興味のない人には薄気味悪い絵だが好きな人には大変ショッキング。トラッドを重んじるギブソンレスポールフリークは目を疑う信じられない画像だ。美しいメープルを貼り合わせる前のマホガニー材だがこんな穴ぼこを開けていたとは。
昔からレスポールは重くへヴィーと言われていて70年代中期からの混沌とした時代のギブソンはさらに重く、石が入っているような5kg超えが一般的。そのような時期からギブソンや国産レスポールをいじっていたものだから軽量レスポールなんて偽物と思っていたこともありました。しかし、レスポール冬の時代の80年代から90年代にかけて様々なムック本がリリースされ知られざるヴィンテージ情報が蔓延。そんな中、リットーから発売された「ザ・ビューティーオブザバースト」にそれまでギター製作者や業界人でも知らなかった50年代のヴィンテージレスポールの重量まで明らかにされた。ジミーやジェフ、エリックたちが使っていたサンバーストはみな4kg前後だったことに驚きを隠せなかったフリークも多かったことでしょう。
そこで本家ギブソンはレスポールの一番質量の多いマホガニー部分を座具って軽くし、上からメープルをサンドしてどこからもわからない細工を施しリアルヴィンテージのように販売し、それを公表せずにいままでやってきたことに問題があります。一部の業界筋は知っていたなどという胡散臭い話も出てはいますが。
確かに上質の軽量マホガニーを使用したヒストリックコレクションにはこの穴ボコはないと信じたいが「音の違いは無い」とか「エアー感が増す」などという文句を平気でメーカーや代理店、小売店、webなどで言ってきたのが問題だ。楽器は音が良ければ全て良しというものではなくその仕様、作り方などに付加価値を見出すユーザーが特にレスポール好きには自分も含め多いはずです。
であれば正真正銘の穴ボコ無しのソリッドレスポールはヒストリックか少し前のモデルを探さなくてはならないのかという疑問が湧いてくる。ストラトと同じ重さのレスポールは絶対的な違和感があるが、このような何でもありを生みだしたのもヴィンテージ至上主義がもたらしたものかもしれません。本物のオリジナルバーストが国宝級になってしまった今、このようなワザとらしい差別化で中年世代にヒストリックを売るギブソンの商売の巧さが見えてきます。
こうなるとヒストリックは大丈夫なのかという疑いも。3kg中盤のレスポールは何か怪しいアメリカ合衆国の匂いが漂ってきます。
ウェイトリリーフっていったって穴ぼこだろう!
何でもヴィンテージ風がいいのか!でもいいんですよね。