忙中閑話

四季の移ろい、花鳥風月を楽しみつつ
趣味はミニチュア木工、電子工作、旅行など

備中国分寺五重塔(岡山・総社市) ~五重塔巡り(重文―5)

2013-01-16 | 旅行
 備中平野の中に建つ備中国分寺の五重塔。遥か彼方から見える塔と
言えば東寺の塔とこの塔だけだろう。

 思いもよらず福山に単身赴任となり、その3年の間に季節の変わり目毎に訪れた。
福山から距離にして40km、車で1時間程度であったので思い立てばすぐに出かけ
られた。

 最初に行ったのは20年ほど前のクリスマスイヴのころ、山口から高速をとばして
行った。後年福山へ赴任することが判っていたらわざわざ山口から行くこともなか
ったのだが、この頃は子供たちが親離れをし始め手がかからなくなった時期であり
家人の子育ての慰労を兼ねていた。子供たちを家に残し新婚旅行以来始めての家人
と二人旅であった。

 倉敷から総社に向かい、やや小高い丘を超えた頃に遥か前方の平野の只中にこの塔
が見え始めた時の光景、感激はいまだ忘れることはできない。
ただ福山に赴任した時にやはり倉敷から入ってみたが、バイパスが開通してルート
が少し変わったせいなのか、あるいは山林開発などで住宅化が進んだためなのか、
以前見た遠景は見られなくなってしまっていた。
福山赴任時代は、もっぱら旧山陽道である井原方面から入ることが多かったが、
倉敷からのルートが南ルートとするとこちらは西ルート。この西ルートも坂を超え
ると塔が現れる。
 建立は江戸初期の1835年、高さ34.32m。五重塔はやはり遠くからの
眺めがいい。


 遠景


 境内から
 平山郁夫画伯のスケッチ位置から(案内碑あり)
 

 全体 
 


 干支の彫像
 東西南北4面の鴨居の上付近に干支12支の彫刻が施してある。
 

 菜の花
 

 レンゲ草
 

 サルビア?
 

 夕景
 








仁和寺五重塔&御室桜 ~五重塔巡り(重文―4)

2013-01-15 | 旅行
 次は仁和の五重塔。

仁和寺を訪ねたのは最近では’08年4月初め。長男の結婚式で名古屋に行った
帰りに途中停車し醍醐寺、仁和寺、哲学の道、嵐山と京都の桜を楽しんだ。

最近ではと書いたがアルバムを繰ると’90年にも一度訪れていた。こちらの方は
全く記憶がない。多分会社の出張の折、移動日の時間待ちを利用して訪ねたのだろう。
記憶がないのは次の仕事が気になっていたせいなのか。従って訪れた季節も
全く判らない。写真を見ると桜の季節でなさそうだ。

’08年は桜満開の季節。遅咲きの御室桜は”咲き始め”であったが、市中の桜は
満開の状態であった。それでも御室桜越しの五重塔は見事である。

 五重塔 正面
 建立1644年、高さ35.92m
 
 

 御室桜越しの五重塔
 

 御室桜
 背丈が低く遅咲きなのが特徴。市中より1週間ほど開花が遅い。粘土質で栄養分
や水分が少ないためらしい。
 


 哲学の道
満開から散り始めの状態で傍を流れる小川には花筏(はないかだ)が見られた。
 桜は僅かの風でひらひらと桜吹雪が舞うこれくらいの状態が一番いいと思う。
 
 

 嵐山
 山桜が山のあちらこちらで咲き乱れる。嵐山は桜の季節もいい。
 


蛇足だが’90年の分も一つ・・・。(フィルム撮影)
 
 書院越しに
 

妙成寺五重塔(石川県羽咋市) ~五重塔巡り(重文―3)

2013-01-13 | 旅行
 好きで名刹・古刹巡りをするうちに数多くの多重塔を目にして来ていた。
五重塔に限ると国宝11基のうち9基、重文13基のうち6基になっていた。
合計24基のうち15基ということになる。
まだ見ていないのが9基もあるというべきかも知れないが自分としてはよく
回っていたなと思う。

