土塊も襤褸も空へ昇り行く:北村虻曳

随想・定型短詩(短歌・俳句・川柳)・写真
2013/11/11開設

影の風景 (十首)

2014-01-29 | 短詩

影の風景

マンホール暗きをのぞき流れゆく雲にふれるや顔うつ光


恐ろしい名前が街に降り立った身体をひねりチョキを出す


ちょっと飛びちょっと跳ねてはカンガルー私は何であろうかカンガルー


へなへなと家へなへなとそよいでるそこに住んでるたましいたちも


歩めども心を去らぬ謎ありておぼつかなきをキツネノカミソリ


道を無み藪分けゆけば宙を踏む刹那に見たり逆さの権現


曇り空見たるや否やわれ言えず脳裏に消えぬ黒き閃光


満月は高圧線の檻脱けて畠の上を昇りて行けり


早春の月中空に溶け残り網に着きたる羽毛吹かれる


人けなき夜更けの花は花に酔ひたゆたふ辺のさわめきやまず


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« タイガー立石賛 (20句) | トップ | 湖南の家 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