Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

ウェイト・リリーフ

2013-03-05 17:19:10 | Column

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興味のない人には薄気味悪い絵だが好きな人には大変ショッキング。トラッドを重んじるギブソンレスポールフリークは目を疑う信じられない画像だ。美しいメープルを貼り合わせる前のマホガニー材だがこんな穴ぼこを開けていたとは。

昔からレスポールは重くへヴィーと言われていて70年代中期からの混沌とした時代のギブソンはさらに重く、石が入っているような5kg超えが一般的。そのような時期からギブソンや国産レスポールをいじっていたものだから軽量レスポールなんて偽物と思っていたこともありました。しかし、レスポール冬の時代の80年代から90年代にかけて様々なムック本がリリースされ知られざるヴィンテージ情報が蔓延。そんな中、リットーから発売された「ザ・ビューティーオブザバースト」にそれまでギター製作者や業界人でも知らなかった50年代のヴィンテージレスポールの重量まで明らかにされた。ジミーやジェフ、エリックたちが使っていたサンバーストはみな4kg前後だったことに驚きを隠せなかったフリークも多かったことでしょう。

そこで本家ギブソンはレスポールの一番質量の多いマホガニー部分を座具って軽くし、上からメープルをサンドしてどこからもわからない細工を施しリアルヴィンテージのように販売し、それを公表せずにいままでやってきたことに問題があります。一部の業界筋は知っていたなどという胡散臭い話も出てはいますが。

確かに上質の軽量マホガニーを使用したヒストリックコレクションにはこの穴ボコはないと信じたいが「音の違いは無い」とか「エアー感が増す」などという文句を平気でメーカーや代理店、小売店、webなどで言ってきたのが問題だ。楽器は音が良ければ全て良しというものではなくその仕様、作り方などに付加価値を見出すユーザーが特にレスポール好きには自分も含め多いはずです。

であれば正真正銘の穴ボコ無しのソリッドレスポールはヒストリックか少し前のモデルを探さなくてはならないのかという疑問が湧いてくる。ストラトと同じ重さのレスポールは絶対的な違和感があるが、このような何でもありを生みだしたのもヴィンテージ至上主義がもたらしたものかもしれません。本物のオリジナルバーストが国宝級になってしまった今、このようなワザとらしい差別化で中年世代にヒストリックを売るギブソンの商売の巧さが見えてきます。

こうなるとヒストリックは大丈夫なのかという疑いも。3kg中盤のレスポールは何か怪しいアメリカ合衆国の匂いが漂ってきます。

ウェイトリリーフっていったって穴ぼこだろう!

何でもヴィンテージ風がいいのか!でもいいんですよね。


楽器店受難

2013-02-22 12:39:15 | Column

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ギター好きには夢の空間が楽器店。そんな楽器店やメーカーの倒産が全国で止まらない。ネット通販や流通形態の変化もあるが楽器自体が売れないのがそもそもの原因でしょう。

楽器販売のピークは90年代中盤。2000年に入り地方の老舗楽器店や問屋が無くなり大都市、首都圏の一部しか機能しなくなりました。契約した小売店にしか卸さない大手メーカーもあって楽器は大都市か通販でしか購入できない状況に。エフェクターやアクセサリーなどは通販で十分ですが高額なギターはやはり手にとって感触を味わってから検討したいところ。楽器店で偶然出会って衝動的に男の60回ローンを組んでしまう事故が無くなったのが幸い。反面、事故に遭遇したい欲求もつのるばかり。

アーティストと楽器とサウンドを結び付けるイメージが希薄になり制作・記録媒体がハードディスクになってしまったら正確なピッチをキープできれば楽器は何でもいいという状況になってしまったのが原因かもしれません。材質や仕様が生みだすトーンの違いなんて弾く人間の自己満足なんていう寂しい意見もある。高性能のDAWで長い年月をかけて楽器と対話しなくても誰もが自称アーティストになってしまうから尚更です。

様式美を重んじる高齢ロックマニアは通販にシフトしていくのは自然の流れで、大物を入手しに行く場合は首都圏の老舗ショップに行くパターン。これだと地元の楽器店がなくなるのも時間の問題です。

なんともアンニュイな今日この頃。


正規輸入代理店?

2011-06-09 14:20:34 | Column

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昔は音楽雑誌の広告や楽器店で頂くカタログが楽器の唯一の情報源であった。最近だとインターネットの本国のサイトでサウンドサンプルやYou tubeまで張り付けてあり便利な世の中になったものである。世界各国のモノが通販で自由に手に入るようになったおかげで楽器店のレベルの差もひじょうに大きくなった。ギブソンが首都圏の一部の楽器店でしか入手できなくなった理由もなんとなく理解できる今日この頃。

日本には古くから問屋という世界的にも固有なセクションが独特な流通形体を作っている。それが隅々まで浸透し、演歌のカラオケテープ専門店でギターの弦やピックが買えたという素晴らしいネットワークを誇っていた。店員とのマニアな会話ができる小規模な専門店は無くなりスーパーの食品売り場的大型楽器店がスタンダードになっていった。売ってるものはどこでも同じ。匂いのするものは取り寄せというパターンだ。それならマニアなアイテムは自身で通販で購入する形にならざる負えない。一方ではビンテージ専門店という超マニア専門店も増えたが、地方だと中古屋とビンテージショップの境目が無いような店も多い。

そんな中、気になるアイテムが本国サイトにあり早速、日本の正規輸入代理店のサイトを覗いてみた。しかし、そのアイテムは掲載されてなく電話で問い合わせをしてみたらその対応に驚いた。「その商品は仕入していないから知りません」とのこと。確認後連絡するも無く「知りません」との一点張り。その商品は2011年のNAMMショウで大々的に紹介されたものでメジャーな老舗ブランドのアンプ。その輸入代理店も海外の有名ブランドを多数扱う大手代理店。そこで「輸入する予定がないので知りません」は無いだろう。こんな時代、楽器店経由で問い合わせろとでも言うのか不明だがその対応の悪さには驚いた。であればホームページに問い合わせ先をのせるのも変で景気が悪いのもわかるが、そのせいでその商品のイメージも悪くなる。総務担当者じゃなく担当者に回してもらってもその返答だもの。勉強不足というか大人のビジネストークが出来ないアルバイトなのか。

楽器リペアを専門にやっている職人にきいてもリペアの依頼は昔と変わらないとのこと。であれば正規の楽器店からの販売数、問屋の出荷数が減っているがネット販売、並行・個人輸入の数が増えていると考えられる。でもこの対応をしている段階だとジリ貧していくのも自然の流れかも。

しかし、この時代よく考えてみると正規輸入代理店って必要なのか?正規品でないと保証は効きませんなんていうのもおかしな話。並行輸入の業者ですら不良品は交換してくれる。オークションや個人売買で無い限り「保証」なんていう言葉で縛るなんてなんてレベルの低いものか。そして正規品は高い。その分コストがかかっているからというが、やることをやってからいってほしいものだ。しかし、中には素晴らしい代理店もあって問合せの返答が海外メーカーの情報等多方面にわたって逆に営業的でつい購入してしまった例もある。

インターネットの出現で楽器流通のパターンも変化し購買層の若者の人口減少、安い楽器で満足しマニアックオヤジはネットで通販と悪循環が続く。でも日本語カタログすら作らないで輸入代理店なんて名乗っちゃいけません。データをダウンロードしてPCで見たり自分で印刷するのもいいがやっぱりカタログは紙ベースじゃなきゃ。と思っている人は私だけ?