 今回は妙成寺の五重塔。石川・能登半島の付け根付近に位置する石川県は
羽咋(はくい)市にある。

 昔5年間富山に単身赴任していたことがありこの時連れ合いと能登を巡ったことが
ある。この時最初に参拝していた。
単身赴任では月1回の帰省が認められており、これには連れ合いが単身赴任先を訪れる
ことも認められていたので、赴任終盤は連れ合いを呼び寄せることが多かった。
土日の連休で山口までの往復に時間が割かれるのは正直つらい。そこで連れ合いが
やってくるということになった訳だが、しかし連れ合いにとって見れば、半日の長旅
の次に方々に連れまわされ、そしてまた半日かけて帰らなければならない。これも
疲れたに違いない。

しかし、この単身赴任時代に富山周辺はもちろんのこと信州、そして遠く箱根までも
回ったことが生来の旅行好きに火をつけたことになる。山口から北陸に旅行するなど
はめったなことでは思いもしないだろう。おかげで八尾の「風の盆」も前夜祭を含め
10回以上は行くことができた。

さておき、この妙成寺に行ったのは’01年。もう10年以上も前になった。しかし
入場したらすぐ正面のまっすぐな石段の上に見えた五重塔の美しさは強烈で
いまだにはっきりと記憶に残る。 建立1618年で高さ33.87mとある。
とち葺屋根なので繊細な感じが非常にいい。どこやら山口瑠璃光寺五重塔に似ている。


  書院から庭園の池越しに



合わせて能登巡り時の写真も添付。
因みに後年長男が結婚したら嫁の母親の出身が能登の先端にある珠洲市だった。


 総持寺
 もと総本山。明治末に横浜総持寺に総本山は移転したらしいがやはりもと総本山
 らしい威厳は保つ。
 
 

 白米千枚田
 

 輪島きりこ会館
 山車の展示。8月中に能登の方々で祭りが開催される。巡る気持ちはあったが
 とうとう見ずじまいで単身赴任が終わってしまった。
 

 時国家
 上、下の両家がある。写真は確か上時国家のもの。
 下時國家の方が重文に指定されている。
 
 


メジロの来訪

2013-01-10 | 自然
 余ったミカンを半分に切ってモミジの枝先に刺しておいたところ
メジロ、ヒヨが次々とやってきた。

メジロは最初様子を窺うかのように1羽がやってきて、それがどこかへ
飛び去ったあと5-6羽が集合してきた。
かれらはマナーよく1羽ずつ啄ばみ、ミカンがなくなるまで消えては
現れることを数回繰り返した。





かれらは非常に警戒心が強く、一口啄ばんでは周りをキョロキョロ見回し
カーテンの僅かな動きでも飛び去ってしまう。



ヒヨの方はハトを少し小さくしたくらいの大きさがあるので小枝は苦手の
ようだ。どうするのか隠れてそうっと見ていたら後ろ向きに逆進して
ミカンに近づき反対側から啄ばみだした。こうすると枝が揺れない。
なかなか賢い!

五重塔巡り―重文(2) 法観寺五重塔(八坂の塔)

2013-01-09 | 旅行
 京都東山にある通称「八坂の塔」、正式には法観寺五重塔

観光パンフレットなどではよく見かけるのだがなかなか行く機会がなかった。

いつも助手席に座る連れ合いは、車窓から幾度となく見ていると言うが
塔は大通りと直角に交わった路地の奥に建っているので運転中に見ることが
できない。

さんざん京都中の名所・旧跡を巡った挙句、さあ次は何処にいこうかという
段になり、やっといったのが一昨年になる。境内には塔以外に目立った構築物
がないので後延ばしになったしまった。

鴨川沿いのコインパーキングに車を預けて800m弱を徒歩で行く。
京都はこんなぶらりとした街歩きもなかなかいいもので、往復だと1.6km
以上になるがそれほど歩く感はしない。

街歩きを楽しむと程なくパンフレットで見慣れた塔が路地越しに見えてくる。
 

この塔は確か2階までだったと思うが登ることができる。三重、多宝塔を含め
相当数の多重塔を見てきたが、内部に入ることができたのはこの八坂の塔以外
にはない。おそらくここだけだろうと思う。

党内は狭く階段は急。この日は他にミニスカートのアベックが一組あり、目の
遣り場に困ってしまった。
 塔内の階段 

境内には義経に攻め滅ばされた木曽義仲の首塚もあった。
そういえば信州旅行の帰路に義仲の菩提寺である徳音寺(木曽町日義)に立ち
寄ったことがあり、平家追討の折に牛の角に松明を結わえて平家軍を追い落と
したという倶利伽羅峠の古戦場跡(富山・石川県境)にも行ったことがある。
これは八坂の塔には直接的には無関係。蛇足だった。









