Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

V-PICK Insanity

2012-07-18 18:26:21 | PARTS

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Vピックに興味を持ち始めると是非試してみたいのが「狂気」とネーミングされた「Insanity」。厚さ11.85mmの驚異の風貌で価格は普通のピックの30枚分以上。持ってみると意外にしっくりきて、弾いてまたびっくりの滑らかで普通の感じ。絶妙のカットで見事なスムース感。ルックスの割に軽く、ピックの重さだけで弾くのがベストかも。右手の力は禁物で力を抜く弾き方を要求される。正確なアタックとタッチが要求され出音をここまで気にしてしまうピックも珍しい。アタック音が柔らかいのでより太く音量も大きいようだ。アーチドトップのフラットワウンドやベースのフラット弦には相性バッチリだがアクションの低いストラトにも問題ない。

このクラスの大きさがあると変な手首のスナップは逆効果。しっかりと持ってひじから腕で弾く感覚が一番しっくりくる。弦にヒットする角度は弦に並行がよく、変にアングルを付けると音量が低下する。また、どうしてもピックを選ぶときは自分のフォームで弾きやすいモノを選んでしまいがちだがピックによって弾き方、フォームを変えるもの有。より多様なトーンを求めたり、気分を変えるにはこのようなピックの変更もおもしろい。今まで無かった新素材もたくさん出始めているのでこの分野も大変熱い。

素材は一つのこのV-pick。厚さと形で様々なバリエーションを作り出しユーザーに対して一つに限定させない商売のうまさが米国的。こうなると紛失防止のために専用ピックケースも欲しくなってくるから実に厄介。

お約束のメーカーロゴ入りブラックTシャツもしっかりあります。

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新旧EMG

2012-07-17 19:02:36 | PARTS

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急にEMGに目覚めてしまったので入手したスタインバーガースピリットのパッシブPUを全てEMGに交換。スピリットはH-S-HというPUレイアウトな為、一番高額になってしまうが勢いでやってみます。この手の廉価版改造は下手をするとPUパーツの方がギター本体より高くつく状態に陥るがそのほうがパーツ本来のポテンシャルを体感出来そうな感じがすると思っておきましょう。

ここ1~2年の間にEMGは大幅なモデルチェンジをしてロゴマーク、外装箱、ハンダフリー配線の為のコネクター化を施したが音はそのまんま。レギュラーの85をリヤとフロント、センターにルカサープロデュースのSLVというラインナップ。旧ロゴと比べると表面のザラつきが多くなったような気が。1箱にPU本体とボリュームポット、トーンポット、コネクター付き配線材、ジャックと全てセットだから実質余ってしまうのがうれしい。並べてみると新ロゴの幾何学模様風もなかなか良くなってくる。

アクティブPUをメジャーにしたEMGの全盛期は何たって80年代。ラック式エフェクターとEMGはスタジオミュージシャンのお約束でした。きめの細かいディストーションとクリアな空間系のリバーブで壮大にギターオーケストレーションというイメージが先行するアラフィフギタリストにとってEMG、フロイドローズ、H-S-Hは超定番。折しも90年代に入ってのヴィンテージの原点回帰、フェンダー、ギブソンの復活等で隅に追いやられた感もあるがメタリカ等のヘヴィー派の使用で復調の兆しあり。PUの完成度は最高峰ですからオールジャンルで使えると思いますがギタリストはイメージ先行なのでそこが問題。

ビンテージライクな最高なEMGストラトサウンドを堪能したいのならデイブギルモア先生のこれから始めましょう。

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ピンクフロイド 「P.U.L.S.E」


EMG-85

2012-07-05 01:47:49 | PARTS

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ある部分ではピックアップの最終形といってもいいくらいのEMG。80年代からベーシストの世界ではメジャーだったがとかくビンテージ信仰の強いギタリストの中では嫌われるアクティブPUはいまだにマニアックな分野に追いやられているのも確かです。

最近のお気に入りのスタインバーガーシナプスには純正でEMGが搭載されていますがこれがまた素晴らしくて病みつきになっています。フロントにスタンダードな85、リアには81とへヴィなサウンドを出す往年のコンビネーションですが、クリーン・クランチにはどうしてもリアの81は低音の少なさから85よりシャープに感じてしまいます。現在のEMGはコネクター配線なので簡単にPUの交換が出来る為、早速リアPUも85に交換と企みましたがそこはスタインバーガー、簡単にはいきません。2年前くらいからリニューアルされ単体でEMGを入手すると現行はニューロゴバージョンになってしまいます。このようにもともとの旧ロゴバージョンとあわせるならやはり古いロゴで統一したいものなので未開封のデットストックを入手しました。

このスタインバーガーはEMGを直接太い木ネジでダイレクトにマウントされています。なのでネジ穴をドリルで広げ新たに木ネジをねじ込まなくてはならず、その加工に手間取りましたが何とかマウント。

トーンが近くなった分ミックストーンはクリスピーさが弱まりましたが太くローエンドも充実の85.。オールドPAFを基本にしながらも全てのレンジを広くとり、高出力になっているのも多様な歪調整を可能にしています。こんなに素晴らしいのによくも何十年も使ってこなかった自分に腹立たしくなってしまう。オールジャンルに対応出来てワンランク上のトーンがこの85です。PU本体の中にプリアンプが入っているのでサウンドはどんな設定でも同じかと思いきやPUの高さ調整でかなりの変化を味わえる。そしてノイズはほとんどないのでDAWでのオーディオインターフェースからダイレクトにPCに録音するときなんかは絶対的な力を発揮する。全国を回るセッションギタリストは電波塔の近くにあるホールでプレイする時の為に必ずEMG搭載のギターは必需とのこと。よく言われる独特のコンプレッションは差ほど感じなく、クランチ設定ではトレブルが前に飛ぶ感覚でギタリストには美味しく、ヴィンテージのフェンダープロリバーブにもマッチングは素晴らしい。ヘヴィーなディストーションのイメージですがJAZZやブルースにも最高。特に演歌の泣きのリードには欠かせないそうです。

