(短歌・俳句・川柳)・写真
2013/11/11開設

冬至の月下美人

2013-12-30 | 随想
冬至の月下美人
月下美人というサボテンをご存じだろうか。見栄えのしないひょろひょろした植物だが、1年に1度、しかも夏至の頃に花を咲かせる。開いた花は真っ白で、大柄で優雅、香りもとてもよい。花は元気よくやや上向きになる。しかし今晩か今晩かと待たせたあげく一晩咲いて終わりだ。そしてしおれて力なくうなだれる。その花は酢の物にして食べられるそうだが、何か身につまされて食べたくならない。月下美人という名前も酢の物にする気を起こさせない。
ところで、咲くのは標準、夏至の頃。Wikipedia によると11月まで咲くことはあるそうだ。しかし我が家では冬至に咲いたことがある。驚いたが、考えるとこれには論理的な説明がつく。その頃の我が家はマンション南面八階、夜間電力利用の温水器の放熱で、冬もストーブ、エアコンが無くてもすごせるほど暖かであった。そして南のベランダは幅があったので、夏は直射は少なく、冬至にもっとも部屋深く太陽が射し込むのであった。つまり冬至が夏至であるかのような日照となったのである。九月の十五夜に咲いたというブログもある。月下美人はおそらく光の強弱を関知して開花するのだろう、がよく考えると複雑そうである。

写真は http://kmsys-freesozai.seesaa.net/article/103005633.html からいただきました。

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