(1)厳島神社五重塔 重文(重要文化財) 

2013-01-07 | 旅行
 大河ドラマ「平清盛」は低視聴率のまま終わったが、平清盛ゆかりの
厳島神社はおかげで訪れる人が増えた。寺院の五重塔は佛舎利ということ
だがなぜかここ神社に五重塔がある。

近くに宮島水族館がありラッコを展示しているので子供たちが幼い頃に
3度ほど連れて行った。もう30年以上も前になる。

宮島へは車なら対岸の宮島口に車を置いてフェリーで渡る。
過去に架橋の計画が挙がったが住民の反対で中止されたという。狭い島に
島外から車が入ることに抵抗があったようだ。フェリーでも10分程度で
渡れるうえ波の静かな瀬戸内なので台風の時以外は余程のことがないかぎり
欠航することがない。だから橋がなくても不便を感じないのだろう。
また、島全体が神域になっているので、住民の葬儀、埋葬も対岸の本土側で行う
と聞いた。

それは兎も角、フェリーターミナルで降りて鹿に出迎えられながら門前の
商店街を抜けると厳島神社に着く。五重塔は途中の少し小高いところに
建っている。しかし、確かにすぐそばまで行き、何回か階段を折り返しながら
帰った記憶は残っているが写真は残っていない。五重塔鑑賞はメインでは
なくあくまで副次的な結果であるのでこれも仕方がない。代わりといっては
なんだが、ネットから写真を借用することにする。

 厳島五重塔 


 厳島神社大鳥居('85撮影)
 

五重塔、三重塔、多宝塔巡り  (9)元興寺 五重塔(室内)

2013-01-06 | 旅行
 国宝の五重塔の最後は元興寺(がんごうじ)五重塔

高さ5.5mほどの小型の五重塔で屋内に設置されている。
屋内なので写真に収めるのが難しかったのか、あるいは室内が撮影禁止
だったためか、残念ながらアルバムを探したが写真が残っていない。

もともと仏像や古い建造物巡りで名刹、古刹巡りをしているなかで
気が付いてみると国宝、重文の五重塔、三重塔も多く見てきていた。
実際ここ元興寺の五重小塔も、元興寺に拝観したと時にたまたま見た
という程度のものであり、最近になって国宝の五重塔を調べた時
11塔しかない国宝のうちの一つに指定されていることに少なからず
驚いた次第である。

しかし、見たときの記憶はやはり強く残っている。
この塔は全国の国分寺建設発願の時にモデルとして全国に配られた
らしく、そのためか小さいながらも細部まで実基を細かく表現して
ある。国宝も工作品ではなく建築物として認定されているようだ。
ミニチュア木工が趣味の一つなのでいつかは作ってみたい究極の作品
である。


 元興寺極楽坊金堂(国宝) 

 日本最古、飛鳥時代の瓦 

元興寺には興福寺五重塔を超える高さの五重塔があったが1850年に
焼け落ちて以後再建されていないという。今の境内からやや離れたところに
ある跡地に土壇と礎石が残っている。昔は寺町全体が寺域だったそうだ。

国宝の五重塔でまだ行ったことがないのが二基残っている。
山形・羽黒山と海龍王寺。羽黒山はあまりに遠いのでなかなか行けそうには
ないが海龍王寺は奈良に行く度に近くを通っている。これも屋内設置の
小塔のようだがぜひ一度みてみたいと思っている。




南阿蘇へのドライブ

2013-01-05 | 旅行
 毎年慣例のように、夏と暮のほぼ2回阿蘇に行くことにしている。

信州松本や越中富山からの北アルプスの眺めもいいが、阿蘇はカルデラ
全体の雄大さ、山裾の女性的ななだらかさがあってまた違った趣がある。

しかし今年の夏は状況が変わった。7月に阿蘇地方は集中豪雨による激しい
被害を受け多数の死者、行方不明者が出た。何より各所で道路が土砂崩れや
崩落で通行止めになっており行くに行けない状況が数ヶ月続く。

