数か月前、自治会を通して社会福祉協議会(略して「社協」)から会費集金
の依頼が来ていたが指定された納付期限である8月末を過ぎても納付せずに
先方より催促があるまでしばらく様子を見ることにしておいた。
社協のあり方や活動内容にかねてから疑問を持っているからである。多額の
補助金(つまり我々の血税)を受けながら自治会という集金マシンを通して
半強制的に募金を集めている。
しかもその使途は決算報告を見ても極めて不鮮明である。
当自治会は戸別の集金を止め自治会費から一括納入する方式をとっている。
戸別の集金が面倒なことなどから、多くの自治会がこの一括納入方式を採用して
いるようだが、過去に他県の自治会で自治会員からの訴えにより裁判となって
一括納入は個人の選択権の侵害にあたるとして自治会側が敗訴した例がある。
つまり一括納入は不可と判断されている。
当自治会には裁判に訴えるような人はいないがやはり時折なぜ募金し
ないといけないのか、おかしいという声も断片的ではあるが聞こえてくる。
そうこうするうちに指定の納付期限をほぼ一月過ぎた先月末になって、
漸く催促の文書が送られてきた。
今月末に開催される敬老会への出欠者を取り纏めて郵送したのが届いたのを
見定めるかのようなタイミングでである。敬老会は社会福祉協議会と市の共催
である。参加者の連絡をすれば会費納付の催促がし易いので催促があるだろう
とは考えていた。だが予想していた電話ではなく文書できた。
仕方がないのでこちらから電話した。下調べは以前からやっておいた。
ただ、彼らに意見したところで無駄であることは百も承知している。電話で
応対する係員(いわゆる担当者)はただの使い走りである。もっと上のところ
で動いている。ヘタをすれば最後に「意見として承っておく」の一言で終わりと
いう事になることは分かり切っている。
そこで、一括納入方式について上記の判例があること、自治会の戸別集金は
断りにくく半強制的で問題があること、自治会会員の大半が年金生活者となり
少額でも募金が重なって負担になっていることなどに一応はふれながらも次の
質問を投げかけてみた。
①会費を納めると会員とあるが、会員の特典はあるのか
②逆に会員にならないと何か不利益を蒙ることがあるのか
(例えば敬老会への招待なしとか。他所の例で介護タクシーなど福祉関係の
サービスが受けにくくなるといった半ば脅しのような手法が使われた
所もあるらしい)
③自治会費から一括納入の場合で、総額が設定額の戸数分(設定額戸数)
より少なくてもよいか。たとえば設定額300円/戸としてあるが100円/戸でも
いいか。(募金の案内書に同封されていた納金書には300円x戸数とある)
①、②については答えは至って簡単にいずれもNo、つまり利、不利益は何もない
ということ。会員とあるが名前だけの会員という訳だ。
③については前触れもなく絶句したようにしばらく無言が続いた。多分上司に相談
していたのだろう。そして募金なので設定金額にはこだわらないとして
金額設定額300円の内訳の説明をし始めた。
それによると
a. うち200円は下部団体へ補助金として配分
b. 残り100円は支部の運営費
市の社協の支部に電話したのだが、支部のまたその下に組織があるらしい。
そして市から受ける多額の補助金が収入の大半を占めているにもかかわらず
いかにも募金が集まらないと実際の福祉活動が止まってしまうような言い方をする。
複雑な組織と補助金という一括的な資金の流れが社協を分かりにくいものにして
いる原因ではないのかと一応はクレームを付けたが、前にも述べたように末端の
彼らに何をいっても無駄であることは百も承知している。
そして残りの100円に当たる支部の運営費とは?
まさか自分たちの福利厚生費(年金で問題になったマッサージチェアの類、あるいは
職場の懇親会や会合の飲食代など)に充当されているのではないだろうが…
200円の方ばかりに惑わされここまでは頭が回らなかった。だが問い詰めたところで
結局は誤魔化されたに違いない。
ということで100円x戸数を社協支部まで車で行って納金することにした。
バスで行けば5,6もの先のバス停になる。車のない老人ならとても無理だ。
募金させておいて持参せよとはこれも無礼千番な話ではある。
一応チクリと嫌味をいっておいた。
そして実際窓口に行ってみるとの担当者の応対がぞんざいなこと。「ありがとう」
もなければ(「ありがとう」はこの場合不穏当ではあるが)「御世話になりました」
といった労いの言葉もない。まあ、電話でかなり辛辣な手厳しいことを言っておいた
ので仕方がない。ビビっていたのかも知れない。
手続きが終わり領収書をみると内訳に○○軒分とある。○○は全戸数の1/3の数字。
つまりどこまでも世帯あたり300円にこだわるようだ。
(追記)
中には社協の会費を払わず福祉に協力しないとは何事かと主張する人もいるだろう。
だが社協は分かりにくい組織である。資金の流れや活動範囲、内容も外部からは
不明確である。
もともと社協は「福祉法」いう法律のもとに設立されているという。戦後間もない頃
に制定された法律で、当時は戦争孤児や戦争未亡人、傷痍軍人など経済的に恵まれない
人達が多数いた。世の中全般が貧しかったがさらに貧しい人たちを救済しようとして
できた法律である。
その後高度成長、バブルを経て今や65歳以上の高齢者が半数以上を占めるという高齢化
社会である。やがて介護を必要とする人達ばかりになることは必定。だが介護保険は
完全に破綻状態である。福祉の在り方を変えなければならないはずなのに口先だけ、
