邦題「モダンブルースギターの父」。エレクトリックギターをシングルノートでスクイーズ(チョーキング)した開祖。B・B Kingがこの人を師と仰ぎ、現代のエレクトリックギタリスト全てはこの人の遺伝子からなる。
しかし、開祖にしていきなりアンプリファイドされたペンタトニックフレーズ、ちりばめたジャズコード、派手なステージングでショーアップしシャウトした。おいしいロックギタリストのスタイルを一瞬にして再現してしまった恐ろしきティーボーンウォーカー。ジャケットのイラストを見てもチャックベリー、キースリチャーズ、ジミヘンドリックスへ派生していったのも理解できる。
この音源は1940年代のベストテイクのコンピレーション。戦後のエレクトリックモダンブルースはみんなこの人から始まった。しかし、バック演奏は時代的にビックバンドジャズだがギターはサウンド新しい。ギブソンのチューブアンプクランチを堪能できB・B Kingよりスピード感がある。このスピード感は何だろう。スローに弾いても早い。3連6/8のリズムに差し込まれて来るシャッフルリズムのシングルノート。この時点でスタイルのほとんどが完成している。生涯の中で一番脂の乗っている時期がこのキャピタルでのアルバムである。
1975年に肺ガンで他界。享年65歳
この才能にしては地味な晩年であったがギター奏法、ステージングなどその後のスタイルに絶大な影響を与えたが今聴いてもモダンでパワフルだ。ブライアンセッツァーオーケストラの原型がこのジャンプブルース。ハマリそうだ。