当然、夏の阿蘇行きは中止。そして12月になっても「阿蘇大好き人間」の
我が連れ合いが行こうと言わない。

しかし、暮も押し迫って来るとやはり阿蘇が恋しくなる。一年の総浚いはやはり
阿蘇。温泉に入って、阿蘇をゆったりと眺め、そして赤牛、田楽に舌鼓。
幸いにして宿も予約が取れた。ということで急遽スタッドレスタイヤに交換して
二泊三日の計画で今年もでかけた。


 関門橋(関門PA)
 


 九重連山(国道212号阿蘇入口手前から)
 

 外輪山ミルクウェイ展望台から阿蘇五岳
 眼下は内牧温泉
 

 翌日は終日雨で根子岳も雲ですっぽり
 ロビーの新聞や持参した本を読んで終日宿舎で過ごす。宿の食事が朝夕とも
 バイキング方式のため過食気味。そこで昼は高森まで出て、ピザ、パンを買い
 薄めのコーヒーで軽い昼食。これがまた美味かった。
 

 根子岳(三日目は雲ひとつない快晴)
 

 中岳、高岳
 高岳は阿蘇最高峰(標高1592m=ヒゴクニ肥後国の語呂合わせ)。
 中岳では1週間前から単独登山者が行方不明になっていて、前日
 捜索中止になった旨ニュースで知った。このどこかで倒れている
 と思うと痛ましい。現在もまだ見つかっていない。
 

 中岳ロープウェイ
 火口までは車でも行ける。下から見ると歩いてでも行けそうに見えるが
 やはり結構な高低差がある。若い頃高岳、根子岳には登ったことがある。
 

 草千里
 左方向に中岳とその噴煙。
 

 米塚
 太古の昔噴火した寄生火口。25年ほど前まではすぐそばを通る自動車道から
 登れたので当時小学生だった息子達と登ったが、現在は放牧場主が柵を閉止して
 立ち入り禁止しているので登ることはできない。
 

 阿蘇神社
 阿蘇随一の神社。大宮司の阿蘇家は天皇家と比肩する古い家系を持つ。
 門前街に阿蘇湧水群があり、今年もたっぷりと汲んで帰った。
 山門の前に左右に広がる参道で毎年火振り神事が行われる。これも豪快だった。
 
 

 ホテルで聞いたところによると、今年は夏以降観光客が激減したという。確かに
 例年なら食事時間を振り分けるほど賑わった食堂が今年は10家族ほどしか
 おらず閑散としていた。
 やはり豪雨の風評が効いているらしい。
 片道規制が所どころ残ってはいるものの復旧がかなり進んでいる。ぜひ行って
 温泉にゆったりと浸かって欲しいと願う。




 帰路は好天に恵まれたので由布岳を見るために旧やまなみハイウェイを通って
 九重から湯布院に抜けることにする。

 由布岳(湯布院駅前)
 この山も若い時にやまなみハイウェイの登山道口バス停から登ったことがあるが
 特に山頂付近が急でかなりハードであった。
 

 特急ゆふ号?
 

 市内遊覧馬車
 柔順な白馬が牽引する。市内至るところで人力車の客引きも多いが、蹄の音しか
 しない静かでゆったりとした市内観光もいいものだろう。
 


 民芸村
 ここも韓国人観光客が多かった。
 

 

五重塔、三重塔、多宝塔巡り  (8)教王護国寺(東寺) 五重塔

2013-01-04 | 旅行
 京都を代表するのが教王護国寺(東寺)strong>の五重塔。

京都には数え切れないほど行っているが、実は参拝したのは2度しかない。
というのも、この塔は高さ54.8mと日本一高く、しかも大通りに面して
建っているのでわざわざ真下まで行かなくても遠くからでも見えるし
またすぐそばの道路からも見ることができる。

 


 しかし、初めて直下で見たときはやはりその大きさに圧倒された。
 園内から
 

 園内の池越しで
 


 もともと創建は平安時代なのだろうが、応仁の乱を含めて幾多の騒乱
の度に焼け落ちて現在の塔は1644年、江戸初期に再建されたという。
寺院が持つ広い境内は一方の陣営の駐屯地になりがちだから戦乱が始まると
真っ先に攻撃の対象になる。今から考えれば全く愚かな蛮行ではある。


東寺というくらいだから西寺もあったらしいがこちらの方は1000年以上
も前に廃寺となり、現在は金堂の礎石の一部が残っているだけという。
東寺から西に1000mほどのところらしいがまだ訪れたことはない。