読書の森

沢木耕太郎 『男派と女派』より



私の中で、作家沢木耕太郎は旅を友として、一人飄々と好きな様に歩いているカッコ良いおじさんのイメージがあった。

しかし、この短いエッセイを読んで観方が変化した。
この人は、非常に心が柔らかくて、会う人に感銘を受け影響を受け易いらしい。

表題の男派、女派というのはどちらから教わる事が多いかという事で、沢木耕太郎は女派であるという。

女性の中にある直截性、野心の薄いところを好むのだろうか?
結構沢木耕太郎はフェミニストなのかも知れない。
よく考えれば生々しい女性の醜い所を一切省いた作品ばかりである。



このエッセイは今まで漠然と私が捉えていたことを、沢木耕太郎は正面から論じていた。
ハッとする真実である。

一生の内、どれほど女と付き合いがあっても自分の本質は全く変わらない人がいる。
逆に女性から学び影響を受ける人もいる、と言うのだ。

例えばと沢木耕太郎は述べる。
檀一雄や太宰治はどんな女が側に居ようと不変だが、坂口安吾は妻によって自分が変わるのを認めていると。

ちょっと古い作家の引用だが、例えばモテモテの男性が相手の女性に影響を受け難いというケースは良くある。

この説は女性にも言えるだろう。
男によって変わらない女というものはいる。

価値が他にあるというより、深いトラウマを持った人かも知れない。

自分が変わる事を恐れるのは損だ。
間接的にせよ直接的にせよ、素直に感動し教わる事があれば、それは残った人生の幸せだと思う。



昨夕の夕焼けは、まさに触れたら火傷する様に燃え盛ってました。

次に襲う台風の凄まじさを警告してるかの様で不気味でした。

風向き一つでも、今までと異なる経路を取る台風。

どうかしっかり備えをされ、くれぐれも気をつけて、無事で居られる事(私も含めて)をお祈り致します。

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