Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

T-Bone Walker

2008-03-13 16:33:55 | BLUES
モダン・ブルース・ギターの父

邦題「モダンブルースギターの父」。エレクトリックギターをシングルノートでスクイーズ(チョーキング)した開祖。B・B Kingがこの人を師と仰ぎ、現代のエレクトリックギタリスト全てはこの人の遺伝子からなる。

しかし、開祖にしていきなりアンプリファイドされたペンタトニックフレーズ、ちりばめたジャズコード、派手なステージングでショーアップしシャウトした。おいしいロックギタリストのスタイルを一瞬にして再現してしまった恐ろしきティーボーンウォーカー。ジャケットのイラストを見てもチャックベリー、キースリチャーズ、ジミヘンドリックスへ派生していったのも理解できる。 

この音源は1940年代のベストテイクのコンピレーション。戦後のエレクトリックモダンブルースはみんなこの人から始まった。しかし、バック演奏は時代的にビックバンドジャズだがギターはサウンド新しい。ギブソンのチューブアンプクランチを堪能できB・B Kingよりスピード感がある。このスピード感は何だろう。スローに弾いても早い。3連6/8のリズムに差し込まれて来るシャッフルリズムのシングルノート。この時点でスタイルのほとんどが完成している。生涯の中で一番脂の乗っている時期がこのキャピタルでのアルバムである。

1975年に肺ガンで他界。享年65歳

この才能にしては地味な晩年であったがギター奏法、ステージングなどその後のスタイルに絶大な影響を与えたが今聴いてもモダンでパワフルだ。ブライアンセッツァーオーケストラの原型がこのジャンプブルース。ハマリそうだ。


ロベンフォード

2008-03-13 01:57:07 | BLUES
Live at the Notodden Festival

ロベンは私の尊敬する大好きなギタリスト。2年前にカールトンと来日したとき恥ずかしながら黄色い歓声を発してしまった。とんでもなくカッコよかった。

このアルバムはロベンのブルースの師匠でもあるジミーウィザースプーンとの91年の競演ライブ。名義はジミーなのだが中身の主役はロベン。この2人、70年代にも競演のCDを出しているがその時とこのアルバムのロベンとは完全に違う。師匠と弟子ぐらいの差があるほどスケールが違っている。この時期ロベンはブルーラインを結成して活躍するがバンドに拘り過ぎて何か力が入りすぎた感じがあった。ブルースをやればやるほど自由ではない雰囲気のような。最近、このブルーラインのライブ音源のCDが出ているがロベンのギターがやはり何か硬い感じだ。主役じゃなくサポートに入ったときのロベンの滑らかさは他に類を見ない。

北欧のある町のジャズフェスティバルというのもあるかも知れないが、この作品にはそんなリラックスして原点に立ち返るブルースギターが全編に冴え渡っている。このアルバムではロベンの兄、フォードブルースバンドのパトリックがドラムで活躍しアットホームな懐の深いアンサンブルでロベンを盛り立てている。

ジャズヴォーカルやポップスの繊細なバッキングからラウドブルース、マイルスのジャズまでカバーするロベンのフレーズボキャブラリーとリズムの多さにため息が出る。しかし、器用貧乏にならない太いものがあるのは根底にブルースとマイルスが君臨しているからであろう。

90年代後半、ブルーラインを解散しソロ活動、兄弟ユニットのフォードブルースバンド、ジンチなど絶品プレイの目白押しの時期に入る前のゆったりとしたリズム。しかし、いいエレクトリックブルースギターだ。あの鉄壁なダンブルアンプではなくフェンダーツインリバーブかデラックスリバーブのスプリングサウンド。ハムバッカーでも鈴鳴りのトレブル感がシャープでスローブルースでもスピード感が落ちない。一連のロベンのブルース作品の中で一番ブルージーかもしれない音源。ブルースをシングルノートのギターで歌わせる最高なプレイ。しかも脂っこくない西海岸的なマスク。やっぱりカッコいい!


マジック!

2008-02-22 22:26:37 | BLUES

ライヴ!

誰も文句をいえないライブ盤。ストラトブルースの金字塔。最初に持っていたCDはもともとの2枚組アナログレコードを1枚のCDに収めた編集版でした。P-ヴァインから出ているオリジナルと同じ2枚組CDを買い直してしまった。やっぱりいい。全く洗練される必要の無い生身のバンドブルース。音が良いとか悪いとかの次元じゃない奇跡のような音源。このマジックサムやアイクターナーのストラトプレイに影響されたのがジミヘンドリックス。共通するのはオリンピックホワイトのストラト。ストラトといえばホワイトといわれる流れを作った人がこの人だったのですね。そしてこのジャケットのカッコよさ!どこかにこのTシャツないかな。