昨年暮れに急逝した義母が残した山野草の数々。
当方も連れ合いも園芸には全く趣向がない。
近所に住む親類がその筋の業者を呼んで処分したらどうか、処分するなら業者を紹介
するとまでいってくれたが、時は真冬で植物は休眠状態。一応整理して春先にどんなに
なるか様子を見ることにした。
なにしろ亡くなった人が愛でたもの、むやみに処分するわけにはいかない。
義母は前にも書いたが”整理”、"整頓”といった言葉が辞書にない人だったので
整理がほとんどされていない。
なにしろ出先でほしいと思ったら購入し、あたりかまわず適当に置いている。
明らかに枯れてしまっているものや、なかには一つの鉢に複数の植物が生えている
ものすらある。自慢じゃないが当方には知見がなく、雑草かそれとも価値ある山野草かも
区別がつかない。
またほとんど名札がなく、名札があっても退色して判読不可能といった状態でどれが
山野草なのかわからないので困った。
それでもなんとか整理し、ヤブ状態だった庭がなんとか見られるようになった。
義母は水やり以外の世話らしい世話をやらなかったので生命力の強いものしか生き
残っていない。蘭はそのひとつ。ランは肥料いらず、渇水にも強いらしい。
そのなかの一角に可憐な花がついた。だが、ランであるかどうかも定かでなく、ましてや
名前もわからない。
所蔵品だったもののなかにはこんなものがたまにある。
玄関の靴箱の上にさりげなく置いたらそれだけでなんとなく玄関が明るくなった。