読書の森

コロナ禍の本屋さん



皇帝ダリヤが高い青空に映える休日、本屋さんに行きました。

先日図書館に行ったばかりなのに、本屋に出かけたのはオール讀物12月号の発売日だからです。
歴史の長いこの雑誌も、今回はコロナ禍のご時世を反映して大胆な方針転換をしてるらしいです。

どんなふうに変化するか興味しんしんだった訳。

図書館でも感じましたが、コロナ禍が深刻化した後、切実感を持って本を選ぶ人が増えたみたいです。

緊急事態宣言が解除された後、本を読みに訪れる人は寧ろ増えていると感じました。
会話ではなく、ネットでもなく、心の癒しを与えてくれるもの、それが読書なのかも知れない。
でも、それにしては売れ行きは今一という感じです。
財布の紐は固いのでした。
『鬼滅の刃』は別格ですが、これは今の人(特に若い人)の心が希求しているものとピッタリするのでしょうね。

では、それは何なのでしょう
文庫売り場をざっと見渡してみました。
部数が少ない所は何処かな?

読書歴の長い人向きのコーナーに、ありました!、おん年95歳の瀬戸内寂聴さんの最後の小説という『いのち』、凄いです。



そこから、若者向けコーナーに行くと青春ロマンに満ちたライトノベルの売れ行きがよいみたい。
アニメの表紙でありますが中身はしっかり活字が詰まってます。

これらの文庫本を見て感じたのは、現実の憂世を離れたロマンやミステリーに人気がある事です。

いつの世でも、読書は独特の世界を持っているのだと改めて思いました。
現実を克明にリアルに書き写す事以上にイマジネーションの世界が求められているのでしょう。

信じられないでしょうが、瀬戸内寂聴さんは夫ある身でありながら、恋の為に家出した時、実質的には相手と何もなかったそうなのですよ。

つまり若い男性が自分を思慕して自分もその男に惹かれている、初めて知った恋の為、誠実な夫も可愛い子供も安定した生活も捨てて、独りで童話を書き、貧しい生活を始めたそうです。

実際にその男性と交渉を持ったのはそれから何年も過ぎた後だと言います。
つまりイマジネーションの為に現実を捨ててしまったのです。

恋の一念って怖いですね。
と一言で片付けず、瀬戸内寂聴さんの小説を無性に読み返したくなりました。


さて、オール讀物は今後歴史時代小説に力を入れていくらしい。

そして幾多のベスセラー作家を生み出したあの新人賞は歴史時代小説のみの募集となりました。
しかもネット応募の形、郵送もメールも不可だそうですよ。

高齢化する読者層の対処策なのでしょうか?
ちょっと寂しい感があります。



蛇足ですが、今晩のお菜は鶏肉のトマトシチュー、トマトが高いのでホールトマト缶で作りました。
缶詰めは味が濃いので、結構濃厚なシチューが出来ました。

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