読書の森

セカンドハウス その8


梨沙が怪しい。
徹底的に調査した結果意外な事が分かった。
犯行時の梨沙のアリバイが証明されたのである。
なんと梨沙は昔の男友達と会っていたのだった。

戸田はその時刻、A市と遠く離れた鎌倉にいたと言う証言が有った。
鎌倉は由比と最初にデートした町である。
思い出のレストランで物思いに耽っていた。
それが店員の証言で分かった。

つまり二人は白だった訳だ。



御代田は自分の愚かな思い込みで独走した捜査を深く反省した。
捜査会議でベテランの指示を仰いだ。

何よりも謎の由比がセカンドハウスを借りた理由を調べる必要があるという結論だ。

当麻由比の通うメンタルクリニックの医師に聞き込みをした。

医師の野口は沈痛な表情で言った。
「こんな事ならきちんと彼女の不安を聞くべきだった。彼女は買ったばかりの家で何者かに狙われていると言うのです。
てっきりよくある被害妄想と思った。
随分落ち着いてきていたのですが、なんらかのアクシデントが妄想を呼ぶ事はありますから」

御代田は頷いた。

「そこで彼女は音や物影が怖くて堪らない、思い切ってセカンドハウスを借りたと言うのです」

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