形ばかりの福祉が何と多いことか。
の依頼が来ていたが指定された納付期限である8月末を過ぎても納付せずに
先方より催促があるまでしばらく様子を見ることにしておいた。
社協のあり方や活動内容にかねてから疑問を持っているからである。多額の
補助金(つまり我々の血税)を受けながら自治会という集金マシンを通して
半強制的に募金を集めている。
しかもその使途は決算報告を見ても極めて不鮮明である。
当自治会は戸別の集金を止め自治会費から一括納入する方式をとっている。
戸別の集金が面倒なことなどから、多くの自治会がこの一括納入方式を採用して
いるようだが、過去に他県の自治会で自治会員からの訴えにより裁判となって
一括納入は個人の選択権の侵害にあたるとして自治会側が敗訴した例がある。
つまり一括納入は不可と判断されている。
当自治会には裁判に訴えるような人はいないがやはり時折なぜ募金し
ないといけないのか、おかしいという声も断片的ではあるが聞こえてくる。
そうこうするうちに指定の納付期限をほぼ一月過ぎた先月末になって、
漸く催促の文書が送られてきた。
今月末に開催される敬老会への出欠者を取り纏めて郵送したのが届いたのを
見定めるかのようなタイミングでである。敬老会は社会福祉協議会と市の共催
である。参加者の連絡をすれば会費納付の催促がし易いので催促があるだろう
とは考えていた。だが予想していた電話ではなく文書できた。
仕方がないのでこちらから電話した。下調べは以前からやっておいた。
ただ、彼らに意見したところで無駄であることは百も承知している。電話で
応対する係員(いわゆる担当者)はただの使い走りである。もっと上のところ
で動いている。ヘタをすれば最後に「意見として承っておく」の一言で終わりと
いう事になることは分かり切っている。
そこで、一括納入方式について上記の判例があること、自治会の戸別集金は
断りにくく半強制的で問題があること、自治会会員の大半が年金生活者となり
少額でも募金が重なって負担になっていることなどに一応はふれながらも次の
質問を投げかけてみた。
①会費を納めると会員とあるが、会員の特典はあるのか
②逆に会員にならないと何か不利益を蒙ることがあるのか
(例えば敬老会への招待なしとか。他所の例で介護タクシーなど福祉関係の
サービスが受けにくくなるといった半ば脅しのような手法が使われた
所もあるらしい)
③自治会費から一括納入の場合で、総額が設定額の戸数分(設定額戸数)
より少なくてもよいか。たとえば設定額300円/戸としてあるが100円/戸でも
いいか。(募金の案内書に同封されていた納金書には300円x戸数とある)
①、②については答えは至って簡単にいずれもNo、つまり利、不利益は何もない
ということ。会員とあるが名前だけの会員という訳だ。
③については前触れもなく絶句したようにしばらく無言が続いた。多分上司に相談
していたのだろう。そして募金なので設定金額にはこだわらないとして
金額設定額300円の内訳の説明をし始めた。
それによると
a. うち200円は下部団体へ補助金として配分
b. 残り100円は支部の運営費
市の社協の支部に電話したのだが、支部のまたその下に組織があるらしい。
そして市から受ける多額の補助金が収入の大半を占めているにもかかわらず
いかにも募金が集まらないと実際の福祉活動が止まってしまうような言い方をする。
複雑な組織と補助金という一括的な資金の流れが社協を分かりにくいものにして
いる原因ではないのかと一応はクレームを付けたが、前にも述べたように末端の
彼らに何をいっても無駄であることは百も承知している。
そして残りの100円に当たる支部の運営費とは?
まさか自分たちの福利厚生費(年金で問題になったマッサージチェアの類、あるいは
職場の懇親会や会合の飲食代など)に充当されているのではないだろうが…
200円の方ばかりに惑わされここまでは頭が回らなかった。だが問い詰めたところで
結局は誤魔化されたに違いない。
ということで100円x戸数を社協支部まで車で行って納金することにした。
バスで行けば5,6もの先のバス停になる。車のない老人ならとても無理だ。
募金させておいて持参せよとはこれも無礼千番な話ではある。
一応チクリと嫌味をいっておいた。
そして実際窓口に行ってみるとの担当者の応対がぞんざいなこと。「ありがとう」
もなければ(「ありがとう」はこの場合不穏当ではあるが)「御世話になりました」
といった労いの言葉もない。まあ、電話でかなり辛辣な手厳しいことを言っておいた
ので仕方がない。ビビっていたのかも知れない。
手続きが終わり領収書をみると内訳に○○軒分とある。○○は全戸数の1/3の数字。
つまりどこまでも世帯あたり300円にこだわるようだ。
(追記)
中には社協の会費を払わず福祉に協力しないとは何事かと主張する人もいるだろう。
だが社協は分かりにくい組織である。資金の流れや活動範囲、内容も外部からは
不明確である。
もともと社協は「福祉法」いう法律のもとに設立されているという。戦後間もない頃
に制定された法律で、当時は戦争孤児や戦争未亡人、傷痍軍人など経済的に恵まれない
人達が多数いた。世の中全般が貧しかったがさらに貧しい人たちを救済しようとして
できた法律である。
その後高度成長、バブルを経て今や65歳以上の高齢者が半数以上を占めるという高齢化
社会である。やがて介護を必要とする人達ばかりになることは必定。だが介護保険は
完全に破綻状態である。福祉の在り方を変えなければならないはずなのに口先だけ、
形ばかりの福祉が何と多いことか。