自分を含めた巷のビンテージフリークは「アクティブ臭い」「電池が苦手」「ルックスがハード」とか言いますが、PAFもオーバードライブ等のエフェクトを経由した瞬間にアクティブトーンになるわけで何を基準にモノを言っているのか恥ずかしくなってしまいます。しかしこの85、ヴォリュームを絞ったイナたさはビンテージレプリカより雰囲気があります。職人が精魂込めたハンドワイヤリングPUも切り口を変えれば安定しない言値の産物でそこにどれだけ投資をしてきたことか。

しかし、81も捨てがたいのでもう一つ入手して別のギターに載せないとなりません。逆にセミアコか何かにも渋いかも。今なら面倒なハンダも必要なくほとんど全てコネクター配線なので誰でもTPOに合わせてチョイスが可能というのが新しいスタイルです。キャビティ―がタイトなギターなら電池ケースを掘らなければならないが通常のLPやSTなら問題は無い。ビンテージ風なメタルカバーバージョンも出てリニューアル後も熱いEMG。

しかし、2回りしてEMGにたどりつくとは。メタリカもちろん、ルカサー、カールトンやギルモアもみんなEMG。

余生は全てEMGでキマリかも。


V-Pick

2012-06-25 16:49:05 | PARTS

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大事なセッションがスタートするときに愛用のピックがポケットに入っていないあの瞬間の気持ちはギタリストのみなさんは一度は経験があると思います。そんな時、もう一人のギタリストやベーシストが貸してくれたピックが好みと全く違っていた時なんかのテンションの落ち具合。ジェフべックのように指弾き宣言したくなりますがそんな1枚100円の重要アイテムにとんでもないニューフェース登場。といっても数年前から巷のマニアで騒がれていたのがこの「V-Pick」。驚きはこの価格と厚さ。モノによっては価格と厚さが今までの10倍になってしまうという大変なピック。

厚いピックというとジムダンロップからの2mmやJazzⅢ、ストーン、金属などテンションのきついフラットワウンドやベース用等の極一部の用途限定だったが、緩くアクションの低いギターにも使える厚いプレミアムピックはここ数十年では初めてかもしれません。

ギターの聖地ナッシュビルから来たこのピックは「V-Picks」というメーカー。数人でやっているような個人会社のようでyoutubeで見る限りほとんどハンドメイド。形も様々でそのすべてに名前が付いているから厄介だ。この名付けは米国人は昔から大好きで伝統ともいうべき儀式である。

さて今回の2アイテムは標準のティアドロップ2.75mm「Tradition」と小ぶりで厚い4.1mm「Dimension Junior」。メーカーでは1mm前後も存在するがせっかくのV-Pickなら2mm以上を試したい。上は11.85mmの「Insanity」というスペシャルもあるのでこうご期待。

素材はどれも強化アクリルでエッジ処理はハンドメイド。驚異の厚さだが使ってみると滑らかさこの上なし。ピックが弦にヒットするアタックノイズは無くまろやかで静かな響き。指弾きに近いニュアンスでピックの重量で弾きこむ感じはしないので自然なピッキングが出来る。エッジ処理が素晴らしく弦に並行にヒットしても滑らかでスピードも早い。外見から想像できないが全く普通に使用出来る。とかくギタリストは保守的だからピックを変えるということは恐ろしいことと思ってしまうが5分も弾いていると自然と馴染んでしまうのがこのV-pick。

このような商品開発はなかなか日本人には難しく、機能性ではいいがこの体感部分に響くモノ作りはエレクトリックギターの国でしか生まれないのがよくわかります。

ファンキーな製作者の製造工程がこれです。ほとんどガレージメーカーのハンドメイドですが数を作るには大変そうで指まで研磨しそうで価格も納得です。

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YouTube: How It's Made - V-Picks


スピードノブ

2012-04-17 19:02:13 | PARTS

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スピードノブと聞いてピンとくる方はレスポールマニアとすぐわかりますが59年に拘る人はハットノブときまっています。エレクトリックギターには様々なノブがありますが機能的に№1なのがストラトキャスターのノブです。レオフェンダーが人間工学的なデザインで作ったのが50年代初頭。その完成度は今も揺るぎないという恐ろしいデザインだが同時期のギブソンでデビューしたのがレスポールに装着されたこのスピードノブ。ハットノブ登場の57年までこのスピードノブが純正の座に君臨した。

機能的にはフェンダーに劣るがギブソン特有の歴史と芸術性に裏打ちされた外装。ジュエル的で立体的、ギターのトップカラーに溶け込みデザイン性ではすばらしい。そのあたりがPRSにも引き継がれ現代に至ります。ギブソン純正~廉価版パーツまでパッと見同じでも価格はピンキリ。数字がエンボス加工されていたりプリントだったりかなりこだわればこだわるほど深みにハマる世界。リプレイスメントパーツ専門メーカーが出てくるくらいだからオールド新興は今だ衰えない。

しかしこのスピードノブはギター以外、それもギブソン、PRS等のアーチドトップに直接マウントするスタイル以外タブーだ。ストラトに付けようものなら大変。アンプノブや機械等もデザイン的には全くダメ。マシンには無機質さが無ければマッチしないということだろう。しかし、これだけレスポールに特化した汎用性ゼロのデザインを作るギブソンには当時のモノ作りのトップにいたアメリカの底力を象徴するような雰囲気が伝わります。